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<p>人間が作り出す「都市」が生物の進化を駆動する大きな原動力になっているとの研究結果</p><p>人間が作り出す「都市」が生物の進化を駆動する大きな原動力になっているとの研究結果</p><p>人間は地球環境を大きく変化させており、数多くの生物を絶滅に追いやっていると指摘されています。クローバーという呼び方で知られるシロツメクサを対象にした新たな研究結果は、人間が生物を絶滅させているだけでなく、「生物の進化を推し進める大きな原動力になっている」ことを示しました。</p><p>の変化を促すことによる、並行的な適応進化の一例だと指摘。つまり、人間が作り出した「都市」という環境がもたらす選択圧が、集団的遺伝学や気候といった要因より強い影響を進化に及ぼしているというわけです。 トロント大学ミシサガ校の進化生物学者であるMarc Johnson氏は、「この規模の進化に関するフィールド研究や、都市化が進化にどのように影響するかについての世界的な研究はこれまで1つもありませんでした」「私たちはこれが地球規模で、しばしば同様の方法で起こることを示しました」「都市化が並行進化を推進するには、都市は生物の適応度に影響を与える環境的特徴に収束しなければなりません」と述べています。 研究チームは都市部に生えるシロツメクサと農村部に生えるシロツメクサで異なる点として、 の分泌量を指摘しています。シロツメクサは草食動物から身を守ったり干ばつに対応したりするためにシアン化水素を分泌しますが、最も都市部から遠い農村部に生えるシロツメクサでは、都市部のシロツメクサよりシアン化水素の分泌量が44%少なかったと研究チームは報告しました。 共同研究チームを率いたトロント大学ミシサガ校の博士課程に在籍するJames Santangelo氏は、「私たちは長い間、都市をかなり深く変化させ、環境と生態系を劇的に変えてしまったことを知っていました」「しかし今回の研究は、同様のことがしばしば世界的な規模で、似たような方法で起こることを示したのです」と述べています。 今回のプロジェクトを共同で率いたトロント大学ミシサガ校のロブ・ネス助教は、「都市は人が住むところであり、今回の研究は私たちがその中で生物の進化を変えているという最も説得力のある証拠です。生態学者や進化生物学者という枠を超えて、これは社会にとって重要な意味を持つことになるでしょう」と述べました。 なお、過去の研究でも「コンクリートでできた高速道路の橋桁に住むツバメの羽が短くなった」「クロウタドリの鳴き始める時間が人間の生活リズムに合わせて早くなった」といった変化が確認されているほか、「都市部の哺乳類はより夜行性になっている」との</p>