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アルピナD4は、モーターウェイの巨人である。

アルピナD4は、自らをツーリングコンパニオンと位置づけている。果たして、中古車のアルピナでもこの課題を見事にクリアできるのだろうか。中古車テストで判明。

5年前のミドルレンジディーゼルに3万ユーロ(約390万円)近く?
その価値はあるだろうか?
もちろん!
なぜなら、「アルピナD4」は長距離ドライブ向けのスポーツクーペだからだ。
直列6気筒のエンジンは、豊かな走りと力強さを備えた、いわば「GT」だ。
前オーナーは、最高速の範囲(278km/h!)で動くのが好きだったそうで、細かな傷のあるフロントエプロンがそれを如実に物語っている。

このD4(新車時価格: 約9万ユーロ=約1,180万円)は、非常にエレガントな内装で、個性的なレザーやダッシュボードまでナッパレザーで覆われている。他の部分には意外とアルピナという主張はなく、地味。

アルピナD4は、価値ある投資だ

700Nmのディーゼルエンジンの押し出しの強さは非常に印象的で、濡れた路面では130km/hを超えても、キックダウン時にリアタイヤに過大な負荷がかかるほどだ。
しかし、「D4」は暴れるどころか、心地よいダンパーのチューニング、見事なシフトチェンジの8速オートマチック、低燃費でドライバーを甘やかせてくれる。

中古車テスト: アルピナD4

アルピナD4は、自らをツーリングコンパニオンと位置づけている。めちゃくちゃ速いが、シャーシはいつも納得のいくもの。
中古車テスト: 2016年製造のD4ビターボ クーペ、走行距離: 131,439km、価格: 29,980ユーロ(約390万円)。
5年前のミドルレンジディーゼルに3万ユーロ(約390万円)近く? その価値はあるのか? もちろん! なぜなら、アルピナD4はスポーツクーペだからだ。
D4はGTのようなマシンで、素晴らしい直列6気筒エンジンは十分な走破性を持ち、強力にプッシュする。
前オーナーは最高速度域(278km/h!)での走行が好きだったようで、細かい傷の付いたフロントエプロンがそれを物語っている。
トルク700Nmのエンジンの強力なプッシュは非常に印象的だ。濡れた路面では、130km/hを超えると、キックダウン時にリアタイヤに過大な負荷がかかる。それでもD4は、心地よいダンパーのチューニング、見事なシフトチェンジの8速AT、抑制された燃費などで、ドライバーを甘やかしてくれる。決して無法者ではないのだ。
このD4は、非常にエレガントな内装で、個性的なレザー、ダッシュボードまでナッパレザーで覆われている。350馬力、700Nmが実際に可能という、スポーツディスプレイの目盛りが印象的だ!
ブレーキのディスクなどは高価で、フロントで1個あたり1,300ユーロ(約17万円)を要する。

テクニカルデータ: アルピナD4
● エンジン: 直列6気筒、フロント縦置き ● 排気量: 2993cc ● 最高出力: 350PS@4000pm ● 最大トルク: 700Nm@1500rpm ● 駆動方式: 後輪駆動、8速AT ● 全長×全幅×全高: 4640×1825×1382mm • 乾燥重量: 1700kg • トランク容量: 445リットル ● 0-100km/h加速: 4.9秒 ● 最高速度: 278km/h ● テスト時平均燃費: 12.6km/ℓ ● CO2排出量: 209g/km ● 価格: 136,276ユーロ(約17,440万円)より

結論:
今回試乗した車は大規模な整備が必要だ。
しかし、アルピナは、常に走行距離よりもコンディションが重要であるため、調整する価値があるのだ。長距離を、スピード感を持って楽しみたいなら、「D4」がお勧めだ。

アルピナのディーゼルエンジンモデル・・・。ある意味、私が世界中の自動車のラインナップの中でも、一番興味のあるモデルのひとつである。この写真の1台はアルピナストライプもあえてなし、エンブレムもなし、内装もアルピナの香りを抑えた、シンプルで美しい、言ってみればすごくモノのわかった、ツウの人が選ぶ仕様のように見受けられる。
個人的に私が新車でアルピナを購入するとしたら、ここまでひっそりとアンダーステートメントな仕様で発注することは無理だと思うが、とにかく、モノの本質を分かった人が発注したアルピナであることは間違いないだろう。
そんな「D4」ではあるが、13万km走って400万円、うーむ、ちょっと微妙な金額である。たしかに走行距離は(まだ)大丈夫かもしれないが、400万円という金額が実に悩ましい。安いようではあるけれど、今後の整備や内容を考えるとちょっと割高なような気もしてしまう。じゃあもしこれが300万ならどうだ、というと確かに安いけれど、かえってそんな金額でアルピナ買って大丈夫だったのか、出がらしになっちゃってないか、とかえって気になってしまう・・・かも。
なんともアルピナの中古というのは難しい。よほどの根性と知識がないとなかなか踏み込めない領域。アルピナのハードルは新車でも中古でも、ものすごく高いのである。

Text: Stefan Novitski und Lars Jakumeit
加筆: 大林晃平
Photo: autobild.de