本企画では、クルマのプロである自動車評論家が実際に購入した愛車についてインプレッションをしてもらう。
なぜ買ったのか? チョイ乗りではわからない、いろいろなシチュエーションで使ってみてわかったいいところ、悪いところ、そして期待どおりだったのか? 後悔していないか? オーナーだからこそわかるクルマ評価を大公開!!
購入を検討している人にとって最高のアドバイスとなるはずだ!
※本稿は2021年11月のものです
文/橋本洋平、小林敦志、斎藤 聡、小沢コージ、国沢光宏、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年12月26日号
【画像ギャラリー】「先達はあらまほしきことなり」!! レヴォーグ・カローラ・マツダ3・N-BOX サンバートラックの魅力をギャラリーでチェック!(21枚)画像ギャラリー
■ホンダ N-BOX(オーナー:小沢コージ氏)
全般的に気に入っている。不満は特にない。今の平均的日本人にとって過不足ないカタチであり、ブランドであり、質感なのだろう。
まず全高1.8m台の超実用サイズでありながら、商用車のように見えないスタイルがイイ。どの角度から見てもグラスエリア面積がほどよく、バスっぽくない。スライドレールやプレスラインの入り方も軽トラ系と違い乗用車的。作業服とジーンズぐらい違う。
ブッチギリなのは内装の質感。ソフトパッドは使われてないが見事に軽っぽさがない。逆にスズキ、ダイハツなどはウィンドウスイッチまわりに軽ならではの平坦な樹脂が使われ、微妙にガッカリする。
走りも乗り心地が圧倒的にいい。先日ワゴンRスマイルに乗ったがゴツゴツ感、ステアリングの滑らかさが違った。
実燃費も凄い。2万3000km走って16km/L台。現在3万km走って平均17.9km/L。マジ、ハイブリッドは要らないと思う。
■スバル レヴォーグ(オーナー:橋本洋平氏)
「全ての移動を感動に変える」というキャッチで登場したレヴォーグ。それは大げさでは? と思ったが、乗れば確かにと膝を打つ。気に入ったのはアイサイトXと、ボディ根幹から磨き直した走りだ。
アイサイトXは地図情報とGPSデータを組み合わせ、50km/h以下ではハンズオフドライブを可能にしてくれる。首都高や山間部、そしてトンネル内に入るとその恩恵を受けることが少なくなるが、行楽地へ出かけた帰り道などに遭遇した渋滞などでは、ほぼクルマにお任せで移動できてしまうところが嬉しい。
両腕をダラッとさせてリラックスすれば、渋滞が数十km続こうが、それほど気にならなくなる。肩こりが軽減したのも嬉しい。ハンズオフが効かない速度域であったとしても、おおむね車線のセンターをトレースしてくれるから、長距離ドライブの疲労は軽減した。
もうひとつ走りの面では、フルインナーフレームを採用したボディと電子制御ダンパーが生み出す走り味が心地いい。普段は入力をしなやかに吸収。ワインディングではスポーツカーのように調教された走りが面白い。
ダブルピニオンのパワステが伝える軽くても情報量がシッカリあるステアフィールも心地よさのひとつと言っていいだろう。
もはや溺愛の領域だが、実は裏の顔も……。懸念材料は燃費の悪さとトラブルだ。
燃費は都内の移動だと10km/Lを割ることもしばしば。郊外路や高速でエコランすれば15km/L近くまで伸ばせるが、自分の使い方だと年に数回しかそんなことはなかった。
トラブルについてはすべて無償で対策してもらえたが、アイサイトXのリプログラミングと、ステアリングセンサー不良によるステアリング交換があり、1年の間に約1カ月、アイサイトXと電子制御ダンパーが使えなかった。初期モデルだから仕方なし!?
それがガッカリで一時は手放そうかとも思ったが、解決した現在はやはり納得の一台となっている。
■トヨタ カローラセダン(オーナー:小林敦志氏)
シリーズ11代目となる先代カローラアクシオからの乗り換えだったので、納車当初は安全運転支援デバイスをはじめとする充実装備、格段に上がった内装質感、カローラ暦30年にして初のマルチリンクリアサスペンション体験による乗り心地のよさなど、カルチャーショックばかり。しばらく『借りてきた猫』状態であった。
とにかく「よい買い物をした」と感じており、納車直後に名古屋出張へマイカローラで向かうなど、積極的に運転したいと思わせてくれる。3ナンバー化を否定する人もいるが、安定感のある走りの恩恵は大きい。
走行距離が伸びないので1.8Lガソリンを選んだが、燃費があまりよくないのが気になった(レンタカーで乗ったインプレッサのほうが燃費はいいと感じるほど)。グローバルモデルと異なる『ナローボディ』であり、リアドアがあまり開かないこともあり、後席乗降性及び居住性が今ひとつなのも気になった。
■マツダ マツダ3セダン(オーナー:斎藤 聡氏)
すでに購入してから1年半が経っていますが、依然としてクルマに乗る度に楽しい気分で運転しています。運転していて飽きません。この性能が自分のクルマ選びで一番重視しているポイントです。
理由のひとつは、SPCCI=火花点火制御圧縮着火を実用化したSKYACTIV-X。内燃機関の未来を切り開く可能性を秘めたエンジンで、そんなエンジンにいつも触れられるだけでワクワクします。パワーは普通(2L車並み)。もっとも、この超希薄燃焼エンジンが普通に走ること自体が驚きなのです。
今年初めに無償アップデートが行われパワー&トルクアップ。最大値よりも中回転域のトルク感が明瞭になってエンジンの存在感がぐっと増しました。
操縦性も気に入っている部分です。マツダ3の足回りは硬いという評価でしたが、セダンは比較的穏やかで個人的には許容範囲です。現在はBBS製鍛造アルミホイール+ミシュランパイロットスポーツ4を履いておりエッジの効いた乗り味になっています。
付け加えておくと、雪道での操縦性と走破性も秀逸です。緻密な前後駆動力制御によってしっかり雪の路面をつかみ、走らせることができます。雪道ドライブもマツダ3(AWD)の魅力のひとつです。
燃費は、14〜16km/L。丁寧に走って18km/Lくらいです。悪くないと思いますが、欲を言えば、この燃費ならもっとパワーが出ていてほしいところです。
■スバル サンバートラック(オーナー:国沢光宏氏)
改めて説明するまでもなく、現行サンバートラックはダイハツのハイゼットトラックのOEMである。なんでハイゼットじゃないかといえば、ブランドイメージです。
フロントに付いているエンブレムひとつとっても、スバルはレヴォーグと同じタイプ。ハイゼットだとやっすいヤツです。同じ車両価格ならエンブレム分だけで得した気分になれる。
そもそもダイハツのディーラーだと軽自動車の平均的な扱いながら、スバルなら登録車と同じ対応。ということでサンバーです。クルマそのものは満足度100点。
「グランドキャブ(ダイハツはジャンボ)」と呼ばれる大きいキャビン付きを選んだのだけれど、軽トラックなのにリクライニングできる。身長183cmの私が乗っても窮屈じゃない!
さらに中途半端な性能ながらスマートアシストIIIもあるし、ヘッドライトは視認性のいいLEDを採用しているなど満足度絶大です。
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