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むしろ危険じゃないのか!? どんどん増える自転車レーンはいったい何者だ?

 自転車は特に近距離の移動には便利かつ健康的な移動手段である。

 しかし、日本の交通環境における自転車の扱いは「原則車道の左側を走る」というルールはあるものの、免許が不要なことなどもあり、未だどこか曖昧だ。

 そこに近年は自転車レーンが設けられ、これにより歩行者と自転車の分離は改善されたが、自転車とクルマやバイクといった車両との関係はより複雑になった感もあり、ここでは自転車レーンの問題点を考えてみた。

文/永田恵一、写真/ベストカー編集部、AdobeStock

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■自転車レーンとは?

自転車レーンが設置されることによって自転車と歩行者、自転車と車両の事故は格段に減少している(photo 34@AdobeStock)

 言葉通り、車道左側に設けられた自転車専用車線である。

 行政が主張する自転車レーン設置のメリットとしては歩行者と自転車の事故防止、車両と自転車の通行位置が明確となり左折時の巻き込みや出会い頭の事故の減少などが代表的だ。

 なお、自転車は道路工事をはじめとしたやむを得ない場合や13歳未満の児童と70歳以上の高齢者が乗る場合などには歩道の通行も可能だ。また、最近は自転車レーンに加え、車道で自転車の走行位置を指示する自転車ナビマークや自転車ナビレーンがあることも増えている。

■自転車レーンの問題点

自転車レーンには問題点も。幅の狭い道路にそこそこの広さの自転車レーンがある場合、センターラインから出ざるを得なくなる状況も発生する(BSDC@AdobeStock)

 歩行者と自転車の事故防止には効果の大きい自転車レーンだが、車両と自転車の関係においては疑問や危険を感じることも少なくなく、具体的に挙げていくと

●道幅が狭いところに設置された場合

 道幅が広いところに自転車レーンが設置されるならともかく、道幅が狭いところにそれなりに幅のある自転車レーンが設置されると、特に車道にペースの遅い50cc以下の原付一種がいて追い越す際にはセンターラインを出ざるを得ないなど、危険は増す。

●車両の左折の際

 車両が左折する際、自転車の巻き込み事故防止などのため左に寄るのは常識だ。しかし、それなりに幅のある自転車レーンと車両が左に寄るのは大きく矛盾する。

 それでも法規では車両が左折する際には左に寄せることになっており、自転車レーンによりスピードが上がりがちな自転車と車両の関係はお互いが注意していないと危険だ。

●路上駐停車車両との関係

パーキングメーターがある道路に自転車レーンがあると危険が増す。最近ではレーンの並びに配慮した道路も少数ながら存在する(Hassyoudo@AdobeStock)

 自転車レーン、自転車ナビマーク、自転車ナビラインがあっても車両の駐停車は「道路のもともとの規定に準ずる」、「停車は可」など、ところによって違うことが多く曖昧で、これも危険だ。

 また、中には歩道、パーキングメーター、自転車ナビマークという順に並ぶ道路もあり、これもクルマの乗り降りの際に注意を怠ると危険だ。

 ただ、最近は少数ながら歩道、自転車レーン、パーキングメーター、車道と並ぶ道路もあり、こういった道路は好ましい。

■まとめ

 歩行者、自転車、車両の路上での関係は本来、可能なら縁石なども設け明確に区切るのが理想だ。しかし、現実的な日本の道路環境では絶対的な道幅の狭さもあり、それが可能なところはほとんどないというのも実情だ。

 という背景もあり、自転車と車両の関係、特に車両から自転車を見た際には強い緊張状態となりがちだ。しかし、筆者個人は普段自転車に乗らないものの、最近クルマの少ない郊外で天気のいい中自転車に乗る機会があり、その際には快適で楽しく、魅力ある移動手段に感じたのも事実だ。

 そのため、これは車両目線にせよ特に自転車には免許がないため交通教育を徹底するのは難しいのも分かるが、自転車レーン、自転車ナビマーク、自転車ナビラインという走行帯もあるにせよ、周りに気を使ってもらい安全、安心、快適な交通社会を実現したいものである。

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