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米国時間1月31日、Waymoは自動運転車の運用に関する一部の詳細データを一般に公表しないでもよい件に関して、小さな勝訴を勝ち取った。

Alphabet傘下の同社は先に、カリフォルニア州自動車局に対して、その自動運転車の展開許可証からの情報の一部を非公開とし、また、自動車局と同社との間のメールも、名称など非公開のサードパーティーから公開リクエストがあった部分を非公開にできるよう、訴訟を起こしていた。1月31日に判事はWaymoに対して、同社は一時的制限命令を発行して、非公開とされた情報をさらにあと22日間、非公表にしてもよいことになった。

これを恒久的な差し止めとしてWaymo側を安心させるか否かに関しては、2月22日に別のヒアリングが行われる。そのヒアリングでは、一部の情報が公開記録から永久かつ継続的に取り除かれていても良いか否かを検討する。

Waymoなどの自動運転車の開発者は、カリフォルニアでテストし展開するかぎり、州自動車局から一連の許可証を獲得しなければならない。カリフォルニア州の許可証を申請するために企業は、その安全対策と技術と、自動車局が通常求めるその他の情報を提出する必要がある。

Waymoの許可証に向けて記録公開リクエストがあると、自動車局は同社を招いて、企業秘密の部分を尋ねる。Waymoが、自動車局が尋ねた質問までも含めて企業秘密部分を指定すると、自動車局はそれら重要部分がブロックされたパッケージをサードパーティに送る。情報要求者がその黒塗りに抗議すると、自動車局はWaymoに、Waymoが消去部分のない公表を禁じる差し止め命令を要求しない限り、情報をリリースしなければならないと告げる。Waymoによると、自動車局は同社にアドバイスして、一時的な禁止令(一時的制限命令)を申請するよう勧めた。

今回のヒアリングで自動車局は、一時的な禁止令の申請に反対しなかったという。この件における自動車局のやや受け身の役割は、同局がどちらか一方の側にはつかない、というサインであり、最終決定を法廷に委ねている。

Waymoが守りたい(一般公開したくない)詳細は、自動運転車が何らかの状況を見つけても走行を続ける場合のやり方であり、人間ドライバーに任せるべきと判断するのはどんなときか、いつAV車隊のサポートを提供するのか、制御不能や衝突のインシデントにどう対応するのか、といった情報だ。同社は、サクラメントの州最高裁にこれらの件の訴訟を提出している。

同社の主張では、情報の公開はWaymoやAV技術への投資者にとって有害であるだけでなく「業界全体に水をさす」という。

訴状によると「AVのカリフォルニア州における展開に利害を有する市場参加者は、企業秘密の開示履歴が明らかとなれば、この技術を開発する貴重な時間とリソースへの投資に向かう積極性を失うだろう」という。

また他社も、どれだけの情報を自動車局と共有すべきかに関して引っ込み思案になってしまい、民間部門と行政との間の透明な対話よりも、業界は規制の精神の理解ではなく、規制を表面的に遵守するだけの態度を選ぶだろう。これによって、もしも自動車局がAVの規制を作って実施するために必要な全面的な展望を持っていなければ、技術の安全性が脅かされるだろう。これが、訴状でのWaymoの主張だ。

さらに他方では、Aptivが買収したnuTonomyの前法務部長で、ニューヨークにあるイェシーバー大学のカードーゾ・ロースクールの法学教授Matthew Wansley(マシュー・ワンズリー)氏は以前TechCrunchに、Waymoが隠したい情報のすべてが企業秘密といえるか、それは疑問だが、その隠された部分を実際に見ないかぎりは真相は分からないという。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)