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BRZ GRヤリス ロードスター フリード… オーナーだからこそわかることがある!!! 国産車オーナーインプレッション Vol.01

 本企画では、クルマのプロである自動車評論家が実際に購入した愛車についてインプレッションをしてもらう。

 なぜ買ったのか? チョイ乗りではわからない、いろいろなシチュエーションで使ってみてわかったいいところ、悪いところ、そして期待どおりだったのか? 後悔していないか? オーナーだからこそわかるクルマ評価を大公開!!

 購入を検討している人にとって最高のアドバイスとなるはずだ!

※本稿は2021年11月のものです
文/マリオ高野、永田恵一、西村直人、ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年12月26日号

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■スバル BRZ(オーナー:マリオ高野氏/永田恵一氏)

スバル BRZとマリオ高野氏。全長4265×全幅1755×全高1310mm、車重1260kg、排気量2387cc、水平対向4DOHC、235ps/25.5kgm、WLTCモード燃費12.0km/L

●マリオ高野氏の評価

 水平対向エンジンを歴代SUBARU車で最も低く搭載し、ルーフやフロントフェンダーのアルミ化などで慣性モーメントを低減。旧型キャリーオーバーながらインナーフレーム構造化で強くなったボディがもたらす操縦性の高さは、乗れば乗るほどこのクルマから離れたくなくなる魅力にあふれている。

 レースカーと同タイプの巨大リアスポを付けたおかげもあって、高速ダイナミクス性能はすこぶる秀逸。ステアリングに軽く手を添えているだけで埼玉から熊本まであまり疲れず巡航可能なのは意外な美点。

 ACC装着車並みにロングドライブは安楽だ。大雨に見舞われても、AWDのように安心してアクセルが踏める安定感もグランドツーリング性能の高さに直結する。

 エンジンもトルクがあって全域安楽ながら、フラットトルクの宿命で出力特性のメリハリ感はやや乏しく、官能性はターボのEJ20型エンジンには及ばず。

 サウンドの演出は自然な感じで悪くないが、サーキット走行などの全開時にはうるさく感じるので、吸排気系をカスタマイズしたらサウンドコントロール機能はオフにするかも。スロットル開度の微小域での反応はやや鈍く、渋滞時などでわずかなアクセルワークを行う際は多少気を遣わされる。

 ミッションの操作フィールは街乗りではバネの反力がやや強すぎ、ギヤボックス自体もほかのSUBARU製ミッションより華奢な手応えだ。

 気持ちよく操作するには少しコツが必要ながら、そこにはギヤボックスと対話する楽しさがあるのでむしろ加点要素。高回転域多用時などスポーツ走行での操作フィールは抜群なので、コンペティションな雰囲気でもあり楽しい。

 Rグレードの17インチタイヤは車高が高く見えてしまい、フェンダーとタイヤのクリアランスの大きさが気になるが、基本的な乗り味はSグレードと変わらず設計者たちの良心を感じる。電制モノは最小限なので30年は乗れそう。

●永田恵一の評価

 初代86前期型からの乗り換えだったこともあり、新型BRZには「すべてが9年分大人になった」という期待どおりの満足を得ている。

 ボディ剛性の強化を基盤とした乗り心地やステアフィールといったスバルが提唱する動的質感の大幅な向上がいい。クローズドコースでドリフト練習をしたところ、トルクの太さとタイヤを有効に使えることが理由と思われるドリフトコントロール性の劇的な向上を確認できた。

 不満は液晶メーターにもう少し拡張性が欲しかったことだが、こちらも内容を考えたら頑張った価格を含め、「買ってよかった!」と断言する。

■トヨタ GRヤリス(オーナー:永田恵一氏)

トヨタ GRヤリス。全長3995×全幅1805×全高1455mm、車重1280kg、排気量1618cc、直3DOHCターボ、272ps/37.7kgm、WLTCモード燃費13.6km/L

 GRヤリスに約1年乗って、不満なのは大きく2点。ひとつ目は法規の強化による常用域の排気音&エンジン音の小ささと、着座位置の高さが原因と私は考えている「普通に乗っている時の楽しさ、ワクワク感の薄さ」だ。

 ただ、後者に関してはここまで大きな不満としているのは私くらいのようなので、自分の体型の問題のほうが大きいのかも。ふたつ目はダンパーだけがクルマ全体に追いついておらず、荒れた道での追従性が悪く、乗り心地が悪い点だ。

