2022年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)の開幕戦となる富士大会(第1戦〜第3戦)が4月2〜3日に富士スピードウェイで開催され、澤龍之介(Sutekina Racing)が3戦連続のポール・トゥ・ウインで制し、開幕富士大会を完全制覇。マスタークラスは今季初参戦となったHIROBON(Rn-sportsF111/3)が、こちらも3連勝で開幕ラウンドを終えている。
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■第1戦:澤龍之介、2位に7.3秒の大差を築いて2022年初戦を制す
4月2日午後に行われた2022年シーズンの開幕レースとなる15周の第1戦決勝レースは快晴のもと、ドライコンディションでの開催となった。ポールスタートの澤が好スタートを決める一方、2番グリッドスタートの小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)はスタートをうまく決められず、大きく後退。
代わりに4番手スタートからHIROBONが2番手に浮上するも、2周目の第13コーナーでアウトに膨らんでしまう。その隙に小山美姫(TGR-DC F111/3)が2番手に、片山義章(Team LeMans F111/3)が3番手に浮上する。
ポールスタートの澤は序盤からファステストラップを更新する好ペースで独走状態に。オープニングラップの時点で2.9秒だった小山とのギャップを、7周を終えた時点で5秒まで広げるハイペースで周回を重ねた。
一方、レース中盤には片山と小川の3番手争いが加熱。一時はテール・トゥ・ノーズからサイド・バイ・サイドと見応えのある接近戦を繰り広げたが、徐々に片山が小川とのギャップを広げて3番手のポジションをキープする。
15周目、ポールスタートから一度もトップを譲ることなく、澤が2022年シーズンのオープニングレースのトップチェッカーを受けた。澤から7.3秒遅れの2位に小山が、3位に片山が続いた。
他を圧倒する走りで勝利を掴んだ澤は「新品タイヤでレースに臨んだので序盤は不安なところはありましたけど、しっかりと逃げきって優勝できたので良かったです。ラップタイムも安定して走れたのかなと思いますが、終盤はタイヤの熱が上がり過ぎてしまい、タイムが少し落ちたところもありました」
「宣言どおり、ぶっちぎりで勝つことはできましたが、内容面では納得がいっていないところもあります。それでも、幸先の良いスタートが切れたのは何よりで、この勢いで明日のレースも勝ちたいと思います」と第1戦決勝を振り返った。
マスタークラスは今回がFRJデビュー戦となったHIROBONが独走でクラス優勝を飾った。マスタークラス2位には田中優暉(アスクレイ☆イーグルスポーツ)が、3位には三浦勝(F111/3)が続いた。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第1戦富士スピードウェイ 決勝レース結果(編集部集計)
Pos | No | M | Driver | Car Name | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 澤龍之介 | Sutekina Racing | 15 | |
2 | 8 | 小山美姫 | TGR-DC F111/3 | 15 | |
3 | 6 | 片山義章 | Team LeMans F111/3 | 15 | |
4 | 97 | 小川颯太 | Bionic Jack Racing Scholarship FRJ | 15 | |
5 | 11 | M | HIROBON | Rn-sportsF111/3 | 15 |
6 | 14 | M | 田中優暉 | アスクレイ☆イーグルスポーツ | 15 |
7 | 34 | M | 三浦勝 | F111/3 | 15 |
8 | 4 | M | 今田信宏 | JMS RACING with B-MAX | 15 |
9 | 45 | M | 辻子依旦 | PONOS Racing | 14 |
天候:晴れ 路面:ドライ
ファステストラップ:澤龍之介(Sutekina Racing) 1’38.093(9/15)
■第2戦&第3戦は大雨でSCスタートに。難コンディションも澤が連勝を決める
翌4月3日は終始強めの雨が降り注ぐウエットコンディションとなった。午前に行われた第2戦決勝は、安全を考慮してセーフティカー(SC)先導によるスタートに。レースは4周目にグリーンフラッグを迎えるも、その直後のTGRコーナーではポールスタートの澤を含む複数台が一時コースオフする場面も。その間に小川が小山をかわして2番手に浮上する。
しかし、2番手小川に対し、SC中のスピン、追い越しがあったとしてドライブスルーペナルティが科せられる。これにより、小川は5番手まで後退することに。これで2番手のポジションを取り戻した小山は、序盤4.4秒まで広がった澤との徐々に縮め、一時は2.5秒まで縮めるも、終盤には澤がペースアップし、ポジションが変わるまでには至らず。
15周を予定していた第2戦決勝は、13周を終了したところでレース時間上限の30分を越えたため、14周目にチェッカーが振られた。大雨に翻弄されたレースとなったなか、澤が第1戦に続いて強さを見せつけて今季2勝目を飾った。2位に小山、3位に片山と、第1戦決勝と同じ表彰台の顔ぶれに。
