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<p>【特集】 Windows 11は結局何が良くて何が微妙なのか?OSの出来やゲーム性能などを三者三様に分析</p><p>Windows 11は結局何が良くて何が微妙なのか?OSの出来やゲーム性能などを三者三様に分析 #Windows11</p><p>2021年10月5日にリリースされてから約半年。Windows 11への市場の評価が、そろそろ見えてきた。本稿では、PC Watchのライター陣によるWindows 11への現時点での評価をお伝えする。OSに対する評価は、環境や使い方次第で変化するため、人それぞれ、満足する点もあれば、気になる点もあるのは当然と言える。</p><p>ここではCore i9-12900Kを使用しているが、特定のコアに処理が集中して16コア24スレッドを生かし切れていない。その点、Windows 11では主にPコアに処理をうまく分散させているのが分かる。これがIntel Thread DirectorがWindows 11のほうが有効に働くということなのだろう。 Windows 10でのレインボーシックス シージのCPU使用率。特定のコアに処理が偏っているのが分かる Windows 11でのレインボーシックス シージのCPU使用率。一番上から3段目の左から4つ目までがPコアによる処理。Pコアにうまく分散させているのが分かる これによってフレームレートにどの程度変化があるのか以下の環境でテストを行なった。レインボーシックス シージの内蔵ベンチマーク機能で測定している。 【検証環境】CPU : Core i9-12900K(16コア24スレッド)、マザーボード : MSI MPG Z690 CARBON WIFI(Intel Z690)、メモリ : Corsair DOMINATOR Platinum RGB DDR5 CMT32GX5M2B5200C38(PC5-41600 DDR5 SDRAM 16GB×2)、ビデオカード : MSI GeForce RTX 3070 VENTUS 2X OC(GeForce RTX 3070)、システムSSD : Western Digital WD_BLACK SN850 NVMe SSD WDS200T1X0E[M.2(PCI Express 4.0 x4)、2TB]、CPUクーラー : Corsair iCUE H115i RGB PRO XT(簡易水冷、28cmクラス)、電源 : Super Flower LEADEX V G130X 1000W(1,000W、80PLUS Gold)、OS : Windows 11 Pro ビデオカードがボトルネックになりにくいフルHD解像度ではフレームレートの差が顕著だ。Windows 11が平均435fpsなのに対してWindows 10では422fpsまで下がってしまう。では、ほかのゲームではどうだろうか。高いスペックを要求するオープンワールドゲームとして知られる「サイバーパンク2077」でも試して見た。内蔵ベンチマーク機能で測定している。 Windows 10でのサイバーパンク2077のCPU使用率。主にPコアに処理が集中しているが、使われていないスレッドも目立つ Windows 11でのサイバーパンク2077のCPU使用率。すべてのコアを有効に使って処理しているのが分かる。Intel Thread Directorが有効に働いている証拠だろう CPU負荷の大きいゲームなのが影響しているのか、すべての解像度でWindows 11のほうがフレームレートが上回った。わずかな差ではあるが、ハイブリッドデザインのAlder Lakeを使っているならゲーマーはWindows 11にする価値は十分あるだろう。 また、ゲーム好きでHDR対応モニターを使っているなら、Windows 11を導入するメリットは大いにある。それが「自動HDR」だ。 HDRはHigh Dynamic Rangeの略で、高い輝度幅を実現するものだが、ゲームでそれを体験するにはゲーム側の対応が必須だった。しかし、Windows 11に搭載されている自動HDRであれば、DirectX 11以降のHDR非対応ゲームでもHDRを実現できる。これは、Xbox Series X/Sに搭載されているAuto HDRの移植版と言えるもの。 設定は簡単だ。Windows 11の設定画面から「システム」→「ディスプレイ」→「HDR」と選択し、まずは「HDRを使用する」を「オン」に、そのあと「自動HDR」をオンにする。これで準備完了だ。 「HDRを使用する」を「オン」にすると「自動HDR」も「オン」にできる。もちろん、HDR対応のモニターが接続されていることが条件だ 筆者が試した限り、HDR非対応ゲームがどれでも自動HDRが有効になるわけではなかった。自動HDRが使えるゲームはゲームの起動時に「AUTO HDRがオンになっています」というポップアップが表示されるのですぐに分かる。 筆者は「Apex Legends」「CloudPunk」「ウィッチャー3 ワイルドハント」は自動HDRが有効になるのを確認した。中でもApex Legendsは自動HDRの効きが分かりやすかった。明らかにコントラストが高まり、光りの陰影がより強調される。 自動HDRが有効なゲームは起動時にポップアップが表示される ゲームの自動HDRはHDRモニターを生かすおもしろい機能だが、対応ゲームがはっきりしていないのが残念だ。自動HDRのポップアップが表示されないゲームでは、どのような処理が行なわれているのか不明。Microsoftには自動HDR対応ゲームリストをぜひとも作って公表していただきたい。 Windows 11が登場した当初は、ゲームにおいて性能が発揮できなかったり、何らかの不具合が発生するなど、色々と問題があったが、現状では致命的と言えるようなバグは見つかっておらず、Windows 11への移行は問題になりにくいと筆者は考える。 OSのインターフェイスの変更に関しても、ゲームに与える影響は小さく、少なくとも最新の第12世代Core(Alder Lake)を使っているなら、パフォーマンスアップのために、Windows 11を利用しない手はないだろう。 まとめ Windows 11は過去のOSの中でも、比較的好意的な印象を持たれているOSであり、発売から半年を経過した評価としては上々だろう。歴代のWindowsと異なり、UIの違いへの拒否感も少なく、市場の反応も悪くない。これは、確かに良く悪くもWindows 10を踏襲した結果と言える。 しかしながら、セキュリティに対する取り組みやアプリ配布プラットフォームとしての進化、ゲーミング環境への積極的な取り組みと、Windows 10と比べたときの明確なメリットがあることも事実だ。こうした点がライター陣に高く評価されているのも納得できる。 日本語訳の不備も目立ったが、これは日本市場の重要性が低くなったことに加え、日本人がフィードバックに消極的な結果なので、ある意味仕方がない。正規のルートで修正項目にきっちり載せない限り、修正は進まないので、我々メディアがもっと告知して、広くフィードバックを促すべきだったと反省する。 まだWindows 11は様子見という読者も少なくないかと思われるが、登場から半年が経過して、不具合の修正も進み、安定したOSになりつつある。Androidアプリ対応など、今後登場が予定されている大きな機能も控えているので、この機会にWindows 11への移行を検討してみる価値はあると言えそうだ。 関連記事</p>