今年(2022年)で開業から7周年を迎えた北陸新幹線。これにより、北陸富山は東京から最速で約2時間10分と新幹線開業によって首都圏からぐっと身近な存在になった。関西からも特急サンダーバードと北陸新幹線を乗り継いで向かうことが可能だ。そんな富山駅前に2022年3月18日、大型商業施設と新ホテルがグランドオープン。富山の魅力がぐっと詰まったこの施設&ホテルを拠点に、富山の魅力をご紹介します!
文、写真/村上悠太
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■朝食はホテルバイキングがお薦め
今回、グランドオープンを迎えたのは商業施設「MAROOT(マルート)」とその上層階にある「ホテルヴィスキオ富山」。富山駅のすぐ横に位置しアクセス至近だ。1F〜4Fにある「MAROOT」は富山のさまざまな魅力を見て、感じて、購入できる商業施設。ご当地ものから旅の途中にちょっと便利なショップまで約72店舗が揃う。中でも注目したいのは1F。富山の人々が誇る「食」を取り扱ったエリアとなっており、「富山」を意識したカフェやバー、市場を思わせるような生鮮売り場がある。
富山といえばやっぱり魚! とはいえ、旅先で丸々一匹を買って帰るのはなかなかハードルが高いが、ここではお寿司やお刺身のラインナップも豊富。手軽に新鮮な地魚が楽しめるのもうれしい。
そして5Fから12Fにあるのが「ホテルヴィスキオ富山」。JR西日本ホテルズが手がけるホテルブランドだ。同社のホテルブランドは最上位の「グランヴィア」、ビジネスユースの「ヴィアイン」があり、「ヴィスキオ」はその中間に位置する比較的新しいブランド。JR西日本ホテルズにとっては初の北陸エリアへの出店となる。
館内には大浴場はもちろん、宿泊ゲストが使えるラウンジも完備。PCやプリンター、コーヒー紅茶類のフリードリンクも用意されている。4Fのレストラン「とやま鮨 海富山(うみとやま)」は、「MAROOT」内のレストランフロアに位置し、昼と夜は宿泊者以外にも使用できるスタイルで営業。朝食時間帯には「ヴィスキオガーデン」として宿泊者専用の朝食会場となる。朝食にもこだわりが光り、富山県産食材などが並ぶ。
気になる客室は全9種類。すべてダブルもしくはツインルームで、一部エキストラベッドを使えば3名で使用できる。最も部屋数の多いスタンダードダブルでも部屋面積17.7〜19.3m2と、ゆとりある空間になっている。最上階の12Fはコンセプトフロア「富山」を名乗り、他フロアより天井高が30cm高く、また客室内のコーヒーカップやグラスには富山由来の工芸品をセレクト。地元で人気の「アルパカコーヒー」の珈琲ドリップパックや銘菓「甘金丹」なども用意されている。
高層階からは立山連峰の眺めが楽しめるが、駅近ホテルといえば個人的にはもう一つ楽しみな景色がある。そう、「鉄道」だ! JR西日本ホテルズの各ホテルは駅直結や駅至近ということもあり、「トレインビュー」な部屋も多い。「ヴィスキオ富山」も立山側の部屋からは、路面電車と新幹線、西側なら新幹線が立山側よりしっかりとウォッチできる。
■白えびを富山の名物にした超有名店へGO!!
より便利になった富山駅を拠点におすすめの観光プランを少し紹介したい。
富山駅には北陸新幹線のほか、JR高山本線、あいの風とやま鉄道、富山地方鉄道市内線(路面電車)が発着する。立山・宇奈月温泉方面への富山地方鉄道は富山駅隣の「電鉄富山駅」から発着している。
その中でも少しユニークなのが、路面電車だ。
富山市内の路面電車はかつて、富山駅を境に南北で別れ、それぞれ別の会社が運行していたが、2020年に合併。富山駅を貫いて南北の路線が直通運行を開始した。北側の路線は以前「富山ライトレール」と呼ばれていた路線だ。
富山ライトレールにはさらに前身があり、元々はJR富山港線として運行されていた路線で、これを路面電車化し利便性を向上。一部区間はJR時代の専用軌道(通常の鉄道路線のように道路とは区別された線路)を高速走行する、まさに路面電車と普通の電車の「いいとこ取り」した路線に生まれ変わった。今回はこの電車で富山駅から北上し、岩瀬浜駅を目指してみよう。
路面電車に乗る前にぜひ用意しておきたいのが、「ぐるっとグルメぐりクーポン」。路面電車が1日乗り放題のほか、指定店舗で1/8カットのます寿しや甘味と交換できるクーポン付きの乗車券。クーポンの枚数によって1000円と1500円がある。
岩瀬地区は北前船寄港地として栄えた豪商の家屋が残る。岩瀬浜駅から岩瀬運河を渡り、徒歩15分程度で風情ある岩瀬地区の町屋風景が広がる。当時の建物をリノベーションして活用されている店舗も多く、家屋の構造や歴史に触れられる。街巡りを案内してくれる地元のガイドさんと巡れば、その歴史をより深く知ることができるのでおすすめだ。
富山の海の幸の中でも「海の宝石」と呼ばれるのが白えび。海から揚がった直後はその体が透明に輝いていることからその愛称が付けられ、現在では富山特産の高級食材として名高い。でも実はかつては大量に漁れるいわゆる雑魚で、今のような扱いではなかった。しかし、この白えびを一躍富山の名物にし、数々の白えび料理を考案したのが、岩瀬にある磯料理「松月」だ。
今度は富山駅から一駅だけ新幹線に乗車して、新高岡に向かってみよう。ここからは土休日を中心に観光列車「べるもんた」が発着。
この列車、正式名称は「Belles montagnes et mer(ベル・モンターニュ・エ・メール)」。フランス語で「美しい山と海」という意味の列車名だが、だれもが「べるもんた」と呼ぶので今回もこの愛称で統一したい。ちなみにきっぷの予約なども全部「べるもんた」の呼称でOKだ。
新高岡・高岡を拠点に土曜日は立山連峰美しい城端線を、日曜日は富山湾の絶景広がる氷見線を走行している。沿線の伝統工芸を散りばめた車内はただ乗っているだけでも楽しいが、この列車の最大の魅力は車内で味わえる「握りたての鮨」!
乗車日の3日前17時までに「VISIT富山県」で予約することで、車内で職人による握りたての「ぷち富山湾鮨セット」が味わえる! 富山湾で揚がった地魚だけを使った鮨5貫と氷見はとむぎ茶がセットになっている。ほかにも沿線地酒の飲み比べセット、白エビと紅ズワイ蟹のお造りなどもメニューにラインナップ。富山の絶景路線で楽しむ富山の味をぜひご堪能あれ!
「べるもんた」の拠点となる高岡市・射水市も見どころが多い。富山市内同様に路面電車が走り、その沿線の射水市新湊地区は度々映画やドラマのロケ地に選ばれる雰囲気のよい街並みを保つ。
街中を流れる内川沿いをゆっくり歩くだけでも十分楽しい。また高岡は鋳物の町。地場産業として多くの錫製品が製作されているほか、自身で体験製作を行えるところも点在。
この春は新ホテル&商業施設オープンで活気づく、魅力新たな富山に出かけよう!
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