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 2022年2月1日、レクサスは2021年の全世界の販売実績を発表するとともに、2021年12月14日に公開されていたレクサスのクーペSUVのBEV、RZを2022年春に発売することを明らかにした。

 さて、新型レクサスRZはどんなクルマなのか、今わかっている情報をすべてお伝えしていこう。

文/ベストカーweb編集部
写真/ベストカー編集部、ベストカーweb編集部、トヨタ、三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY

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■レクサスの全世界の販売実績は2020年を上回り、日本は約5.1万台、前年比104%

日本では2021年8月にマイナーチェンジしたレクサスES。デジタルインナーミラー搭載が話題となった

 まず、発表された2021年におけるレクサスの全世界販売実績から紹介していきたい。2021年1~12月の全世界販売実績は、前年比106%、76万12台と2020年実績を上回り、2019年の76万5330台に次いで過去2番目の実績となった。

 ちなみに2022年1月28日に発表された、ダイハツ工業、日野自動車を含めたトヨタグループの全世界の販売台数は1049万5548台(前年比110.1%)と2年ぶりに前年超えとなり、2年連続で世界販売首位を達成した。

 レクサスの販売台数を地域別に見ると、北米が約33.2万台(前年比112%)、中国は過去最高となる約22.7万台(前年比101%)を達成するなど全世界販売の回復を牽引。日本は2021年の約4.9万台から約 5.1万台となり、前年比104%と回復基調となっている。

 レクサスを含むトヨタ車の電動車販売台数は、262万1925台(前年比133.8%)で、日本では56万5604台(前年比105.6%)となった。

 モデル別内訳はハイブリッド車が248万2236台、マイルドハイブリッド車が7482台、PHEVが11万1882台、FCVが5918台、BEV(バッテリー電気自動車)が1万4407台。

 その内、レクサスのモデル別電動車年間販売は、ES、RX、UXのハイブリッド車の好調により、過去最高の約26万台(前年比 110%)となった。

写真のレクサスRXやNXのハイブリッド車の販売が好調でレクサスが伸長した牽引役となった

 レクサスでは、次世代レクサスの第1弾として新型NXを発売し、新たにPHEVを導入するなど、ユーザーや社会のニーズに対応したプラクティカルな電動車の普及を加速させていくとしている。

 また、カーボンニュートラル社会の実現に向けた新たな挑戦として、2030年までに全カテゴリーでBEVのフルラインナップを実現し、欧州、北米、中国でBEV100%、グローバルで100万台の販売、そして2035年にはグローバルでBEV100%の達成を目標としている。

■2021年1~12月の主要地域別の販売実績
北米約 33.2万台(約29.7万台、前年比112%)
中国約 22.7万台(約22.5万台、前年比101%)
欧州約 7.2万台(約7.1万台、前年比102%)
日本約 5.1万台(約4.9万台、前年比104%)
中近東約 2.8万台(約2.7万台、前年比103%)
東アジア約 3.0万台(約3.2万台、前年比95%)
※カッコ内の販売台数は2020年1~12月の販売実績

■いよいよレクサスのクーペSUV・BEVのレクサスRZが2022年春に発売!

公開されたレクサスのBEVの新型SUV、RZ450e

 2021年12月14日、トヨタは「バッテリーEV戦略に関する説明会」がMEGAWEBで開催された。当日、16車種のBEVが公開されたが、そのなかにレクサスRZの姿があった。

 そして今回、レクサスが2月1日に発表した2021年の全世界販売実績のリリースのなかで、佐藤恒治レクサスインターナショナルのプレジデント・チーフブランディングオフィサーが新型RZの発表時期を明らかにしたのだ。

 世界中でLEXUS車をご愛用頂いているお客様のお一人おひとりに、心より感謝を申し上げます。新型コロナウィルスの感染拡大や部品供給逼迫の影響が続くなか、2021年は約76万台を販売し、過去最高レベルまで販売を回復することができました。

