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Google(グーグル)は米国時間2月3日、おそらくまだG Suiteと呼ばれているであろう同社の生産性サービス、Workspaceの新バージョンを発表した。今回発表された無料の新プラン「Google Workspace Essentials」によりGoogleは、Gmailを除く基本的なWorkspaceの生産性ツールを提供することで、より多くのビジネスユーザーをプラットフォームに呼び込みたいと考えている。

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これまでは、Google以外のメールアドレスでWorkspaceを利用するためには、14日間の試用後に月額6ドル(約690円)/ ユーザーのBusiness Starterアカウントにサインアップする必要があった。この有料プランがなくなるわけではないが、今では仕事用のメールアドレスでサインアップするだけでOKだ。クレジットカードは必要ない。

新しい無料プランは、基本的に既存のエントリーレベルであるBusiness Starterだが、ストレージ容量が30GBから15GBに減少している。それを除けば、最大100人のユーザーとのGoogle Meetを1回の通話で60分まで利用できたり、仕事のコラボレーションのためのSpacesや、同僚のゴシップを話すためのChatにアクセスできたりする。もちろん、Sheet、Slides、Docsなどの標準的なツールもすべて含まれている。

すでに仕事用のメールアドレスがあるので、このエディションにはGmailが含まれていない。Gmailから仕事用のアドレスでメールを送るのは難しいし、さまざまな混乱を招くことを考えれば、これは納得がいく。

画像クレジット:Google

だが、少し複雑な部分もある。1つのEssentials Starterチームアカウントには、25人のユーザーという上限がある。しかし同一企業内で、複数のチームアカウントを作成することができる。つまり、基本的にはチームの誰かがアカウントを作成し、より大きな会社で働いている場合は他のチームメンバーを招待する必要がある。

この動きによって、GoogleはシャドーITにまったく新しい世界を切り開こうとしている。Googleは発表の中で、次のように書いている。「Essentials Starterでは、従業員が自分の生産性向上ツールを簡単に選択でき、最新のコラボレーションを仕事に取り入れることができます」。すなわち、IT部門が選択しなければ、従業員が代わりに選択することになる。

また、データガバナンスやセキュリティに関するさまざまな問題も出てくる。

「Google Workspace Essentials Starterは、仕事でGoogle Workspaceを自分1人で、またはチームで簡単に使い始められるように設計されています」とGoogleの広報担当者は筆者の質問に対し説明してくれた。「ユーザーをチームに招待する機能など、いくつかの軽量な管理機能が含まれていますが、より詳細なIT管理や高度なセキュリティなどの機能は、Google Workspaceの有料プランでのみ利用可能です」とも。

おそらくこれにより、まだ有料のWorkspaceアカウントを持っていない大企業は、従業員が自分でアカウントを立ち上げるのを阻止するために、急いでサインアップすることになるだろう。

画像クレジット:Ingus Kruklitis

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)