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<p>ペットは「自分の子供」 ともに逃れた戦火 長い移動、重い負担 | 毎日新聞</p><p>ペットは「自分の子供」 ともに逃れた戦火 ポーランド南東部にある国境の駅プシェミシル。ウクライナ各地からの難民で混雑する待合室でルドゥミラ・バシリエブナさん(67)が愛犬を抱えていました。「自分の『子供』です。置いてくることなど考えませんでした」</p><p>ポーランド南東部にある国境の駅プシェミシル。3月14日、ウクライナ各地からの難民で混雑する待合室で、ベンチに座るルドゥミラ・バシリエブナさん(67)が大切に愛犬を抱えていた。「自分の『子供』です。置いてくることなど考えませんでした」</p><p>ウクライナ南部ミコライウのアパートで1人暮らしをしていた。夫が亡くなった後は、チワワと雑種の2匹の犬が心のよりどころだった。2月24日のロシアの侵攻開始後、地元でも空襲警報のサイレンが度々鳴るようになり逃れるしかなかった。「(露大統領の)プーチンは恐ろしいことをしました」 手提げ型のかごに2匹を入れて自宅を出発。西部リビウに向かう列車は大混雑だったが、何とか場所を確保。他の乗客もかごを乗せるのを手伝ってくれた。16時間の移動中、かごに毛布をかけて犬が興奮しないようにした。「犬たちは家からあまり出さないので、初めての旅行です。けんかもせずにおとなしくしてくれて助かりました。でも最近はストレスからか、食欲がほとんどないんです」。娘が暮らす米国に渡る予定で、もちろん犬も飛行機に乗せる。 難民向けに用意された体育館で、一緒に避難したペットを抱くダイア・キスレンコさん=ポーランド南東部の国境メディカで2022年3月13日、小出洋平撮影 ポーランドでは難民だけでなく、同行のペットへの支援も充実している。徒歩で国境を越えられるメディカ検問所の前には、ドイツの動物愛護団体が臨時の支援テントを設置していた。ウクライナからやってきたばかりの犬や猫を対象に、常駐の獣医が体調をチェックしたり、食事やペット用品の無料配布をしたりしている。担当者によると、避難で何日も段ボール箱に閉じ込められていた例もあったといい、ペットにとっても避難のストレスは大きい。 メディカの体育館に設けられた避難所でもペットの同伴が認められ、犬や猫が飼い主と過ごしていた。ここでもペットの食事や関連用品は無料だ。ウクライナ東部から夫や子供ら4人と犬2匹で避難してきたダイア・キスレンコさん(30)は「ペットにとてもやさしい避難所で子供のように接してくれる。感謝しています」と話す。 戦争は動物たちにも不自由を強いている。キスレンコさんは「ペットたちも怒っています」と訴える。「どんな暴力にも反対します。早く戦争をやめてもらい、ペットと一緒に家に帰りたいです」【プシェミシル(ポーランド南東部)で平野光芳】 ◇ 毎日新聞社と毎日新聞東京社会事業団は、紛争や災害、貧困などで苦しむ世界の人たちを支援する救援金を募集しています。ウクライナ難民を人道支援する国連救援機関などに送ります。郵便振替か現金書留でお寄せください。物品はお受けできません。紙面掲載で「匿名希望」の方はその旨を明記してください。〒100―8051(住所不要)毎日新聞東京社会事業団「海外難民救援金」係(郵便振替00120・0・76498)</p>