 2022年も引き続き、『本物を知る人が、最後に選んでいただけるブランドでありたい』という想いの下、お客様の感性に訴えかけるLEXUSらしいデザインや走りの味を磨き上げて参ります。電動車開発も加速させ、今春のBEV専用モデル「RZ」を皮切りに、多様なお客様のライフスタイルに寄り添う新型モデルを続々と発表いたします。次世代LEXUSの更なる挑戦に、ご期待下さい」。

2021年3月に公開されたレクサスエレクトリファイドLF-Zコンセプト

 レクサスは前述したとおり、2030年までに全カテゴリーでBEVのフルラインナップを実現し、欧州、北米、中国でBEV100%、グローバルで100万台の販売、そして2035年にはグローバルでBEV100%の達成を目標としているが、UX300eに次ぐレクサスBEV第2弾として登場するのが新型RZだ。

 ちなみにトヨタbZ4Xの発売は、トヨタの公式アナウンスでは2022年年央となっているため、それよりも先に発表ということになる。

トヨタbZ4X(プロトタイプ)。ボディサイズは全長4690×全幅1860×全高1650mm

■新型レクサスRZはどんなクルマなのか?

BEVだけにフロントフードの位置が低い

 実は新型RZに関する情報はエクステリアの写真以外は公表されていない。エクステリアデザインを見る限り、2021年3月に公開されたレクサスエレクトリファイドLF-Zコンセプトの市販型といっていいだろう。

 新型RZのエクステリアデザインは、現行RXよりもフロントフードの位置が低く流麗でシャープな印象を受ける。

 新型RZはレクサスにおける新たなデザインコンセプト「スピンドルボディ」に基づいてデザインされ、彫の深いボディサイド、横一線につながったテールランプが特徴。テールゲートにはRZ450eとDIRECT4のエンブレムが見える。

ブラックアウトされたCピラーが特徴。RXでは一部がブラックアウトされたが新型RZではCピラー全体がブラックアウトされる

 迫力のあるスピンドルグリルがレクサスのブランドイメージを引っ張ってきた印象があるが、新時代のBEVとなるRZからはグリルレスとなり、スピンドル形状をフロントグリルだけでなく、ボディ全体のアーキテクチャーとしたスピンドルボディとしている。

 新型レクサスRZのボディサイズは発表されていないが、LF-Zコンセプトが全長4880×全幅1960×全高1600mm、ホイールベースは2950mm。

 さすがに市販型のRZはそこまでロー&ワイドになるのは考えにくく、現行レクサスRX並みの全長4890×全幅1895×全高1690mmに近いサイズ(全高は1620~30mmほどか?)になるだろう。

 ちなみにトヨタbZ4Xは全長4690×全幅1860×全高1650mm、ホイールベース2850mmと現行RXに比べ、ひと回り小さい。

 プラットフォームはトヨタとスバルが共同開発し、bZ4Xとソルテラに使用されているe-TNGAを採用し、薄型大容量電池パックを床下に平置きで設置。

 モーターとトランスアクスル、インバーターを一体化した電動駆動モジュールe-Axleと、モーター駆動力のレスポンスの良さを活用し、4輪を自在にコントロールすることで高度かつ自由度の高い運動性能を実現する、新たな4輪駆動力制御技術DIRECT4(DIRECT4 Wheel Drive Force Control)を組み合わせたLF-Zの技術を搭載することになるだろう。

 新型RZに搭載される電気モーターの最高出力やバッテリー容量、航続距離など、パワートレインの詳細も明らかにされていない。

 bZ4Xの4WDモデルは、フロントモーターが80kW(109ps)、リアモーターが80kW(109ps)でシステム最大出力が160kW(217ps)、バッテリー容量は71.4kWhと発表されているが、それを上回るはず。でもさすがにLF-Zの400kW(500ps)、バッテリー容量90kWhとまではいかないのでないか。

 インテリアについては未発表ながら、LF-Zから市販型に発展したデザインになるだろう。レクサス NXで市販車として初採用された新コンセプト「Tazna(手綱)」を取り入れたコクピットは継承され、トヨタbZ4Xのようなステアバイワイヤと異形ステアリングを組み合わせたワンモーショングリップも設定されるはずだ。

