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 4月10日、2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の公式予選が富士スピードウェイで行われ、野尻智紀(TEAM MUGEN)がポールポジションを獲得。トラックリミット違反の恐れがあったアタックを冷静にリカバリーする2周連続アタックで、2位以下を約0.2秒突き放す異次元の走りを披露し、2021年王者の貫禄を見せつけた。2番手には宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、3番手には前日の第1戦でポールポジションを獲得した笹原右京(TEAM MUGEN)がつけた。

 2レース制で行われる開幕富士大会の2レース目。この日も朝から強い日差しが降り注ぎ、公式予選開始時点で気温は21度、路面温度は30度まで上昇。スタンドには半袖の観客も目立つほどの暖かさとなった。前日に多くのドライバーを悩ませていた強風も、このタイミングでは落ち着いている。

 予選Q1の組み分けは第1戦終了時のドライバーズランキングに基づき決定。A組は野尻、 山下健太(KONDO RACING)、大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)、国本雄資(KCMG)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、宮田、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(B-Max Racing Team)、三宅淳詞(TEAM GOH)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が出走した。

 セッション開始と同時に全車がコースイン。前日と打って変わって無風といえるコースのコンディションをチェックしたのち、タイヤを履き替えてアタックへと向かっていく。各車が続々とコースへと戻っていく中、坪井のみがピット前でウェイティング。残り時間が5分30秒を指すころにようやく動き出すと、すでにコースに戻っていた集団の前で走行に入った。

 その坪井からアタックを開始し、まずは1分21秒987のターゲットタイムをマーク。続いて野尻が1分21秒899で逆転する。続いてコントロールラインを通過した山下は1分22秒100で3番手に。そして、1分21秒796をマークした三宅が野尻を上回りトップにつけた。

 連続アタックに入った三宅はさらにタイムを削り、1分21秒618をマークしたが、トラックリミット違反の裁定が下り、タイムは採択されず。それでもセカンドベストとなった1アタック目のタイムは誰も破ることができず、三宅がトップでQ2進出を果たした。終盤にアタックした宮田が1分21秒843で2番手につけ、以下、野尻。坪井、山下、大津までの6名がQ1を突破。福住、関口、松下、大湯、国本の5名が敗退となった。

 続くQ1 B組には、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(KCMG)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、笹原、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、佐藤蓮(TEAM GOH)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)が出走。

 A組同様に全車がセッション開始するとコースインしていき、チェックラップののちにピットに戻ってくるが、第1戦の予選でうれしい初ポールポジションを獲得した笹原は、周りと戦略を変えてステイアウト。そのままタイヤのウォームアップ、アタックに入っていった。また、可夢偉はA組の坪井同様にピットでややウェイティング。残り時間が6分を指したところでコースへと戻っていった。

 その可夢偉を先頭に各車がアタック開始し、可夢偉は1分22秒432のターゲットタイムをマークする。続いて笹原が1分21秒898を記録してトップ浮上。牧野、山本、平川と笹原のタイムは破れずにタイミングモニターの下位に並んでいくなか、フェネストラズが1分21秒729で笹原を上回り、トップでQ1突破を果たした。

 フェネストラズに敗れたものの、笹原が2番手でQ2進出。以下、アレジ、平川、可夢偉、牧野と続いたが、最後にコントロールラインを通過した佐藤が1分22秒317で6番手に滑り込み、牧野がノックアウトされることに。阪口、山本、大嶋とともにここで予選終了となった。

 続く予選Q2は、坪井を除く11台がセッション開始とともにコースイン。坪井はQ1同様に周りとタイミングを変える戦略に出た。入念にタイヤを温めた各車は間隔をあけながら、野尻、笹原のTEAM MUGEN勢からアタックに入っていった。セクター1では2名そろって20秒822という全体ベストタイムをマーク。ただ、野尻はコカ・コーラコーナーでわずかにコース外にタイヤを落としトラックリミットを越えてアタック中断。セクター2からペースダウンしチームメイトの笹原にラインを譲るかたちに。

 変わって先頭に立った笹原はそのままセクター2でもベストタイムを更新し、1分21秒731でトップタイムをマークした。続く三宅は1分21秒934で2番手につけるが、山下、フェネストラズ、可夢偉、佐藤らが続々と三宅を上回っていく。そして宮田が1分21秒717で笹原を逆転し暫定トップに浮上。2周連続でアタックしていた笹原だったが、1分22秒089にとどまり宮田には及ばず。

 これで勝負ありかと思われたが、1度目のアタックでトラックリミットを越えてしまった野尻が仕切り直しの2アタック目で1分21秒522の衝撃的なトップタイムをマーク。大逆転でポールポジションを獲得した。2位の宮田と3位の笹原のタイム差が0.014秒、笹原と4位の佐藤との差が0.023秒ということを考えると、野尻のタイムが圧倒的に速いことが明らかだろう。前日の第1戦予選では若手の勢いが輝いたが、第2戦に向けしっかりとアジャストした前年度王者がその勢いをはねのけたかたちの予選結果となった。

 スーパーフォーミュラ第2戦富士の決勝レースは、このあと14時30分にスタートする予定だ。

2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2022スーパーフォーミュラ第2戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第2戦富士 笹原右京(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 山下健太(KONDO RACING)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 山下健太(KONDO RACING)
2022スーパーフォーミュラ第2戦富士 小林可夢偉(KCMG)
2022スーパーフォーミュラ第2戦富士 小林可夢偉(KCMG)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
10日の第2戦からはピットレポーターを務めるレイザーラモンのRGさんとHGさんも現地入り
10日の第2戦からはピットレポーターを務めるレイザーラモンのRGさんとHGさんも現地入り