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節分の季節恒例のJAIA(日本自動車輸入組合)主催の輸入車試乗会が、大磯プリンスホテルを舞台に開催された。コロナ禍の影響で残念ながら中止となってしまった昨年から早1年。今回開催できたことは多くの関係者のご努力の賜物であり、まずは心から感謝の言葉をおくりたい。

1982年の第1回開催から数えて今年で記念すべき40周年を迎えた「JAIA輸入車試乗会」、日本自動車輸入組合主催する自動車ならびに一般メディア向けの有名かつ評判の高い毎年恒例となる歴史あるイベントである。

毎年、各メーカーおよびインポーターから70台(!)以上のニューモデルが、大磯に集結、自動車専門誌、自動車関連のTV番組、自動車専門ウェブサイトなど、毎年たくさんのメディアによって、抽選で割り当てられたモデルに試乗し、レポートするという一大イベントだ。文字通り、我々、メディア関係者にとっては、年に一度の大きな楽しみでもある。

そんな「第41回JAIA試乗会」会場には、AUTO BILD JAPANのスタッフ6名が全員集結。有難いことに、さまざまなジャンルの魅力的な輸入車17台を試乗することができた。

最終回となる本レポートはABJスタッフ全員が大好きなキャデラック エスカレード プラチナムについて語りたい。

真の豪華客船キャデラック エスカレード: 豪奢な客室でゆっくりとクルージングを楽しむ

「クルージング」という言葉はまさにこのアメリカを代表するクルマのためにあるのではないだろうか。そう思わせるほど、「キャデラック エスカレード プラチナム」はすべてを忘れて、リラックスしたドライビングが心から楽しめる。乗って走り出せば、果てしなく長い一本道を、どこまでも、どこまでもドライブしたくなる。

走行性能?加速?ハンドリング?コーナリング?そんなものは運転中、頭にさえ浮かんでこない。ワインディングロードでさえ、ゆっくりと景色を愛でながら登っていく。

あー幸せ。

押し出しの強さは間違いなく世界一。

キープコンセプト
世の中の多くのクルマが、やたらに馬力がどうだこうだ、インフォテインメントがどうだこうだ、やれ電動化やハイブリッド化がどうのこうのと喧しいことにも平然として動ぜず、我が道を貫いている。そんな1台がこの「キャデラック エスカレード」だ。

Welcome to the Cadillac Escalade world.

極上の空間
「エスカレード」をなんと表現していいのだろう。ゴージャス? ラグジュリアス? グランド? エレガント? 威風堂々? そう、すべてが当てはまる

それらはあくまでもアメリカ式ではあるものの、だからこそキャデラックはまったくぶれないといえる。終始一貫して、自分たちの信じるクルマを堂々と作り続けているのである。

そしてそれは乗った瞬間に伝わってくる。なんと素晴らしい空間だろうか。恍惚としてくる。

I love you, Cady!

キャサリン、レッツゴー! さあ乗って。海辺まで出かけよう。もちろん彼女は白いドレスにポニーテール、黄色いスカーフを首に巻いている。
広々としたスペースを備えた豪華客船の船内。サンルーフを全開すれば、雲一つない晴天の冬空が広がる。そして窓を少し開ければ湘南の海の潮の香りが流れ込んでくる。シートポケットのヘッドフォンも標準装備。
本物のキャデラック、本物のSUVとはこういうの、なのだろうと思う。細部までお洒落な(まるでハートマンあたりのカバンのような)内装テクスチャー、凝った二重メーターパネル、そしてハイテク装備と素晴らしいAKGのオーディオや数々のギミック満載など、ここまでやってくれれば高価な価格も納得がいく。大きく、ゆったりと、そしてリッチに、キャデラックはいつまでもこうあってほしい。でもコンビニの駐車場では必ずはみ出すので、それなりの環境で使いましょう。(KO)
リアハッチの開け方、知ってますか? 我々はわからずにあちこちをタッチ&プッシュ。
実は、キャディのロゴをプッシュすればハッチが開くのです。なんとお洒落な・・・。
3列目のシートを倒せば文字通りジャイガンティックなスペースが生じる。しかもすべて電動で作動する。
7人乗っても広々としていてリラックスできるアメリカ製大型豪華客船。この洒落たファブリックの使い方にご注目。ヘッドレストにはAKGのスピーカーが埋め込まれている。(KO)
触り心地も素晴らしい素材の質の高さにはほれぼれとする。メーターバイザーが、ナビとメーター部分との二重構造なのにご注意。筆記体で記されたキャデラックのロゴが上品だ。(KO)
今回は、ランドローバー ディフェンダーとのランデブー。なんという贅沢。
あー別れるのがつらかったー。I hope I can date with you again soon, dear.

以下に数台、短いコメントとともに、今回試乗したオフローダー&SUVモデルをご紹介!

ランドローバー ディフェンダー

ラグジュアリーかつ非常に優れた走行性、居住性。
舗装路だけの試乗でも快適で楽しい。ディーゼルエンジンであることを最大に生かしながら、ディーゼルエンジンのウイークポイントは皆無。何回乗っても新しさとお洒落さを両立していて、感銘を受けてしまう内装のディテール。関係者各位には怒られてしまうかもしれないけれど、これぞ21世紀のレンジローバーなのではないかと、改めて思う。(KO)

ジープ グランドチェロキー

鷹揚な乗り味、お洒落な内装、ふけ上がりの軽いエンジンと、悪い路面ではやや荒い乗り心地。数々のギミック満載で、価格は999万円と、前述のフィアット500と同じグループの現行生産車種とは思えません。人も荷物も満載で、わいわい楽しく気兼ねなく乗ると一番真価を発揮する、大型犬のような憎めない自動車。(KO)

プジョー3008 GTハイブリッド4

クールなテールライトなど、個人的には最近のプジョーのデザインは素敵だととても気に入っている。走行性能も素晴らしく、乗り心地はプジョーらしくとてもカンファタブルで、とても好もしい。評価が分かれるプジョーの小径ステアリングホイールですが、少なくとも私はそんなに違和感なく、決して嫌いじゃありません。(KO)

アルファロメオ ステルヴィオ ターボQ4ヴェローチェ

ジュリアと基本設計は共有されているはずなのに、車高が上がるだけでスポーティーさが薄くなる。それでもSUVとしてはスポーティー。特にハンドリングはSUVの中では最クイック。残念なのは立派すぎるタイアで、ちょっとドタドタ感をも生み出してしまっている。

以上。これで今回の「第41回JAIA輸入車試乗会」特集は幕を閉じる。すでに来年の「JAIA輸入車試乗会」が待ち遠しい。(笑) 来年もお楽しみに!

スタッフの一人はわざわざ兵庫県(小野市)から飛行機で羽田にやってきて、大磯のJAIA輸入車試乗会に参加してくれた。サンキュー&お疲れさまー。

Text: AUTO BILD JAPAN(アウトビルトジャパン) / 大林晃平
Photo: 中井裕美 / 日比谷一雄 / 大林晃平 / AUTO BILD JAPAN