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1988年に父が亡くなったとき、佐渡の実家の神棚に古びた封筒が置いてあるのを見つけた。その6年後に母が逝き、今度は同じ封筒が仏壇の引き出しから出てきた。「東京芸術大学」と印刷してある未開封のそれは、私が芸大に勤めて初めてもらった給料袋だ。佐渡の父は工芸一筋で大家族を養った。とても尊敬…