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GMの子会社で自動運転技術を手がけるCruise(クルーズ)は、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)から13億5000万ドル(約1546億円)の新たな投資を受け、商用化に向けてさらなる一歩を踏み出す。同社は米国時間2月1日、無人運転のロボタクシーサービスを、サンフランシスコの公道で一般向けに公開すると発表した。

ソフトバンクは以前、Cruiseが商業的に展開する準備を整えた時点で、当初の9億ドル(約103億円)に加えて13億5000万ドルを追加投資すると約束していた。

Cruiseは公式ウェブサイトを通じて一般からの乗車申し込みを受け付けている。今のところ、乗車料金は無料だ。同社は2月1日のブログ記事で、予約申し込みに参加した一般の人々は、サービスを利用する前に秘密保持契約に署名する必要はないと述べている。同社の広報担当者によると、1月27日に乗車を終えた友人や家族の少人数グループがいたが、彼らは今朝まで秘密保持契約の下にあったという。

Cruiseの広報担当者によると、無人運転サービスは当初、午後11時から午前5時までとなっているという。夜間の運転は、最もインパクトを与えられる場所から始めて、そこから計画的に拡大していくという戦略の一環であるとのことだ。Cruiseは「Chevy Bolt (シボレー・ボルト)」の自動運転車をサンフランシスコ市内で走らせてテストする。ただし、この無人運転サービスは、ヘイト・アシュベリー、リッチモンド地区、チャイナタウン、パシフィック・ハイツ地区内の特定の地域や道路に限定される。

Cruiseは、人間のドライバーが運転しない車両の運行および課金に必要な許可をほぼすべて取得している。カリフォルニア州自動車局からは、運転手付き車両と運転手なしの車両をテストおよび運用するために必要な3つの許可を取得しており、そのうちの1つは一般人の乗車を許可するものだ。同社はカリフォルニア州公益事業委員会に、乗車料金を請求するための許可証も申請しているが、こちらの許可はまだ取得できていない。

画像クレジット:Screenshot

この数週間、Cruiseの従業員が、安全のための人間の運転手が乗車していない無人運転車に乗っている様子を撮影した動画を投稿している。GMの会長兼CEOであるMary Barra(メアリー・バーラ)氏は、最近になって乗車した。

同社では、社員が一般の人を指名できるようにしており、すでに何人かの人が乗車しているという。Cruiseはこのプログラムを「Cruise Rider Community(クルーズ・ライダー・コミュニティ)」プログラムと名付けている。社員から指名された人や、乗車予約を申し込んだ人は、最初の一般乗客となるパイプラインに組み込まれるという。

Cruiseは、Dan Ammann(ダン・アマン)CEOの突然の退任を受けて、このサービスの一般公開に踏み切った。同社の共同設立者であるKyle Vogt(カイル・ヴォクト)氏が、現在はCTOと同時に暫定CEOを務めている。

画像クレジット:Cruise

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)