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「さあ、行くぞー」。昨年の12月上旬、秋田県男鹿市の脇本漁港に、漁師たちの声が響いた。「第八長洋丸」は鉛色の海に飛び出すと、いてつく風雪とうねりを乗り越え漁場を目指す。「しっかり船につかまれよ。いい写真撮れるまで毎日来いよ」。船上でよろめく私に、天野長兵衛船長(72)の声が勇気をくれ…