旅行会社が企画するバスによる主催旅行は、たいていが貸切バスを利用したものだ。しかし、とうとう添乗員同行で近距離高速路線バスと定期普通列車のみを利用したツーが現れた。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
いきなり高速バス利用!
「平成ちくほう鉄道 春の絶景 桜並木 お花見散策」との名称のツアーは西鉄旅行が企画したものだが、2022年4月2日限定の出発だ。西鉄天神高速バスターミナルが集合地で、そのまま西鉄バス筑豊の直方行き高速バスに乗車するという異例さだ。県内近距離高速バスなので乗車時間は1時間ほどだ。
終点の直方で下車した後は平成筑豊鉄道の定期列車に乗車し、桜スポットや観光スポットを回る。その数は、なんと5乗車。平成筑豊鉄道は国鉄の廃止ローカル線を引き継いだ鉄道会社だが、観光列車を走らせる等の積極的な鉄道会社でもある。
そうして平成筑豊鉄道を順次乗り継いで散策した後は、再び直方から西鉄高速バスに乗車して天神に戻り解散という行程だ。
全部が公共交通機関利用の斬新さ!
貸切バスやあらかじめ指定席を確保しておく特急列車ではなく、座席定員制の近距離高速バスと気動車普通列車だけを利用するという斬新さが面白い。
高速バスを利用しない直方発着の設定もあるので、他の筑豊地区や北九州地区からの参加も可能だ。天神発・直方発とも最少催行人員は8名だが高速バスに乗れなかったらどうするのだろうと、要らぬ心配をしてしまう。
直方高速はかなり高い確率で西工のB高が来るので、鉄道ローカル線と同時に乗車することができるいい機会なのかもしれない。
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