手綱一本で意思疎通を図る人と馬の関係性に着想を得た「Tazuna」コンセプトに基づくレクサスエレクトリファイドLF-Zのコクピット
こちらはトヨタbZ4Xのコクピット。ステアバイワイヤシステムと異形ステアリングホイールを組み合わせたワンモーショングリップをトヨタ初採用(一部グレード)。ステアリングの回転角度を持ち替え不要な約プラスマイナス150度に設定。Uターンや車庫入れ、ワインディングロード走行時などでドライバーの負荷を大きく低減


■レクサスLF-Z Electrified
ボディサイズ:全長4880×全幅1960×全高1600mm
ホイールベース:2950mm
車両重量:2100kg
最高出力:400kW(544ps)
最大トルク:700Nm(71.4kgm)
航続距離(WLTP):600km
バッテリー容量:90kWh
充電電力:150kW
電池:リチウムイオン電池
0~100km/h加速:3.0秒
最高速度:200km/h

■トヨタbZ4X
ボディサイズ:全長4690×全幅1860×全高(アンテナ)1650mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:FWD/1920kg~、4WD/2005kg~
最高出力:FWD/フロントモーター150kW(204ps)、システム最大出力150kW(204ps)、4WD/フロントモーター80kW(109ps)、リアモーター80kW(109ps)、システム最大出力160kW(217ps)
航続距離(WLTP):FWD/460km前後、4WD/500km前後
バッテリー容量:71.4kWh
充電電力:150kW
電池:リチウムイオン電池
0~100km/h加速:FWD/8.4秒、4WD/7.7秒

■新型レクサスRZの価格はどうなるのか? 

 新型RZの価格はいくらくらいになるのだろうか? トヨタのBEV、bZ4Xの価格は英国トヨタが2021年12月に、全6グレード、646万~794万円(1ポンド154円換算)と発表しているが、日本で予約販売が開始されている日産アリアのエントリーモデル(2WD)が539万円ということを考えると、この英国価格よりも下がる可能性はある。

 トヨタbZ4Xが600万円前後のスタートとすれば、レクサスRZは800万円ほどのスタート価格になるのではないだろうか。

■レクサスRZはどんな走り?

下山テストコースでレクサスRZプロトタイプに試乗する豊田章男社長とレクサスインターナショナルプレジデント・チーフブランディングオフィサーの佐藤恒治氏。アクセルを強く踏み込むと2人で「おおお~」と声をあげていた

 新型レクサスRZはどんな走りをみせるのか? それはレクサスインターナショナル佐藤恒治プレジデントと豊田章男社長が、愛知県豊田市と岡崎市に跨る山間部に作られた下山テストコースで、レクサスRZプロトタイプを試乗した動画を見るとその一端が垣間見える。

豊田章男社長:四輪の接地感みたいなものは感じるけれど、ちょっと重いよね、アクセル踏んだらどうなるの?

佐藤恒治プレジデント:踏んでみてください!

豊田章男社長:ええ~、なにこれ、別世界! 

 2人とも「おおお~」と声をあげる。

豊田章男社長:マスタードライバーとして乗っててね、いつまでも乗っていたいクルマ。環境にもいいよ。だけど、楽しいんだよ、乗ってよ、っていうクルマをぜひ、レクサスのニューチャプターでZというブランドでね、やって欲しいですね」

 2022年12月14日の「バッテリーEVに関する説明会」では佐藤恒治プレジデントは、レクサスがトヨタのなかでBEVをリードしていき、先進技術をレクサスがフロントランナーとしてやっていく、ワクワクドキドキするBEVを作っていきたいとコメントしている。

 また次のステージとして、「加速タイムは2秒前半、航続距離700kmオーバー、全個体電池の搭載を視野に、ハイパフォーマンスバッテリーEVの実現を目指します」と触れており、その目標は、会場に展示されたレクサスエレクトリファイドスポーツやエレクトリファイドセダン、エレクトリファイドSUVのいずれかで実現するかもしれない。

 新型RZ含め今後登場するレクサスのBEVは、ワクワクドキドキするBEVになる、と期待してよさそうだ。

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