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<p>『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にて爆発推進で「宇宙」に行くプレイヤーに注目集まる。こだわりの実装が生んだ奇跡の光景 – AUTOMATON</p><p>【ニュース】『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にて爆発推進で「宇宙」に行くプレイヤーに注目集まる。こだわりの実装が生んだ奇跡の光景</p><p>『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にて、“宇宙らしき場所”にたどり着いたプレイヤーがいるとして、注目を集めている。美しい宇宙の背景には、本作の作り込みが生み出した偶然があった。</p><p>Image Credit:ThornyFox at Reddit そして次に、「なぜ宇宙があったのか?」との疑問だ。端的にいえば、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の宇宙は、偶然の産物だと考えられる。というのも、美しい宇宙の成り立ちは、本作における空の表現方法のこだわりに起因するようなのだ。 3Dゲームにおけるポピュラーな空の表現方法に「Skybox」と呼ばれる手法がある。この方法は、プレイヤーが存在するエリア全体を巨大な長方形ないしは円形などで覆ってしまい、雲や青空などのテクスチャを貼り付けて空に見せかけるテクニックだ。いわば、プレイヤーのたどり着けない背景を全天に表示しているのである。この手法は多くの3Dゲームに用いられており、通常のプレイでは意識することはない。一方で、場合によってはスカイボックスのテクスチャ解像度が荒く気になったり、改造やグリッチによって異常な位置にプレイヤーが到達すると、箱の継ぎ目/切れ目などが見えてしまう場合もある。 そして、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』については、どうやらこのSkyboxを利用していないようなのだ。筆者の観測範囲内では、開発者による空の描画プロセスに関する証言は見つけられなかった。しかし、ゆきのさんによる宇宙到達動画が、本作の空の描画へのこだわりを物語っている。同動画ではまず、もやを抜けたあとに青空もしくは海らしき平面が下方に遠ざかっていく。次に、上空にあった雲の層を突き抜け、やがて宇宙へと到達している。そう、地球と同じように、上空に雲の層があるのだ。 海外RedditユーザーのBrainChild氏も、本作の空の実装に言及している。同氏は、複数のNintendo Switch向けゲームについて技術的分析を投稿している人物だ。同氏による によれば、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は本作における雲は動的に生成されており、しっかり太陽の光を受けて地面に影を落とすばかりか、風の影響まで受けているというのだ。 同スレッドでは、ほかにもリアルで美しい空を描画するための工夫が紹介されている。つまり、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』はオープンエアな開放感を演出するため、Skyboxを利用せずにリアルな大気をシミュレーションしていることが濃厚。そして、その実装が偶然にも、高高度に到達したプレイヤーたちに無限に広がるかのような美しい宇宙を見せていたと考えられる。まさに、開発者たちの空気感へのこだわりが生んだ奇跡の光景だ。 Image Credit:ThornyFox at Reddit この「宇宙」を、開発者たちが意図してデザインしたかは定かではない。もしかすると、こだわり抜いた結果、本物の地球と宇宙のような構造になってしまった可能性もあるだろう。本来想定しない挙動によって奇跡の光景が発見されるのは、ゲームという娯楽の奥深さを感じさせる出来事だ。何よりも、今回の束の間の宇宙旅行が、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の作り込みと自由度に支えられていることに疑いがないだろう。</p>