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再生医療スタートアップU-Factorと慶應義塾大学医学部、幹細胞培養上清液によるドライアイ治療の共同研究開始

再生医療スタートアップU-Factor(ユーファクター)と慶應義塾大学医学部眼科学教室は2月2日、乳歯由来の歯髄幹細胞培養上清液を用いたドライアイ治療の共同研究を開始したと発表した。

U-Factorは、アルツハイマー病をはじめ、有効な治療法のない疾患に対する要望、いわゆる「アンメットメディカルニーズ」に対処する薬の開発を進めており、乳歯由来の歯髄幹細胞培養上清液の基礎研究も行っている。幹細胞培養上清液とは、幹細胞を培養する過程で得られる上澄み液のこと。これまでの再生医療では、幹細胞そのものを体内に移植する方式が有効とされているが、近年、幹細胞培養上清液にも幹細胞移植と同等の利用効果があることがわかった。

幹細胞培養上清液には数千種類の成長因子が含まれており、体内の細胞組織の再生を促す。なかでも、U-Factorが開発している乳歯由来の幹細胞培養上清液は、骨髄や脂肪から得られる間葉系由来のものに比べて成長因子がより豊富に含まれているという。

この共同研究では、日本で2200万人が悩まされているドライアイ(Uchino M, et al. Am J Ophthalmol, 2013)への幹細胞培養上清液の有効性を確認することにしている。U-Factorは研究費用と幹細胞培養上清液を提供し、慶応義塾大学医学部眼科学教室が研究の実務を行う。数年後には幹細胞培養上清液の産業化を目指すとのことだ。