<p>SIE、Bungie買収にあたり人材流出防止のために多額の報酬を用意。ライブサービスゲーム開発を促進すべく、買収金額の約3分の1をあてる – AUTOMATON</p><p>【ニュース】SIE、Bungie買収にあたり人材流出防止のために多額の報酬を用意。ライブサービスゲーム開発を促進すべく、買収金額の約3分の1をあてる</p><p>ソニーグループは2月2日、2021年度第3四半期(2021年10〜12月)の業績を発表。このなかで同社は、先日ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)が買収を発表したBungieに関しても時間を割いて説明している。</p><p>ソニーはBungieについて、長年のパートナーであり、さまざまな協業可能性の検討を重ねてきたと明かす。そして、両社のもつクリエイティブ領域での強みや企業文化の融合を通じて、さらなる成長を目指すことができるとの確信を得られたことで、今回の買収を進めることにしたという。 買収の戦略的意義としては、「『Destiny』および新規IPの獲得」「ライブサービスの知見や技術の取込み」「自社制作ソフトのライブサービスの領域拡大」の3点が挙げられている。1点目について、Bungieは現在複数の大型新規IPを開発中だという。SIEは、これを手にすることとなる。 ライブサービスについて、2項目に分けて言及されている点は興味深い。SIEのPlayStation Studiosの各スタジオは、『ゴッド・オブ・ウォー』や『アンチャーテッド』『Ghost of Tsushima』『Horizon』など数多くの人気作を生み出してきたが、ライブサービスとして展開する大型タイトルは意外に少ない。ライブサービス運営に長けたBungieの買収は、こうした状況にテコ入れしようという側面があるのだろう。 実際ソニーは、BungieとほかのPlayStation Studiosとの緊密な連携により、2025年度までに10タイトル以上のライブサービスゲームをローンチする計画であると発表した。単純計算だと、これから2026年にかけて毎年2本以上のタイトルをリリースしていくことになる。どのスタジオがどのようなタイトルを手がけるのかは不明だが、SIEとしてはライブサービスゲームに大規模に投資していく方針であることがうかがえる。またその2025年度までには、自社制作ソフトウェアの売り上げを、現在の2倍以上に拡大することを目指すとのこと。 Bungieの買収にかかる金額は、36億ドル(約4140億円)であることも明らかにされている。ソニーグループの買収案件として最大規模となるが、これは従業員株主を含むクリエイティブ人材に、買収後も継続してBungieで働いてもらうことに重点を置いて設定したという。36億ドルの約3分の1は、継続雇用を条件とした繰越支払対価や、人材維持のための報酬として、買収完了時点から数年間にわたって支払うとしている。 つまり、Bungieを傘下に収めるだけでなく、同スタジオからの人材流出を防止するためにも巨額を投じるかたちとなる。先述したように今回の買収は、ライブサービスの知見や技術を取り込むことが大きな狙いとされている。PlayStation Studiosとも連携し、これから多数のライブサービスゲームをリリースしていくにあたっては、豊富な経験をもつBungieの現スタッフが何よりも大切だということだろう。 This week at Bungie, we’ve got a lot going on.</p>