4代目ノア/ヴォクシーが登場! ミニバンへの関心が薄いエンスー清水草一が、さほど気合も入れずに試乗したら、驚くべき進化にぶったまげた! そのすべてを報告!!
※本稿は2022年2月のものです
文/清水草一、写真/TOYOTA、ベストカー編集部、撮影/平野学
初出:『ベストカー』2022年3月26日号
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■超獣顔だけど中身は超フレンドリー!
新型ノア/ヴォクシーに初対面&初試乗して参りました! なによりも気になっていたのは、“超獣顔”ヴォクシーの第一印象。実物はどうだったのか!?
「あれ、あんまりエグくない……」でした。
写真で見ると遊星からの物体Xだけど、実物はグリル内が真っ黒なので、単に口がデカいミニバンって感じで、それほどアグレッシブに見えない。
「もっとエグくしてくれ!」と、早くもおかわり宣言。買いもしないのにスイマセン。
カーマニアにとって、ミニバンは基本的にどうでもいい存在で、私のような子離れ世代はなおさらだ。それでも新型ノア/ヴォクシーには感心しまくった。
感心その一は、3つの「からくり構造」だ。まずは左側スライドドアの「ユニバーサルステップ」。
電動サイドステップだと、オプションで20万円くらいになるところを、スライドドアと機械的に連動させることで、わずか3万3000円で実現! 子どもや老人にはありがたいステップである。私も間もなく老人。ありがたや〜。
続いては、バックドアをどの角度でも止められる「フリーストップバックドア」。狭い駐車場ではこれは便利! 私の数少ないミニバン所有体験でも、バックドアに気を使う場面は多かった。コロンブスの卵ですな。
そしてトドメは、3列目シートのワンタッチ跳ね上げ機構。ホントにワンタッチでバシュン! って跳ね上げて固定できる。ミニバンの細かい装備なんてまったく関心なかったオレだけど、この3つには心の底から感心した。さすがトヨタ様だぜ!
ついでに、自動駐車機能である「アドバンストパーク」にも感心しました。
これまで、あらゆる自動駐車を「こんなもん使えるか!」と一蹴してきたオレですが、これは真剣に操作が簡単で駐車も素早い。マジで使える!
さすがにスマホでクルマをリモート移動させる機能は、「使うのは1000人にひとりくらいだろ」と思ったけど、走り出す以前に、装備でここまで感心させられるなんて……。さすがトヨタ様のミニバンだぜ!
■ミニバン浦島太郎が驚き&感心の連続!
試乗記なので、いいかげん走り出したいと思います。
まず感じるのはボディのしっかり感だ。先代の微妙な頼りなさと比べると、長足の進歩である。
乗り心地はやや固めながら軽快で、走りにこだわる近年のトヨタらしい仕上がりだ。さすがTNGA。このしっかり感とひきかえに、フロア高は20mm上がったそうですが、そこは例の激安ステップで解決したのですね。
パワートレーンは、2Lガソリンと1.8Lハイブリッドの2種類。
特筆すべきは、ハイブリッドモデルがぐっと力強くなったことか。先代ノア/ヴォクシーは、車両重量的に動力性能がギリギリで、「遅っ!」と思ったけど、新型は「普通っ!」に快適に走る。普通が一番です。
新世代ハイブリッドシステムと銘打っただけに、燃費の改善も目覚ましく、都心部の一般道+空いた首都高の試乗で20km/L強をマーク! このサイズでリッター20km超えはすげえ。ちなみにガソリン車は10km/Lでした。
受注比率は現状、おおむね半々とのことですが、街乗り中心だと、ガソリン代が約2倍違ってくると思うべし。約40万円の価格差に悩むのう。
運転していて一番感心したのは、これまたお助け装備の「プロアクティブドライビングアシスト」!
ACCをONにしていなくても、カーブの手前で自動的に減速してくれる。首都高のようにカーブの多い道路では、手前でアクセルを離して「さて、ブレーキをば」と思ったところで、自動的に穏やかに減速するのでめっちゃラクチン!
前走車に追いついた場合も同様だ。エンブレだけでなくフットブレーキも作動させていて、ブレーキランプも点灯。その時はメーター内のインジケーターも点灯する。なんてよくできてるんでしょ〜!
ただしこの装備、前走車が急減速や停止した場合は、ドライバーがブレーキペダルを踏んで減速しないとダメ。そこまで全部助けると、ドライバーがブレーキを踏むことを忘れてしまうという調査結果があり、それを防止するためだそうです。
確かにラクチンすぎると、人間がダメになるからネ。これでも充分ラクチンすぎて、ダメ人間化しそうですから。
というわけで、すべてにおいて感心しまくりの試乗でしたが、お値段を見て仰天。車両価格も最高400万円近いけど、そこにセットオプション等をテンコ盛りすると500万円に迫ってくる。
ノア/ヴォクシーってこんなに高かったっけ? 最高でも300万円くらいだった気がするんだけど、それは8年前に先代が登場した頃の話で、その後装備の充実と共に価格もアップ。実は、新型になっての値上げはわずかなのだ。ミニバン浦島太郎でスイマセン。
■ウェルキャブも進化、そして値下げ!
開発陣の「移動する自由を広げたい」という思いが結実し、ウェルキャブも進化。
ベース車に後付けするのではなく同時に開発することでコストを下げ、車いす仕様の架装費用は36.3万円から19.7万円に激減した。
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