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AMDでは2022年後半にRDNA3アーキテクチャーを採用するRadeon RX 7000シリーズのリリースを予定していますが、今回その中でミドルレンジモデルにあたるRadeon RX 7600 XTに関する情報が出現しました。

RDNA3採用のRadeon RX 7000シリーズ

AMDでは2022年下半期中にRDNA3アーキテクチャーを採用するRadeon RX 7000シリーズの発売を予定しています。このRDNA3アーキテクチャーでは上位モデルのGPUではRyzen CPUのように複数のダイを組み合わせたMCM(Multi Module Chip)になると見られていますが、ミドルレンジモデルに関してはRDNA2のようにモノリシックダイが採用される予定となっていますが、今回ミドルレンジモデルであるRadeon RX 7600 XTの情報がMoore’s Law is Deadから出現しました。

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2022年にAMDではRDNA3アーキテクチャーを採用するRadeon RX 7000(Navi3x系 GPU)を発売予…

Radeon RX 7600 XT(Navi 33)TDPは200W程度でRadeon RX 6900 XT並の性能を実現

Moore’s Law is Deadによると、関わりがあるすべてのソースはRadeon RX 7700 XT(Navi 33)に採用されるNavi33 GPUではRDNA2の最上位モデルRadeon RX 6900 XT並の性能を実現するとのことです。

Navi 33ではTSMC 6nmで製造されるGPUダイを1つ搭載。ダイサイズは360-460mm2になるとのことです。大きさ的には現行のRadeon RX 6700 XTに搭載されているNavi 22が335mm2、Navi 21が520mm2ということでこの間のサイズになると見られており、Navi 23などミドルレンジGPUとしてはNavi 33は巨大化する方向のようです。

性能面ではVRAMが128-bitのGDDR8GBを搭載していますが、VRAM速度は最低20Gbpsと高速化がされており、Infinity Cacheを128MB搭載することで1080p程度の解像度であればRadeon RX 6900 XT以上の性能を実現、1440pでは同等性能となるようです。

ただ、Infinity Cacheの容量とVRAMのバス幅が少ないため4K画質ではRX 6900 XT以下の性能になってしまう見込みのようです。

TDPについては180Wから230Wになる見込みで、AMDの開発目標は200Wとなっているため、性能の割には非常に高いパフォーマンスを発揮するGPUになる見込みです。

価格については399ドルから499ドルとなっており、Radeon RX 6600 XTよりは価格が高くなり、上位モデルのRadeon RX 6700 XTの479ドル以上の価格になる見込みのようです。Radeon RX 7000シリーズでは全体的に価格が上がる傾向にあるようですが、ミドルレンジのNavi 33も例外ではなく、全体的なラインアップの見直しやNavi 33ではNavi 22に比べて製造コストが高くなっている事が影響しているようです。

レイトレーシング性能に関してはRadeon RX 6000シリーズ系ではNVIDIA RTX 3000シリーズに比べると性能面で劣っていましたが、RDNA3では性能が大幅向上する見込みになっているようです。

電力効率はRTX 4000シリーズより優れる見込み

NVIDIAではミドルレンジ向けのGeForce RTX 4060はGeForce RTX 3080並の性能を実現すると見られていますが、AMDでは同じミドルレンジのRadeon RX 6600 XTは最上位モデルとなるRadeon RX 6900 XT並の性能を実現し、Moore’s Law is Deadではラスター性能においてはRDNA3系GPUはNVIDIAを超える電力効率を実現するようです。

ただ、kopite7kimi氏によるとNVIDIAのAda Lovelace GPUではサーバー・データセンター向けのGPUのHopperに搭載されている最新テクノロジーが搭載される見込みで、過小評価すべきではないとのことです。そのため、現時点では電力効率面ではRadeon RX 7000シリーズの方がNVIDIA GeForce RTX 4000シリーズを上回っているように見えますが、NVIDIAも何か飛び道具を隠している可能性は十分ありそうです。

 

AMDのRadeon RX 7000シリーズのハイエンドモデルは複数のGPUを搭載するMCMで最高性能面ではNVIDIAに対抗する一方、コストパフォーマンスが重視されるミドルレンジモデルではVRAMを8GB、バス幅を128-bitに抑える事でコストを抑えつつ、Infinity Cacheで高い負荷がかかるゲームや1440p程度の解像度であれば充分な性能を発揮できるような仕様となりそうです。

Moore’s Law is DeadではNVIDIAに対してRadeon RX 7600 XTをはじめ、RDNA3系は電力効率やコストパフォーマンス面で優れる可能性が高いとの事でしたが、今回のRadeonミドルレンジモデルは従来までのモデルと異なりRDNA3搭載モデルとして一番先に登場する予定となっており、AMDとしてもミドルレンジモデルにかなり力を入れ、NVIDIAや新たに参戦するIntelに対してシェアを大きく奪おうと考えている可能性はありそうです。

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