<p>『レインボーシックス シージ』から離れてしまったすべてのプレイヤーへ、3000時間を捧げた筆者が紹介するシージ今昔 – AUTOMATON</p><p>【コラム】『レインボーシックス シージ』から離れてしまったすべてのプレイヤーへ、3000時間を捧げた筆者が紹介するシージ今昔</p><p>『レインボーシックス シージ』から離れてしまった人々に贈る、今昔。『レインボーシックス シージ』と距離を置いてしまったプレイヤーは、願わくば、もう一度このゲームに触れてみてほしい。</p><p>このほか、防衛側の持つ銃から2.5倍サイト(旧ACOG)が撤廃されるなど、武器を用いた調整もおこなわれている。現在では、攻撃側のエントリールートを一方的に見ることを防ぐため、防衛側がACOGサイト(2.5倍サイト)を装備することは許されず、最大でも2.0倍サイトとなっている。2.0倍サイトが装備できる武器も、ROOKのMP5や、ALIBIなどのACS12などごくわずかだ。 そんな歴史を持つサイトだが、Y7S1では、全サイトのリプレイスメントがおこなわれた。これによって、持っているサイトと同倍率のものはすべて解放された。つまるところ、等倍サイトは全解放されたわけだ。特定の等倍サイトしか装備できない武器などもあったが、今回の改修によって制限がなくなった。SPSMG9(CLASHのサイドアーム)などにのみついていたサイトも自由に選べるため、いろいろと試し甲斐が生まれている。 そして、本作には欠かせない、補強壁を破壊できるオペレーター(通称:ハードブリーチャー)も増えた。リリース当初はTHERMITEのみだったが、現在では4名(THERMITE・HIBANA・MAVERICK・ACE)まで増えている。といっても、最新のオペレーターがめっぽう強いというわけではない。THERMITEは補強壁を大きく開けることができるアドバンテージをしっかりと維持している。一方、最新のACE(Y5S2)は素早く開ける利点はあるものの、その大きさは控えめと、しっかりと差別化が図られている。 それだけでなく、サブガジェット(フラググレネードやブリーチングチャージと同じ位置づけの汎用アイテム)として「ハードブリーチングチャージ」というアイテムも追加された。これは補強壁の小さい範囲を破壊するほか、落とし戸を開けるものだ。BUCK(Y1S1)やZERO(Y5S3)などが選択できる。補強壁へのアプローチも、大きく変わったといえるだろう。 近年はゲームバランスや競技性を意識してか、オペレーターは各シーズン1名ずつの追加となっており、Y7S1では、3人目の日本人オペレーター「AZAMI」が実装された。AZAMIは、防弾性の「Kibaバリアー」を生成する防衛オペレーターだ。 AZAMIは本作で初となる「穴を塞ぐ」ことができる点が大きな特徴だ。攻撃側が通した射線や、破壊した壁を塞ぐことができ、それによって自分や仲間のポジションを調整するほか、遠くからの被弾を防ぐことができる。マップの知識量と比例してより強力なバリアーを生成することができることから、『レインボーシックス シージ』らしいオペレーターと言える。7年目の幕開けに相応しい、ゲームチェンジャーとなる存在だ。 増えたマップ・変わったマップ オペレーターと同様、マップにも多くの追加とリワーク(マップの改修)がなされてきた。現在はゲームモードごとにマッププールが異なり、ランクマッチでは以下の画像の通りだ。 この14のマップの中で、リワークや改修がおこなわれていないマップは驚くことに「領事館」と「ヴィラ」の2つのみだ(厳密にはオブジェクトの細かな調整は行われているので、リリース当初から全く同じマップは存在しないだろう)。 オペレーターの追加によって攻守共にプレイの幅が大きく広がり、広さとして物足りないマップや、競技性の観点で攻守どちらかの陣営が強力なマップは、積極的に手が加えられている。 競技シーンでも馴染み深い「オレゴン」も、リリース当初は2階の東西を結ぶ廊下やエントリールートが狭く、攻守ともに立ち回りの幅が狭かったが、随所が拡張されたことにより、随所で戦いが起こるようになっていった。 現在ではもう見られない、夜の景色 合わせて、視認性の問題も徐々に改善していった。リリース当初はマップに昼夜があったが、夜は屋外の視認性が悪く、昼のみとなったことや、室内のライティングの改修、敵プレイヤーの輪郭を光らせるリムライトの実装など、現在はかなり綺麗で見やすいゲームとなっている。 プレイヤーとして、リワークによって馴染みのマップが変わってしまうことは、嬉しくもあり、悲しくもある。そのひとつが「民家」だ。本作のチュートリアルであるラーニングエリア(旧:シチュエーションモード)でも度々登場するこのマップは、比較的コンパクトであり、訓練場(旧:テロハント)でウォームアップに使っているプレイヤーも多かった。しかし、リワークによって広く複雑になってしまい、ウォームアップとしては使いにくくなってしまったことは否めない。 そんなプレイヤーに朗報がある。Y7S1で追加された「チームデスマッチ」だ。