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おそば屋さんがあいてた頃は石臼を動かしてて、そばの実を挽(ひ)いてたんだよ、と姉が説明すると、その時のそばが食べたかった、と研司は悔しそうにした。三年前は、県庁所在地で母親と父親と自分の三人で暮らしていたのだという。 研司は、律よりかぎ針編みがうまかった。姉は律に手芸全般を教えて…