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ロシアの作家リュドミラ・ウリツカヤとの出会いは、「ソーネチカ」という小説だった。平凡な女性の一生に非凡な輝きと神々しさが感じられ、この心震える感触をなんとか日本語にできないかと初めて真剣に考えた作品である。その翻訳ゲラをチェックしていた2002年秋、モスクワ出張中の夫が、ウリツカヤさ…