これは文字通り撃ち合いに特化したモードであり、特定のマップを舞台に、どちらかのチームが75キルに到達するか、制限時間の5分を迎えるまでひたすらガンファイトに勤しめる。ランクマッチ前のウォームアップや、武器を試したいときにも便利だ。 また、近年ユービーアイソフトは既存マップのリワークに熱心だったが、Y7S1では3年ぶりの完全新マップ「エメラルドプレーンズ」が追加される。イングランドのカントリークラブを舞台としたこのマップは、クラシカルさと、モダンさを兼ね備えているのが特徴的だ。競技性が確立されてから久しい本作だが、競技シーンにも登場するかを含め注目したい。 余談だが、リリース当初からゲームに存在する「バートレット大学」は未だ手付かとなっている。スポットライトが当たるのはいつになるのか。 さまざまなイベントモード 本作は、基本となるクイックマッチ(旧:カジュアル)やランクマッチのほかに、期間限定のアーケードモードの開催も積極的におこなわれてきた。エイプリルフールに合わせて実装された、ピンク色のオペレーターが印象的なキューティでファンシーな「Rainbow is Magic」や、どこを撃っても一撃死のゴールデンガンで戦う「Golden Gun」、年に一度の世界大会に合わせて実施される「Road to S.I.」など、さまざまだ。 3S1で開催されたアウトブレイク、今見ると『エクストラクション』と通じる部分も多い 中には、オペレーターの夢の中を舞台とした、リスポーン有りの5v5「Sugar Fright」や、未知の生命体と戦うCo-op型イベント「アウトブレイク」など、チームデスマッチや『レインボーシックス エクストラクション』の原型とも取れるものも存在していた。 これらの個性的なモードの一部は、Y7S4以降、週替りとして常設される予定となっている。カジュアルに遊べるモードが増え、よりゲームへ親しみやすくなるだろう。 また、バトルパスの導入も果たしている。2019年10月に配信されたミニバトルパスを皮切りに、シーズンごとにバトルパスが導入され、現在ではバトルパスを購入することで新オペレーターが解除される仕様だ(バトルパス未購入の場合、新オペレーター実装から2週間後に名声・R6クレジットで購入可能)。 Y7S1のバトルパスは、日本味が多く含まれている そして、コスメティックアイテムも充実している。R6Shareと称した競技シーンで活躍するチームのスキンも販売されており、日本チームのスキンも登場している。売り上げの50%はチームへ還元されるため、応援になる点も嬉しい。 CYCLOPS athlete gamingのスキンには、選手の名前が漢字で刻まれている この他にも、Netflixドラマ「ペーパーハウス」や、アニメ「リック・アンド・モーティ」とコラボした個性的なスキンも販売中だ。もちろん、バトルパスや、一定の確率で手に入るアルファパックなどでもクールなスキンがたくさん手に入る。 盛り上がりを見せる競技シーン 本作は競技シーンも盛んだ。特に世界大会「Six Invitational 2019」にて、日本チーム「野良連合」が世界ベスト4という栄光に輝いたこととは、『レインボーシックス シージ』の競技シーンだけでなく、日本のeスポーツシーンの歴史を語る上で外すことができない出来事であった。 現在では購入できない、野良連合のスキンセット 当時の野良連合のロースターは、散り散りになってしまっているものの、未だに現役選手として活躍するプレイヤーも見られる。昨年は、NTTドコモが展開する日本リーグ「X-MOMENT」が主催する「Rainbow Six Japan League 2021(RJL2021)」が開催され、日本競技シーンのレベルが大きく向上した。昨年はCYCLOPS athlete gaming(CAG)が無敗優勝という快挙を成し遂げたが、2022年3月より開催されている「RJL0222」では、アマチュアからプロ入りを果たした「SCRAZ(旧:Zepto)」がCAGへいきなり黒星を付けるなど、波乱の展開が起きている。 世界的なeスポーツチームFNATICや、サッカークラブで著名なパリ・サン=ジェルマンが有するPSG Esportsが日本人ロースターを迎えて参入するなど、本作のエコシステムの土台を作り上げたX-MOMENTの恩恵によって、日本国内の競技シーンは今後も大きく発展していくだろう。 もちろん、国外の競技シーンも大きく変化した。G2 Esportsでの華々しい活躍が有名なレジェンドプレイヤー「Pengu」の引退をはじめ、EU一強の時代は終焉を迎えている。昨年はラテン地域のチームが大きな躍進を遂げ、古くからほぼ同じロースターで戦うFaze Clanや、Team oNe eSportsといったラテンチームが国際大会で優勝を勝ち取り、ラテンの季節と呼ばれていた。日本が属するAPAC地域も、韓国チームDWG KIAが初の世界大会でベスト4へ勝ち進むなど、全体のレベルが上がっていることは明白だ。 国内リーグの模様はX-MOMENT公式チャンネル独占配信され、世界大会はレインボーシックス 日本公式チャンネルで視聴できる。気軽に覗いてみよう。</p>