マスタークラスは、HIROBONがクラス2番手に38秒の大差を築いて今季2勝目を飾った。マスタークラス2位に、昨年のマスタークラス王者の今田信宏(JMS RACING with B-Max)が、3位に三浦が続いた。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第2戦富士スピードウェイ 決勝レース結果(編集部集計)
Pos | No | M | Driver | Car Name | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 澤龍之介 | Sutekina Racing | 14 | |
2 | 8 | 小山美姫 | TGR-DC F111/3 | 14 | |
3 | 6 | 片山義章 | Team LeMans F111/3 | 14 | |
4 | 97 | 小川颯太 | Bionic Jack Racing Scholarship FRJ | 14 | |
5 | 11 | M | HIROBON | Rn-sportsF111/3 | 14 |
6 | 4 | M | 今田信宏 | JMS RACING with B-MAX | 14 |
7 | 34 | M | 三浦勝 | F111/3 | 14 |
8 | 14 | M | 田中優暉 | アスクレイ☆イーグルスポーツ | 13 |
9 | 45 | M | 辻子依旦 | PONOS Racing | 10 |
天候:雨 路面:ウエット
ファステストラップ:澤龍之介(Sutekina Racing) 1’59.968(12/14)
■第3戦:澤、3連勝を決めて選手権を大きくリード
4月3日午後に、開幕富士大会締めくくりのレースとして開催された第3戦。依然として雨脚は強く、スタート進行が10分遅れ、第2戦に続いてSC先導によりスタートを迎えることとなった。
レースは4周目よりグリーンフラッグが振られると、この週末2連勝と好調を見せる澤が序盤からリード。他を圧倒するペースで走行し、9周終了時点で後続に10.7秒のリードを築く。
澤のペースは緩むことなく、12周目には1分57秒170のファステストラップを記録。そんななか、第2戦に続いて予定周回の15周を迎える前にレース上限時間の30分に達したため、13周終了時点でチェッカーが振られた。
これにより、2番手に20.2秒の大差をつける独走を見せた澤が開幕3連勝。3戦すべてでポールポジション、ファステストラップ、優勝を記録する完全制覇で週末を終えた。2位には小川が入り、今季初表彰台を獲得。小山が3位に続き、小山は開幕3戦すべてで表彰台を獲得する結果となった。
第3戦決勝を制した澤は「レース2では全体的にペースが遅かったので、レース3に向けてセッティングを大幅に変えて臨みました。とは言え、スタート前は不安があったのですが、スタート後セーフティカー先導中に、フロントの動きや感覚から『これはいける!』という確信を得ることができました」
「グリーンフラッグが振られてからの1周目からプッシュして、気持ちよく走れました。本当に平野エンジニアに感謝しています。思うように走れなかったレース2でのストレスを発散できました」と、レースを振り返った。
マスタークラスは、HIROBONが制し、開幕3連勝を達成。クラス2位争いはファイナルラップまで接戦が繰り広げられたが、田中が競り勝ち2位を獲得。3位に今田が続いた。
開幕3戦を終えてのシリーズポイントランキングは、澤が75ポイントで選手権をリード。2番手に51ポイントの小山、3番手に同率42ポイントで小川と片山が並んだ。一方、マスタークラスはHIROBONが75ポイントでトップ。2番手に48ポイント獲得の田中、3番手に45ポイント獲得の今田、4番手に42ポイント獲得の三浦と2番手争いが接近している状況だ。
2022年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ、第4戦〜第6戦が開催される第2大会は6月25〜26日に岡山国際サーキットにて開催される。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第3戦富士スピードウェイ 決勝レース結果(編集部集計)
Pos | No | M | Driver | Car Name | Laps |
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1 | 3 | 澤龍之介 | Sutekina Racing | 13 | |
2 | 97 | 小川颯太 | Bionic Jack Racing Scholarship FRJ | 13 | |
3 | 8 | 小山美姫 | TGR-DC F111/3 | 13 | |
4 | 6 | 片山義章 | Team LeMans F111/3 | 13 | |
5 | 11 | M | HIROBON | Rn-sportsF111/3 | 13 |
6 | 14 | M | 田中優暉 | アスクレイ☆イーグルスポーツ | 13 |
7 | 4 | M | 今田信宏 | JMS RACING with B-MAX | 13 |
8 | 34 | M | 三浦勝 | F111/3 | 12 |
9 | 45 | M | 辻子依旦 | PONOS Racing | 10 |
天候:雨 路面:ウエット
ファステストラップ:澤龍之介(Sutekina Racing) 1’57.170(12/13)