進みつつあるジェンダーレス社会について、私たち親は、娘や息子たちにうまく説明できるだろうか? ジェンダー研究の第一人者に聞きます。
(中略)
非正規の女の人たちがどんな扱いを受けるかというと――
私の友人で優秀な女性がいるのですが、非正規で3年おきに勤務先を転々としていた彼女は「毎日がハラスメント」と語っていました。
露骨な嫌がらせじゃなくても、ランチを誰と一緒に食べるか、そこに誘ってもらえるかどうか、あるいは、ちょっとした支給品の違いなど、細かいところで差をつけられます。
正社員に仲間意識を持ってもらえず「ハケンさん、ハケンさん」と呼ばれます。
Q.でも、派遣の人たちがいないと成り立たないところいっぱいありますよね?
そういう社会にしてしまったんです。その仕事がなくてはまわらないなら正社員を増やせばいいでしょう。それがイヤだから、つけはずし自由の非正規労働者に置き換えたのです。
30年かけて、低賃金構造を作り出すためにそうしちゃったわけです。
もっと具体的に言うと、1985年に成立した男女雇用機会均等法から女性の分断が始まりました。1985年が「女性の格差元年」です。
以前だったら、正社員の女性は結婚すると寿退職してくれました。それが、会社に居座るようになった。
居座るようになったら、経営者は“正社員には高い給料を払っているのだから、そのぶんしっかりと働いてもらおう。
高い給料払ってる女にお茶汲みをやらせるのはもったいない。そこは派遣で補おう”ということになってきた。
女が会社を辞めなくなったから、逆に、有期雇用で辞めさせることのできる女を雇うようになりました。
そういう構造を作ってきたんです。はっきり言って、人災です。
Q.経営者って、ずる賢いですね……。
巧緻にたけてるというか。
労働者派遣法についてはを何度も改正を行い、非正規でも3年勤続した場合には正社員転換の義務があるという規定を作りました。会社はそれを避けるためにどうするか
――2年11カ月で辞めさせるんです。
あるいは1年契約の場合でも、例えば11カ月契約にして、1カ月あけて再契約という具合に。
経営者は知恵者ですから、私たちはやられっぱなしです。
一方で、共犯関係にあったのが連合(日本労働組合総連合会)を初めとする労働組合です。
自分たちの雇用保障さえ守れたらOKと思っているオジサン労働者団体は多いです。彼らは非正規の女性たちを組織化してきませんでした。
そして、今になって労働組合の組織率が低くなりすぎると、慌てて非正規のほうに目を向けるようになった。
派遣に限らず、非正規労働を生んだ根本的な理由は、世帯単位で稼ぎ主の男がいれば、女は家計補助型労働でいいだろう、という考えです。
“家計補助なのだから、この程度でいいだろう”という。
いちばんの癌は「扶養控除103万円の壁」と「特別扶養控除130万円の壁」。これがあるから既婚女性は就労調整をするわけです。
これを超さないように働かせて、賃金を抑え、さらに経営者が保険料負担をしなくてもすむ。
この制度は「専業主婦優遇策」と呼ばれていますが、誰がトクをするか、考えてみたらよくわかるでしょう。
最大の問題は、そんなジョブカテゴリーを女性向けに作ったということ。こういう仕事を、「job for pin money」と言います。
pin moneyというのは、はした金のこと。こういうワリの悪い労働に女性が入っていったのではなく、「女性向け」にこういう仕事をつくったのです。
でも130万円では、離婚したってひとりじゃ食えない。だから男にくっついているしかない。だけど、家計補助が必要だという仕事を、既婚の女向けに作りました。
ただし、そこに番狂わせが起きます。
90年代以降の不況下で、非婚者やシングルマザーが既婚女性向けに作られた非正規労働市場に参入していきました。
この人たちは自分で働かないと自分を食わせられない家計支持型の労働者です。
コロナ禍のもとで、その人たちがシフトを減らされたり、派遣切りにあったりして、深刻な問題に直面しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b7887159fa6ffc2429dea58f02e984dd2b8db65
引用元: ・【フェミニスト】上野千鶴子氏「自分たちの雇用さえ守れたらOKと思っているオジサン労働組合が非正規女性の貧困を固定化させた」 [ボラえもん★]
お前もそのおっさんと変わらないだろ
カラダで稼げるのずるいわ
The post 【フェミニスト】上野千鶴子氏「自分たちの雇用さえ守れたらOKと思っているオジサン労働組合が非正規女性の貧困を固定化させた」 first appeared on TweeterBreakingNews-ツイッ速!.