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2022年にAMDではRDNA3アーキテクチャーを採用するRadeon RX 7000(Navi3x系 GPU)を発売予定としていますが、ここでは海外リーク情報などで挙がっているRadeon RX 7000シリーズの発売時期、ラインアップ、パフォーマンス、価格などの情報をまとめて紹介します。

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ラインアップの情報

AMD Radeon RX 7000シリーズではハイエンドモデルからエントリーモデルまでのラインアップが投入予定となっています。

GPU Navi31 GPU Navi32 GPU Navi 33 GPU Navi 22S GPU (RDNA2)

Navi 23S GPU(RDNA2)

対応商品 ハイエンド アッパーミドル ミドルレンジ エントリー エントリー
GPU構造

MCM(GCDx2+MCD)

MCM(GCDx2+MCD) モノリシックダイ モノリシックダイ モノリシックダイ
ラインアップ

Radeon RX 7900 XT / Radeon RX 7800 XT

Radeon RX 7700 XT Radeon RX 7600 XT Radeon RX 7500 XT Radeon RX 7400?
WGP(CU換算)

30基x2=60基(120×2=240基)

20基x2=40基(80×2=160基) 7680基 10基(40基) 8基(32基)
Stream Processors

7680×2=15360基

5120×2=10240基 4096基 2560基 2048基

ハイエンドモデル:Navi 31 GPU

Navi31 GPUはRadeon RX 7900 XTやRadeon RX 7800 XTなどのハイエンドモデルで採用が予定されているGPUになると見られています。

GPUについては複数のGPUダイを搭載するMCM、Multi Chip Moduleになると見られており、TSMC 6nmで製造されたGPUコアであるGraphics Core Die(GCD)を2基、TSMC 5nmで製造されたキャッシュや機械学習そしてGPUコア間のコミュニケーションを行うMulti Cache Die(MCD)を1基搭載する構造になっています。

仕様についてはGCD1基あたり7680基のStream Processors(SP)が搭載されており、これらが2基で合計15360基のSPが搭載されています。また、VRAMには最大32GBのGDDR6が搭載され、速度も21GbpsとGDDR6X並みに高速ものもが搭載されます。一方でバス幅については256-bitとNVIDIAのGeForce RTX 3090などに比べると少なくなっていますが、MCD上に512MBのInfinity Cacheが搭載されるため、バス幅が少なくても4Kや8Kなど高い負荷が要求されるゲームに対応するようです。

アッパーミドル:Navi 32 GPU

Navi 32 GPUはRadeon RX 7700 XTなどに搭載がされると見られており、こちらもハイエンドモデルとして発売がされると見られています。GPUについてはNavi 31 GPUと同じくMCMが採用されていますが、GCD側は5120基のSPに抑えられており、MCDについてもInfinity Cacheの容量が若干減るのではないかと見られています。

ミドルレンジモデル:Navi 33 GPU

Navi 33 GPUはRadeon RX 7600 XTなどミドルレンジモデルに搭載されると見られており、このモデルでは他のNavi 3x系 GPUと異なり、MCMは採用されずモノリシックダイになるようです。GPUとしては4096基のSPを搭載すると見られ、VRAMについては128-bitのバス幅になるなど機能的に絞られたGPUにはなっています。

ただ、性能面ではSPを4608基、バス幅256-bitのRadeon RX 6800 XTと同等になると見られており、これはRDNA3アーキテクチャーによる性能向上や動作クロックの向上により実現されると見られています。

エントリーモデル:Navi 22S / Navi 23S GPU(RDNA2改)

AMDではRDNA2アーキテクチャーを搭載したモデルもエントリー向けモデルにてRadeon RX 7000シリーズと言う名称を採用するようです。採用されるのはRadeob RX 7500以下のモデルと見られており、RX 7500系には現行のRadeon RX 6800 XT等に搭載されているNavi 22を6nm化したNavi 22S、Radeon RX 7400系にはRadoen RX 6700 XTなどに搭載されているNavi 23を6nm化したNavi 23Sが搭載されるようです。

この6nm化されたRDNA2 GPUについてはアーキテクチャー面では大きく変わらないものの、プロセス微細化による省電力化や動作クロックの向上などが見込まれています。

発売時期は2022年10月から12月頃でNavi33から登場?

