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「そう。急に何だろうね」仲麻呂は平静を装い、書斎に行って書状を開いた。桃の花を描いた紙に、姫君の誕生を祝い、心ばかりの品を送ると記されている。同封していたのは北の市の石皓然の店が保証した、金百両(約四キロ)の手形だった。馬百頭を買えるほどの莫大な金である。こんな物を受け取ったなら…