 この2点以外は、私のGRヤリスはACCなどの運転支援システム付きのためツーリング性能が高く、絶対的な速さ、スポーツ走行での楽しさなど、大満足である。

 特にスポーツ走行に関して私は氷上しか経験していないが、氷上での速さとコントロール性の高さはターンインの際のコツさえ掴めば「俺もこんなことができるのか!」というくらいドリフトが決まり、その日はひたすら走り回っていたほどである。

 GRヤリスは私にとっては超高額車なのに加え、40歳のメモリアルも兼ね買ったクルマだったこともあり、「買ってよかった!」と断言するし、欲しい人には自信を持って薦める。同時にこの時代にこんなクルマが出たことは奇跡に近く、自分のものにできた幸運に感謝しながら、大事に乗りたいと思う。

 また、今後の改良やその改良内容の既存車へのアップデートも大いに期待したい。

■マツダ ロードスター(オーナー:西村直人氏)

マツダ ロードスター。全長3915×全幅1735×全高1235mm、車重1010kg、排気量1466cc、直4DOHC、132ps/15.5kgm、WLTCモード燃費16.8km/L

 気に入っている点。スポーツカーなのに天地方向の視界がひらけて運転しやすい。車重が軽く(オプション含む1020kg)、最適なギヤ比の6MTを駆れば1.5L(初期型は131ps)でも充分な加速。

 しかも、ちっちゃいボディながら煽られた経験は皆無。後続車からすれば車高が低く(1235mm)て先が見通せるからストレスない?

 世界一素早く開閉できるソフトトップもお気に入り。オーナーなら3秒もあればロックまで完了。燃費数値も優秀で高速道路の第1通行帯を流れに沿って走らせれば25km/Lとハイブリッドいらず。

 トランクは国内線旅客機に持ち込みできるスーツケース2個+αもラクラク収納。7年目だけど最新モデルと見た目は同じ、ここもいいね。

 不満点は、当初S・SPグレードではシートヒーターが選べなかったことと、SDカードナビゲーションの目的地検索にボイスコントロールがほぼ使えないところかな。

■ホンダ フリード(オーナー:本誌『ベストカー』編集長イイジマ)

ホンダ フリードとイイジマ。全長3915×全幅1735×全高1235mm、車重1010kg、排気量1466cc、直4DOHC、132ps/15.5kgm、WLTCモード燃費16.8km/L

 尺が足りないのでバンバンいく。まずいい点。なんといってもデザインだ。あの人畜無害感、どんな人間もフリードに乗れば善人に見える。

 走りも悪くない。もちろんスポーティな走りはできないが、1.5Lのガソリンエンジンは踏めばちゃんと加速する。この点はハイブリッドじゃないとモッサリとしか動かないライバル車より、はるかに評価できる。

 逆に気になる点は燃費。街乗りだと10km/Lいかないこともザラ。12〜13km/Lくらいは普通にいくのかと思っていただけにちょっと残念。

 えっ、ならハイブリッドを買えばいい? ウチにそんな金はないッスよ?

 それ以外だと、Aピラーが少し太いので交差点での右折時とか歩行者に注意が必要なことくらい、かな。総合的にはけっこう満足してますよ。

■三菱 eKクロススペース(オーナー:講談社ビーシー)

三菱 eKクロススペース。いわゆる社用車というやつですな。全長3395×全幅1475×全高1780mm、車重970kg、排気量659cc、直3DOHC、64ps/10.2kgm、WLTCモード燃費18.8km/L

 頻繁に使用している社有車eKクロススペース。その顔つきが今どきのゴツイミニバンにも負けず劣らずのイカツイデザインであることに驚きながらも結構カッコいい。

 体重120kgの自分が乗り込んでも狭い感じはいっさいなし。頭上のスペースにも非常に余裕があり圧迫感がゼロなこともBIGな私が愛用する理由でもあります。

 エンジン、走りも都内走行では必要十分。ちょうどいい車高のため乗り降りの『よっこらしょ』が必要なし(これとっても重要)。高速走行ではマイパイロットを使えば長距離出張もとっても快適だ。

 今のご時世にあって、一番のお気に入りなところはeKクロススペースの限定車T Plus Editionシリーズの後席パッケージAに装備されるリアサーキュレーターだ。

 寒い季節でも窓を開けることなく車内の空気循環ができること。それもシャープのプラズマクラスター付きだから申し分なし。

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