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政府は1日、雇用保険法の改正を閣議決定した。新型コロナウイルスの影響で、雇用保険の財源不足が深刻になる中、昨年から政府内で検討が続いていた。現在、労使が0.2%ずつ負担していた失業給付などを支払う事業の保険料率を、今年10月から0.6%に引き上げる。

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月給30万円の会社員の場合、月額900円だった雇用保険料は1500円にまで上昇する。ただでさえ増えない手取りの給料が減るとあって、NHKが報じるとツイッターでも瞬時に話題となった。

この手の国民負担を増やす政策はサクサクと閣議決定する一方、負担を減らすトリガー条項は謎の「買い控え理論」で突き放す政府。意味不明だ

まーた税金上げるのか。。。ちょこちょこちょこちょこ、、勘弁してくれもう。

雇用保険料0.2%→0.6%へこっそり3倍増税。

財務省と内閣だけで突っ走ってるね!党は了解したのかね?!増税、緊縮財政まっしぐら

増税の理由は、プライマリーバランス黒字化?

岸田内閣は、このほかにも金融所得課税脱炭素税などの導入を検討している。こうした岸田内閣の動きと、岸田首相が目標に掲げる「2025年のプライマリーバランス黒字化」を関連付ける指摘もネット上では少なくなかった。

プライマリーバランス(基礎的財政収支)は、社会保障や公共事業などの基礎的に政策にかかる経費について、どこまで税収で賄えるかを示した指標。指標がマイナスなら、国債などの借金に依存していることになる。

2021年7月時点の試算では、2020年度のプライマリーバランスのGDP比率は-10.5%だった。岸田首相は就任当初から、プライマリーバランスの黒字化を目標に掲げていたが、オミクロン株が大流行する今年になっても方針は変わらず、1月14日、「2025年度のプライマリーバランス黒字化目標」を明らかにしている。

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プライマリーバランス黒字目標達成の見込みは?

コロナ禍で税収が伸び悩む中、プライマリーバランスの2025年度の黒字化という目標の達成見込みはあるのだろうか。野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は、同社ホームページに寄稿したコラムの中で次のように指摘している。

新型コロナウイルス問題が本格化する直前の2020年1月に発表された試算では、黒字化目標の達成時期は2027年度だったのである。経済に対して歴史的に大きな打撃を与えた新型コロナウイルス問題を受けて、逆に黒字化目標が1年前倒しになることはにわかには信じがたいところでもある。

木内氏の論文が掲載された時点では、政府は目標の達成時期を2027年度から2026年度に前倒しすると発表していた。その後、岸田首相は「諮問会議で25年度に黒字化する姿が示された」とし、さらに1年前倒ししている。

財務省は、財政健全化の必要性を次のように強調する。

我が国では、受益と負担の均衡がとれておらず、現在の世代が自分たちのために財政支出を行えば、将来世代に重いツケを回すことになります。

不健全な財政より健全な財政の方が良いことは言うまでもない。しかし、多くの国民が新型コロナウイルスの影響で苦しんでいる、このタイミングだ。ただでさえ難しいとされる、プライマリーバランス黒字化の目標達成時期をさらに前倒しし、突っ走るべきなのか。国民の大きな犠牲のもとでのプライマリーバランスの黒字化達成に、どれほどの意味があるのだろうか。