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日本政府はウクライナの首都の呼び方をロシア語読みの「キエフ」から、今後はウクライナ語読みの「キーウ」に変更すると発表した。今後は、各メディアでも「キーウ」表記が一般化していくと見られる。

キエフ改め、キーウ市内(krblokhin/iStock)

外務省は、呼称の変更について「ウクライナとの一層の連帯を示すための行動について幅広く検討を行ってきた」と説明、ウクライナ政府の意向も確認したとしているが、ネット上では、さまざまな反応があった。

ウクライナ国営通信「ウクルインフォルム」の日本語版を編集する平野高志氏は、「※電光石火。私は20年キーウ表記(中澤英彦案)を推奨してきたので、感慨はあるけど、変更タイミングが国家存亡の危機の時で良かったのかなあとも。でもまあ歴史の転換期とはそういうものなのでしょう」とツイート。

また、ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使も、呼称変更を好意的に評価し、「『グルジア』から『ジョージア』に変わった件との共通点は脱ロシア語由来の名称にする点です。これまでのその呼び方が必然的でないからです。」と語った。かつてグルジアと呼ばれた国は、現在はジョージアと呼称が変わっている。

現代美術作家の井上リサ氏は、「ウクライナ側から「キーウ」と母国語呼称に変更するよう要望があるなら『キーウ』がよいだろう。一方で私は個人的に、戦時中の敵性語排除や特定の言語に対する憎悪の感情が生まれないよう注意したい」と発言。現地語を尊重するあまり、ロシア語への嫌悪感情が生まれることを危惧した。

呼称変更を歓迎する声が目立つ一方、第二次大戦下の“敵性語狩り”を想起した人も少なくないようだ。

「キエフ」から「キーウ」への変更論が出ているようですが、日本で使われて来たのは「キエフ」であり、変更の必要はありません。ロシア語狩りを行うことは戦時中の敵性語と同じ発想で問題です。そもそもイギリスやオランダは日本独自の呼称ですので、これと同様でしょう。

正直納得できない。
せめて併記にすべき。
ウクライナにはロシア語話者も少なくなく、キエフ\キーウもロシア語話者が半数近くいる
ロシアが言う「ロシア系住民の保護」という言い分に根拠を与えかねない。 戦時中の敵性語狩りのみたい。言語に罪なし。

日本で長年使われている「キエフ」表記をすると、多少は混乱を生むこともありうる。それでも、現在の世界情勢のもとではウクライナへの連帯の意思表示を示すことのほうが重要であると日本政府は判断したのだろう。

時代の流れによって地名や国名が変わった事例は少なくない。そう意識させるツイートもあった。

ええいやかましい!キーウはキエフだしオデーサはオデッサ、カリーニングラードはケーニヒスベルク、瀋陽は奉天、ソウルは京城だしユジノサハリンスクは豊原

カリーニングラードは、戦前までドイツ領土だったが、戦後はソビエト領となり、現在はロシアの一部となっている。慣れ親しんだ「キエフ」が廃れていくのは少々残念な気もするが、時代の転換点ということなのだろう。