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Disney(ディズニー)は、2022年第1四半期の決算発表の一環として、Disney+が同四半期に1180万人の新規加入者を獲得して会員数が1億2980万人に達したと発表し、2024年までに会員数2億3000万〜2億6000万人達成という目標に向けて順調だと述べた。前の四半期は200万人の加入者増にとどまっていたが、今期は予想を上回った。

Disneyは、Disney+の全世界の加入者数を、米国内と海外のカテゴリー別に分類した。加入者数は、米国とカナダで4290万人、それ以外では4110万人だった。また、Disney+ Hotstarの加入者数は4590万人で、これはDisneyとStar Indiaの既存ストリーミングサービスとの協業で展開されているサービスだ。

Disney+の成長は、ウォール街が予想した新規加入者約700万人を上回った。また、Netflix(ネットフリックス)は2015年以来最低の加入者増を記録し、予想の850万人に対し新規加入が830万人にとどまるという冴えない四半期だったが、Disney+の成長はストリーミング業界の状況に対する投資家の懸念を和らげたかもしれない。

Disneyの他のストリーミングサービスについては、Huluが660万人の新規加入者を獲得して会員数を4530万人にし、ESPN+は420万人を追加して2130万人に達した。Disneyのストリーミングサービス全体の契約数は1億9640万に達している。

同社の株価は、好決算を受けて8%上昇した。同四半期はパーク事業も回復した

DisneyのCEOであるBob Chapek(ボブ・チャペック)氏は決算説明会で投資家に対し、Disney+の同四半期中の成功は、本業の成長と新しいコンテンツの組み合わせによるところが大きいと述べた。同四半期にDisney+は、オスカーにノミネートされた「Encanto(ミラベルと魔法だらけの家)」「Eternals(エターナルズ)」「Hawkeye(ホークアイ)」「The Book of Boba Fett(ボバ・フェット)」などの有名作品をリリースしている。チャペック氏は、毎週1本、新作品をリリースするという目標を達成し、この目標を2倍にする計画だと述べた。

Disneyは今会計年度に、新規加入者獲得に向けて新コンテンツに330億ドル(約3兆8055億円)を注ぎ、第1四半期の勢いを持続させることを目指している。また、チャペック氏は、Disney+加入者が2024年度末までに2億3000万人〜2億6000万人に達するという軌道を維持していると説明した。

さらにチャペック氏は「Star Wars:Revenge of the Sith(スター・ウォーズ/シスの復讐)」の10年後を描くStar Wars新Disney+シリーズ「Obi-Wan Kenobi(オビ=ワン・ケノービ)」が5月25日に配信されることを明らかにした。このシリーズでは、若き日のオビ=ワンをEwan McGregor(ユアン・マクレガー)氏が再び演じ、その他にHayden Christensen(ヘイデン・クリステンセン)氏、Moses Ingram(モーゼス・イングラム)氏、Joel Edgerton(ジョエル・エドガートン)氏、Kumail Nanjiani(クメイル・ナンジアニ)氏、Indira Varma(インディラ・ヴァルマ)氏、Rupert Friend(ルパート・フレンド)氏らが出演する。

別のStar Wars新Disney+シリーズとして「Andor」が2022年中にスタートする予定だ。このシリーズでは、Diego Luna(ディエゴ・ルナ)氏が「Rogue One(ローグ・ワン)」で演じたCassian Andor(キャシアン・アンドー)役を再び演じる。また、Stellan Skarsgård(ステラン・スカルスゲールド)氏、Adria Arjona(アドリア・アルホナ)氏、Fiona Shaw(フィオナ・ショウ)氏、Denise Gough(デニース・ゴフ)氏、Kyle Soller(カイル・ソラー)氏、Genevieve O’Reilly(ジェネヴィーヴ・オーライリー)氏らが出演する予定だ。

Disney+が目指す会員数は、2022年夏に欧州、中東、アフリカの42カ国と11地域でストリーミングサービスが開始されることにともなうものだ。注目すべきは、南アフリカ、トルコ、ポーランド、アラブ首長国連邦などの新しい国々だ。Disneyは、これらの新しい国でサービスを開始する正確な日付を特定しておらず、地域ごとの価格に関する情報も出していないが、今後数カ月のうちに明らかにするはずだ。現在、Disney+は米国、カナダ、英国を含む64カ国で提供されている。

同社は、2023年会計年度までにDisney+を提供する国を2倍以上の160カ国以上に増やすことも明らかにした。消費者向け直販ストリーミング事業をさらに多くの市場に拡大する計画で、この推進のために新たにInternational Content and Operationsグループを設立する。

Disney+は2019年後半に始まり、過去数年間、Netflix、Amazon Prime Video、その他複数のストリーミングサービスと競合してきた。Disney+は、主にMarvel(マーベル)やStar Warsのコンテンツを有していることで、ストリーミング分野でその名を轟かせることができた。

ESPN+については、チャペック氏はCNBCとのインタビューで、DisneyがNFLの中継Sunday Ticketの放映権に入札するつもりであることを明らかにした。NFLのSunday Ticketの独占プロバイダーとしてのDirecTVの契約は、2022年のNFLシーズン後に切れることになっており、Amazon(アマゾン)やApple(アップル)など多くの企業が契約について初期交渉している。チャペック氏は、スポーツ番組が同社のストリーミング戦略の極めて重要な部分だと概説した。

画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi