ルーキーふたり、そして新チームながらデビュー戦で2台入賞(9位、10位)を果たし、2レース制の第2戦でも三宅淳詞が5位入賞を果たしたTEAM GOH(佐藤は13位)。決勝の結果もさることながら予選Q1でトップタイム、そして2レースで2台ともQ2に進出するなど、速さのインパクトは強烈だった。スーパーフォーミュラでのシーズン最初の週末を終えての感想を聞いた。
第1戦の予選Q1A組でいきなりトップタイムをマークした佐藤連。そして第2戦の予選Q1ではチームメイトの三宅淳詞がA組でトップタイムと、新人ふたりが速さを強烈にアピールしたスーパーフォーミュラ開幕2連戦。ドライバーとクルマの速さは見せることができた一方、決勝では新チームらしい課題も見えた。
まずは予選での速さについて山本雅史監督に聞く。
「速さの部分では、もともとふたりのドライバーが個性が違えど速さは持っているので、それはテストの段階から見ていて僕たちも思っていました。あとは彼らがしっかりと走れるクルマと環境を作ってあげればなんとかなるなとは思っていました。そこはまあまあ、Q2に2台とも2レース両方で進出できたのは、思っていたなかでもうまくやってくれたと思います」と山本監督。
ドライバー側としては、速さは見せつつも、細かな部分で課題もあった。まずは三宅淳詞に聞く。
「第1戦のQ2はクルマのポテンシャルは本当に高かったのですけど、アタックをうまくまとめることができずに順位と落としてしまう形になりました(12番手)。第2戦のQ1に向けてセットアップも変更しましたけど、やはり自分のアタックをまとめる、クルマのポテンシャルを引き出すというところを意識して、しっかりプラン通りに走った結果があの(A組の)Q1のトップタイムを出せたことにつながったのかなと思います」と、三宅。
それでもその後のQ2では予想外のアクシデントに見舞われてしまった。
「Q2もクルマのポテンシャルは高かったのですけど、アンチラグを僕が入れ忘れてしまい、1コーナー、ダンロップコーナーの低速からの立ち上がりのターボラグでタイムロスしてしまいました。僕のミスです。もったいないミスでしたし、そこは反省ですね」
一方、第1戦のQ1A組でトップタイム、そしてデビュー戦予選で2番手を獲得したチームメイトの佐藤連も、第2戦の予選では風向きが真逆になったコンディションに、わずかだが苦しむことになった。
「風向きが逆方向になって(ストレートで向かい風)いたので、セクター2ではかなり苦戦していましたが、逆にセクター3ではいい部分を見つけることができていました。そこでタイムを稼ぐことができてのQ2の4番手だったと思います」
「Q2では自分のミスもわずかにあったのですが4番手でよかったと思います。トップの野尻選手にはちょっと届かない部分はあったのですけど、2番手は狙えていたかなと思います」と佐藤。
1戦目とコンディションが変わった2戦目でも、2台とも予選Q2に進む速さを見せたが、第2戦の決勝では佐藤と三宅、明暗が分かれる結果となった。
三宅は予選9番手から好スタートを決め、平川亮(carenex TEAM IMPUL)とバトルするなど見せ場を作る5位入賞。一方の佐藤はスタートで遅れると、早めのピットインが裏目に出て、レースの後半にはマシン表面のステッカーが剥がれてくるというトラブルにも見舞われてしまった。
まずは佐藤に聞く。
「スタートはクラッチの温度の関係などでうまくいかない部分があって、そこのつながりの部分でもう少しエンジニアさんと今後に向けて分析していく必要があるなと思っています。ピットタイミングもミニマムの戦略だと、後ろから他のクルマが来てしまって(集団に)飲まれてしまうところがあった。ピット作業があまりうまくいかなかったというのもあって、そこで大きくポジションを失ってしまいました」と佐藤。
その後のフォルム/ステッカーの剥がれも、クルマの運転を難しくしてしまった。
「サイドポンツーンのステッカーのフィルムがかなり剥がれてしまって、ダウンフォースとか空力の部分で悪いところが出てしまった。ストレートスピードも遅くなって振動も結構してしまいました。第2戦はいろいろな部分でうまくいかなかったなと。ひとつひとつ問題は潰していって、次の鈴鹿ではしっかり上位で終えられるようにしたいと思います」と佐藤。
5位入賞を果たした三宅も、レースでは実績ある国内トップドライバーたちとの経験の差を痛感することになった。
「決勝のスタートもうまくでき順位を上げることができて、接触なくバトルもすることができた。平川(亮/carenex TEAM IMPUL)選手を抜くことができましたが、その後は平川選手のペースがよくて、平川選手を後ろから見させてもらいましたが、平川選手の走らせ方とかもわかったので今回は本当にいい勉強になりました」
「ですが、ピットアウトで山下(健太/KONDO RACING)選手とバトルをした場面で、OTSを使うタイミングで前に行かれてしまった。その前のアウトラップを守ことができたのに、次の1コーナーで前に行かれてしまったので、OTSのタイミング、そういう技というか知識というか、そういう部分が足りなかった印象です」と三宅。
山本雅史監督も、2レースを終えて改めてスーパーフォーミュラのレベルの高さについて語る。
「やっぱりスーパーフォーミュラの難しさですよね。経験豊富なベテランが多いし、本当のドライバーズレースという部分で、うちのふたりのルーキードライバーと、私もそうですけどいい経験をさせてもらった週末になったと思います」
「レースの部分で蓮も第1戦で始めてSFのレースを経験して、第1戦も第2戦もスタートがなかなかうまくいかなくて、三宅はスタートは良くて第2戦で5位に入ってくれて、ルーキーふたりでこのスーパーフォーミュラの最初の週末はいい経験ができたと思います」と山本監督。
「蓮は第2戦ではストラテジーの部分で失敗してしまった。ミニマムの周回数で入ったのは僕ら側のミスで、ピット作業も早くはなかったので蓮には可哀想なことをしてしまった。レースの途中でフィルムが剥がれてエアロが乱れてしまって、ストラテジーと合わせてチーム側の問題ですね」
この2連戦で、速さという大きな武器と実戦のレースでの課題が突きつけられることになったTEAM GOH。次の鈴鹿ではどのようなパフォーマンスを見せることができるのだろう。