4月9日、アメリカ・カリフォルニア州のロングビーチ市街地コースにおいて、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第3戦ロングビーチの決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートしたキャデラック・レーシングの01号車キャデラックDPi-V.R(セバスチャン・ブルデー/ランガー・バン・デル・ザンデ組)が優勝。僚友02号車キャデラックDPi-V.Rがこれに続き、同チームを運営するチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)の2台がワン・ツー・フィニッシュを飾っている。
NTTインディカー・シリーズとの併催イベントとなった今戦のロングビーチ・グランプリ。ロングビーチ市街地コースを舞台とするこのイベントは、通常のレースフォーマットよりも短い100分のスプリントレースで争われる。
決勝前日の金曜日に行われた予選では、ブルデー駆る01号車キャデラックが新たなレコードタイムとなる1分09秒476をマークしてポールポジションを獲得すると、僚機02号車が2番手につけCGR勢がフロントロウを独占する。3番手には開幕戦デイトナのウイナーであるメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)の60号車アキュラARX-05が続いた。
土曜の決勝は晴天の下、現地14時05分にスタートが切られ大きな混乱なくオープニングラップが完了する。ところが5周目、トップを走るブルデーの01号車キャデラックが最終コーナーでストップ。イン側からGTカーをかわそうとしたがコーナー出口で曲がりきれず立ち往生してしまった。その後、切り返してレースに復帰したものの首位から一転、DPiクラス最後尾に転落した。
しかし、ここからブルデーによる怒涛の追い上げが始まる。10号車アキュラARX-05(コニカミノルタ・キャデラックDPi-V.R)のピットインにより5番手に順位を上げた01号車は、コース上で5号車キャデラックDPi-V.R(JDCミラー・モータースポーツ)を交わして4番手に。
さらにスタートから26分後には、4番手スタートの31号車キャデラックDPi-V.R(ウェーレン・エンジニアリング・レーシング)が60号車アキュラARX-05をオーバーテイクした直後にMSRアキュラをパスして表彰台圏内までカムバックしてくる。
■コルベットがナット脱落のペナルティで勝機を失う
その後もフランス人ドライバーの勢いは止まらず31号車のピットイン後、チームメイトであるアレックス・リンの02号車キャデラックに追いつくと、レースの折り返しを前にコース上で料理完了。自らのミスで失ったポジションを取り戻すことに成功した。
ルーティンのピットイン後、ブルデーからステアリングを引き継いだバン・デル・ザンデは、縁石が剥がれるアクシデントとGTDカーのクラッシュによる計2回のセーフティカーランでギャップがリセットされたものの、その都度ライバルの追撃を振り切り73周目の終わりにトップでチェッカーを受けた。
3.761秒差の総合2位は02号車キャデラック、3位にJDCミラーの5号車が入ったことで第2戦セブリングに続き、ロングビーチでもキャデラック勢が表彰台を独占している。
GTDプロクラスでは、予選最速タイムを記録したコルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC8.Rがレース前半戦をリードする。しかし、スタートから40分過ぎに迎えたピットインのタイミングで、作業中のコルベットからホイールナットが脱落し、これが同じくピット作業中だった2番手の9号車ポルシェ911 GT3 R(パフ・モータースポーツ)を直撃。ポルシェのラジエーターに穴を開けてしまう。
レースコントロールはこの一件をペナルティの対象とし、首位コルベットはレース折り返しの直前にドライブスルーペナルティを受けた。
後半戦は上位2台の脱落により、クラス3番手からスタートした23号車アストンマーティン・バンテージGT3(ハート・オブ・レーシング・チーム)がクラストップとなり、ロス・ガン/アレックス・リベラス組がそのままポジションをキープしてGTDプロ初勝利を手にした。僅差の2位はバッサー・サリバンの14号車レクサスRC F GT3。クラス3位には一時4番手に順位を下げたコルベットが入っている。
GTDクラスはBMW M4 GT3での2戦目を迎えたポール・ミラー・レーシングの1号車がポール・トゥ・ウインを達成。アキュラのアニメ作品『チアキのジャーニー』カラーをまとった66号車NSX GT3 Evo(グラディエント・レーシング)がクラス2位となり、バッサー・サリバンの12号車レクサスが3位表彰台を獲得した。
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第4戦ラグナ・セカは4月29日~5月1日、同じくカリフォルニア州のウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで開催される。