AMDのRadeon RX 7000シリーズについては2022年以降に発売されるとAMDが公開したロードマップで公表されていますが、実際の登場時期は2022年Q4、10月から12月の間になると見られており、先頭モデルはミドルレンジ向けであるNavi 33 GPUを搭載したRadeon RX 7600 XTになると見られています。

Radeon RX 6000シリーズではハイエンドのRadeon RX 6900 XTとRX 6800 XTから順番にRX 6700 XT、RX 6600 XTと下位モデルをリリースしてきましたが、今回は高い売り上げを見込めるミドルレンジから先行して投入し、ハイエンドモデルについては2022年末か2023年初頭にリリースすると見られています。

RDNA3の最上位モデルNavi31がテープアウト。発売時期は2022年Q4

RDNA3アーキテクチャーについて。コンシューマー向け初のMCM GPU

RDNA3アーキテクチャーについては2019年に発表されたRDNAアーキテクチャーの3代目に当たりますが、アーキテクチャー自体はRDNAやRDNA2から大きく異なっていると見られています。

と言うのもRDNA3アーキテクチャーではNavi 31やNavi 32などハイエンドモデルについてはMCM(Multi Chip Module)が採用されている事や、従来まではCompute Unit(CU)と言われていたコアブロックがWork Group Processors(WGP)に置き換えられておりアーキテクチャー面では大きく変更が入ると見られています。

RDNA3ではコアブロックがCompute UnitからWGPに替わる模様

このRDNA3アーキテクチャーではGPU(GCD)はTSMC 6nmで製造され、MCMについてはTSMC 5nmで製造される予定となっており、VRAMについては引き続きGDDR6が採用されますが、速度については21Gbpsに引き上げられたものが採用されたり、バス幅は最大256-bitと抑え気味ですが、Infinity Cacheなど帯域幅がボトルネックとならないように工夫が施されるようです。

AMD RDNA3 Navi31とNavi32は6nmと5nmを組み合わせ。Navi33は6nmに

NVIDIAのTensor Coreに似た機械学習用アクセラレータ搭載

NVIDIAではDLSSと呼ばれる機械学習を利用し、低い解像度で描写されたグラフィックを高解像度化する機能が搭載されていますが、これにはTensor Coreと呼ばれる機械学習用のアクセラレータを利用していますが、AMDではこのような機械学習用のアクセラレータは搭載されておらず、DLSSのような機能は現時点では搭載されていません。

ただ、AMDでFidelityFX Super Resolution 2.0などグラフィックの解像度を上げる技術を発表しており、今後もこの技術を発展させるために機械学習用のアクセラレータがRDNA3に搭載されるようです。

この機械学習用のアクセラレータはAMDが取得した特許に「Accelerated Processors Die(ADP)」と示されており、Infinity Cacheと共に搭載されるようです。

AMD RDNA3ではV-Cacheに加えアクセラレーターダイがGPU上に搭載?

最大512MBのInfinity Cacheを3D V-Cache技術応用で搭載

AMDではRyzen 7 5800X3DやEPYC Milan-Xなどで3D V-Cacheを搭載したCPUを発表していますが、この3D V-Cache技術がRadeon RX 7000シリーズに応用されるようです。

この3D V-Cache技術はNavi 31とNavi 32に搭載されるMCDに使われるようで、I/Oや機械学習などを司るダイの真上にInfinity Cacheを搭載すると見られています。これによりNavi 31ではNavi 21の2倍の512MBのInfinity Cacheを搭載する事が可能になっていると見られています。

RDNA3では3D Infinity Cacheを搭載。GPUに3D V-Cache技術を応用 (gazlog.com)

消費電力と性能について。性能はRTX 4090を超える?

AMD Radeon RX 7000シリーズの最上位モデルとなるNavi 31 GPU搭載モデルではコア数が15360基と現行のRadeon RX 6900 XTの5120基から3倍に増えており、動作クロックも2.5 GHzに達すると見られています。そのため、性能面ではRadeon RX 6900 XTの2.7倍がゲーム時など実環境で、単純な計算能力としては3倍を超えると見られており、NVIDIAがRadeon RX 7000シリーズと同時期に発売する新世代GPUであるGeForce RTX 4000シリーズの最上位モデル、RTX 4090をも超える性能になるのでは無いかと見られています。

一方で、コア数や動作クロックが大きく上がっている事から消費電力についても大きく増える見込みであり、Navi 31 GPUを搭載するRadeon RX 7900 XT(ここではRX 7950 XTと示されています)では450Wから500Wになる可能性があるようです。

Navi 32 GPUやNavi 33 GPUについては現時点では消費電力に関する情報は無いものの、恐らく現行のRadeon RX 6800 XTの300WやRX 6700 XTの230Wを上回る事は確実と見られているため、電源ユニットに余裕が無いユーザーは買い替える事が必要となるかもしれません。

 

AMDのRadeon RX 7000シリーズについてはコンシューマー向けGPUとしては初めてMCMを採用し、コア数も今までの常識とは考えられない数字になっています。AMDではRyzen CPUでMCMを取り入れてIntelを超えるコストパフォーマンスを叩き出し、ユーザーを熱狂させましたがRadeon RX 7000シリーズでも同じ成功を実現できるのか期待がかかりますので、今後も新しい情報などがあればこのページに随時追加していきます。

 

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