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カロッツェリアの「楽ナビ」の2022年モデルがいよいよ発売開始。ハイスペックと低価格を実現した抜群のバランス感覚を改めて探ってみる

 2022年3月発売予定だったが、実質2月下旬には一部のカー用品店にて販売を開始したカロッツェリアの「楽ナビ」2022年モデル。

 1998年の初代モデル登場以降、代替わりごとにさらに使いやすく、より便利になっていった楽ナビ。2022年モデルはどのような進化を遂げているのだろうか。

文/高山正寛、写真/Pioneer

【画像ギャラリー】高性能で使いやすいカロッツェリア「楽ナビ」に2022年モデルが登場!!(10枚)画像ギャラリー

■AV一体型カーナビの“THE定番”の歴史をたどる

カロッツェリア「楽ナビ」の2022年モデルが発売中だ。写真は9V型大画面モデル「AVIC-RQ912」

 早いもので初代楽ナビが登場したのが1998年。当時はまだ地図などを収録するメディアが「CD-ROM」、当時はこれはこれで最新の技術だった。

 その後、2000年にはDVD、2005年にはHDD(DVDモデルも併売)、2011年には現在同様のメモリー型に進化、同時に当時はポータブルモデルもラインナップしており、ワイドバリエーションにより幅広いユーザーに対応した。

 またカロッツェリアブランドにはハイエンドのサイバーナビもラインナップされていたが、商品ごとのコンセプトもきちんと区別化されていた点も高く評価されていた。

 ハイエンドらしい最新鋭の技術を常に取り込むサイバーナビと基本としては高いカーナビ性能を搭載しながら、UI(ユーザーインターフェース)などにウエイトを置いた楽ナビ、つまり高性能ながら敷居が低く、オーバーに言えば取説を読まなくてもすぐに使える点も支持を得たポイントと言える。

■新モデルのキモはHDMI端子の搭載!

写真の高画質7V型(200mm)モデル「AVIC-RW912」もHDMI入出力端子を採用

 高い基本性能を持つ楽ナビだが、その中でも特に目を引くのが「HDMI入出力端子」の採用だ。

 メディア側の進化に対し、AVナビは当然のそれに対応できなければならない。特に昨今のYouTubeを始めとする動画ストリーミングサービスや、ゲーム機、デジカメなどへの接続対応はマストと言える。

 楽ナビはHDMI端子を使うことでこれらを高画質なHDディスプレイ上にフルデジタルで伝送し表示できることが大きなメリットだ(注:「AVIC-RW112」「AVIC-RZ112」には非搭載)。

 また家庭でも人気の「Amazon Fire TV Stick」にも対応しているのでHDMI端子にこれを挿すだけで(電源もUSB端子から取れるので大丈夫)楽しめるコンテンツは一気に拡大する。

 またHDMI端子は入力だけでなく、出力へも対応しているので、対応するモニターを楽ナビと接続することで、地デジも含めた映像ソースを後席で楽しめることは言うまでもない。

■実は強力な援軍がいる

車内でネットが定額使い放題となるDCT-WR100D

 スマホや専用機器等を接続することでスマホより大画面かつ高画質で動画ストリーミングサービスなどが楽しめるのは確かに魅力的だ。ただこの場合、当然のことながらデータ通信量が発生する。

 特に昨今の動画サービスなどはHD画質での配信や、ゲームの場合もオンライン対戦やサーバーへのアクセスなど実は頻繁に通信量がかかるケースも多い。

 調子に乗ってガンガン使っていたら契約プランにもよるが請求額の上昇や、逆に上限に達したことで通信速度を強制的に下げられてしまうなどメリットが半減してしまう。

 そこで楽ナビ&デジタルコンテンツに絶対オススメしたいのが人気爆発の車載用ルーターである「DCT-WR100D」だ。商品の詳細はここでは省くが、これを使えば定額で通信が使い放題。

 またこれが実は重要なのだが、「DCT-WR100D」はNTTドコモの「docomo in Car Connect」に対応しており、走行時でも安定した通信環境を提供してくれる。

