<p>開発者&翻訳者「本当に翻訳に必要なのはただ情熱」デッキ構築ローグライト『Vault of the Void』インタビュー【有志日本語化の現場から】 | Game*Spark – 国内・海外ゲーム情報サイト</p><p>開発者&翻訳者「本当に翻訳に必要なのはただ情熱」『Vault of the Void』翻訳インタビュー 日本語化を追う本記事では、なんとゲーム作者も同席。有志翻訳を開発者はどう思っているのでしょう。両面からの多言語化に迫ります。</p><p>海外のPCゲームをプレイする際にお世話になる方も多い有志日本語化。今回はデッキ構築型ローグライト『Vault of the Void』の開発者と翻訳者に話を訊きました。</p><p>――他にも理由はありますか? 燻丸 『Slay the Spire』の有志翻訳者Grezzzさんにカードやアーティファクトの名前を日本語に翻訳する際の基準を尋ねました。Grezzzさんはこの基準を「Fireball問題」と名付けているそうです。Fireballを「火の玉」と訳すか「ファイアーボール」と訳すかで、その世界のカタカナ英語の割合が決まります。日本語の「火の玉」と訳せば古典的なファンタジーの雰囲気になりますし、カタカナ英語の「ファイアーボール」と訳せばカジュアルな雰囲気になります。 ――「Fireball問題」ですか。面白い基準ですね。 『Slay the Spire』では日本語に寄せた翻訳をしていたので、『Vault of the Void』も極力日本語を使う翻訳で統一しました。Grezzzさんから話を聞かなかったら、ほとんどのテキストがカタカナ英語になっていたかもしれません。もちろん、雰囲気を重視してカタカナや英語を採用したところもあります。 ――翻訳する上で他に工夫したことはありますか? 日本語のフォントは英語のフォントより大きく、カードには1行に10文字までしか表示できませんでした。そこで、文の途中で改行が発生してゲーム体験を損なうことのないよう、原文を同じ意味の短いテキストに置き換えて翻訳しました。このような翻訳では、さまざまな言い換えを知っていることが重要になります。他の有志翻訳者が語る「日本語力」の一つですね。さらに、文章の意味を変えずに助詞の「を」を省略する工夫もしました。 ――日本語をサポートする上で技術的な問題はありましたか? たいした問題はありませんでした。大変だったのはゲームからすべてのテキストを抜き出すことだけです。これには単なるコピー・アンド・ペーストに1日あたり8時間から10時間もかかりました。 ――日本語の中に中国語の漢字が混在する問題は起きませんでしたか?</p>