新型ル・マン・ハイパーカー(LMH)『9X8』を開発し、2022年のWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスへの参戦を目指すプジョー・スポールは、3月末、スペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで3日間の開発テストを行った。
現在、WECはLMH規定採用2年目を迎え、トヨタGAZOO RacingのGR010ハイブリッド、そしてグリッケンハウス・レーシングのグリッケンハウス007 LMHが、この規定の車両でトップクラスを戦っている。
プジョーは昨年、2022年からのLMH参戦に際して革新的な“リヤウイングレス”のフォルムを持つ『9X8ハイパーカー』を発表。しかし開幕戦からの参戦は叶わず、ル・マン24時間への参戦も見送られ、デビューは早くても7月の第4戦モンツァとなることがすでにアナウンスされている。
一方でその開発プログラムは着実に進んでいるようで、プジョーはこのバルセロナテストの直前には、フランスのマニクールで4日間のテストも行っている。
バルセロナでのテストには、ロイック・デュバル、ジャン・エリック・ベルニュ、ミケル・イェンセンが参加した。
このテストでの開発内容や公式な走行距離などは明らかにされていないが、SNSを通してプジョー・スポールが公開している写真を見る限り、ウエットコンディションでの走行や、夜間走行もされたようだ。
公開された写真はすべて車両のディテールが分からないようなものとなっているが、プジョー9X8には、いわゆるリヤウイングはいまだ備えられていない模様だ。2022年後半に最終ホモロゲーションを取得した後も、この姿であることが予期されている。
プジョー9X8に関するさらなる詳細は現在のところ明らかにされていないが、これまでのアナウンスどおり、今年じゅうにWECへとデビューすることを目指しているものと考えられている。