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福岡市を拠点に活動する画家田中千智の代名詞と言えば漆黒の闇の背景だろう。背景に何も描かないことで鑑賞者自らが物語を立ち上げる「余白」ならぬ「余黒」がある。だが、コロナ禍以降に制作した新作は艶と輝きをたたえた前景こそが印象的で、見る者の想像力を刺激する。 東京・渋谷で開催中の個展は…