 実際、筆者も所有しており、過去何度も長いトンネルを走っていても動画再生などは安定していた。結果として大ヒットしたわけだが、従来までは携帯電話の通信回線に頼っていたデジタルコンテンツの再生時の悩みははこの「DCT-WR100D」の登場で解決したと言ってもいい。


パイオニア 車載用Wi-Fiルーター カロッツェリア DCT-WR100D
パイオニア 車載用Wi-Fiルーター カロッツェリア DCT-WR100D
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■専用品の強みとワイドバリエーション

写真の9V型大画面モデル「AVIC-RQ912」を筆頭に、8V型や幅200mmに対応するワイド7V型など、豊富なサイズバリエーションから選べる

 現在の楽ナビは高解像度(2,764,800画素)のHDパネルと視野角の広いIPS方式を採用している。車種や取り付け位置、ドライバーの着座位置によって当然見え方は異なってくる。これはパソコンなどとは異なり、正面からディスプレイを見ることがほぼ無いカーナビならではの特性とも言える。

 ただ、それによって地図自体が見にくくなってしまうのは本末転倒だ。楽ナビの場合、左右だけでなく上下の視野角も広く、ミニバンであろうとスポーツカーであろうと高い視認性を確保、また動画コンテンツを楽しむ際、スピードの早い動きに対しても新プラットフォームの採用により応答遅れが少ないのも特徴だ。

 これは楽ナビに限ったことでは無いが、昨今はどうしてもスマホのナビアプリと比較されがちだ。しかし、地図の見やすさや車載での使用を考慮した専用UI、そして何よりも専用開発されたモデルゆえに、振動や熱といったクルマ特有の劣悪環境下でも安定して使える点ではアドバンテージがある。

 またあまり知られていない(失礼)だが、楽ナビは9V型大画面モデルを筆頭に、8V型、幅200mmに対応するワイド7V型、そして幅180mmの7V型のワイドバリエーションを持つ。

 もちろん車種によるジャストフィットも考慮してのことだが、幅広いラインナップを持つことで、多くのユーザーに対応できる点は楽ナビがずっと継承してきた利点とも言える。

■高性能を適正な価格で、高コスパも強み

CD-ROMの時代からカーナビを販売していたパイオニアならではのノウハウで、車内での見やすさ、使いやすさを追求している

 昨今のAV一体型カーナビは差別化が難しいと言われている。では楽ナビを選ぶ意味はどこにあるのだろうか。今回紹介したHDMI端子やHD高精細パネルも魅力的だが、やはり楽ナビの魅力は高性能なナビ機能を適正な価格で提供している点にあると思っている。

 現行モデルでは制限速度超過時に音とメッセージで注意を促す「速度超過防止警告」など時代が求める機能を搭載しており、それ自体も魅力的ではあるが、根本的にはカーナビの命とも言える自車位置精度の高さや地図デザイン(好みはあるが)が重要で、楽ナビの場合、これまでのノウハウを継承している。

 そして高い基本性能の極めつけは同社が誇る圧倒的な渋滞回避能力を持つ「スマートループ」に集約される。VICSの渋滞情報も含め、元々収集した膨大なデータから最適なルートを案内できる点はナビにおける「現地までスムーズに早く到着できる」という基本中の基本を高レベルで実現する機能だ。

 これらを搭載しつつ、適正な価格やユーザーニーズに合わせたラインナップを持つからこそ楽ナビはコストパフォーマンスが高いことがわかる。
 
 インフォテインメントシステムと呼ばれるようになった昨今の車載機器だが、時代と共に変化しており従来のAV一体式カーナビだけで生きていくのは確かに大変だ。

 しかし、市場に流通しているクルマの多くやユーザーがAV一体式を好む傾向はまだまだ強い。その中でカロッツェリアの「楽ナビ」は一歩づつではあるが、確実に進化していることを感じるのだ。


パイオニア カーナビ カロッツェリア 楽ナビ 9型 AVIC-RQ912 無料地図更新/フルセグ/Bluetooth/HDMI/DVD/CD/SD/USB/HD画質
パイオニア カーナビ カロッツェリア 楽ナビ 9型 AVIC-RQ912 無料地図更新/フルセグ/Bluetooth/HDMI/DVD/CD/SD/USB/HD画質

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