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「ふるさと」といえば、紀貫之のこんな短歌が浮かぶ。 人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける 人の心はよく分からぬが、古里には昔と同じ梅の花の香りが漂う-。移ろいやすい人の心と、変わらぬ古里の、見事な対比である。 浅田次郎の「母の待つ里」。題名からして、紀貫之の歌の「花」…