もっと詳しく

AMD Ryzen 7 5800X3D CPUのベンチマークが再びリークされましたが、今回はXanxoGamingが入手したリテールチップをご紹介します。

AMD Ryzen 7 5800X3DのCPUベンチマークがリーク、合成ワークロード全体で大きな改善ではないことが判明

AMD Ryzen 7 5800X3Dは、7nm Zen 3コアアーキテクチャに基づく3D V-Cacheを搭載した最初で唯一のチップとなる予定です。

このCPUは、8コア、16スレッド、64MBの3D Stacked SRAM設計を追加することで100MBの複合キャッシュを提供する予定です。

クロックはベース3.4GHz、ブースト4.5GHzで、TDPは105Wとなる。

価格については、CPUは5800Xと同じ希望小売価格449ドルで、非3Dチップは399ドルかそれ以下に値下げされることになります。

この価格設定は、5800X3Dを、より多くのコア/スレッドを提供するが、より低いキャッシュを提供するIntel Core i7-12700Kよりも高価にする。この2つのチップの性能ベンチマークを見るのは興味深いことです。

AMD Ryzen 7 5800X3D リテールCPUパッケージ(画像出典:XanxoGaming):

興味深いのは、このソースが、ゲーム周辺で最も効果が約束されているチップについて、まず非ゲームの合成ワークロードを調べることにしたことです。

Cinebench R23、Geekbench 5、CPU-z、Blenderなど、さまざまなベンチマークが使われた。

Cinebench R23では、CPUはシングルコアで1493点、マルチコアテストで15060点のスコアを記録した。

AMD Ryzen 7 5800Xは、同ベンチマークにおいて、マルチスレッドで約2%、シングルスレッドで約5%高速な性能となっています。

次に、Geekbench 5では、このチップはシングルコアテストで1639点、マルチコアテストで10498点のスコアを記録しています。

ここでは、標準の5800Xがシングルで2%、マルチスレッド性能で12%高速化されています。

CPU-zでは、シングルコアで617点、マルチコアテストで6505点を記録しています。

当然ながら、Ryzen 7 5800Xは、マルチコアとシングルコアのそれぞれのベンチマークで、3D製品に8%&7%の差をつけている。

AMD Ryzen 7 5800X3D Retail CPU Benchmarks(ソース:XanxoGaming):

※ 画像をクリックすると、別Window・タブで拡大します。

 

Blenderでは、BMWのシーンが独自のテストで使用しているリファレンステストなので、その性能だけを比較することができます。

Ryzen 7 5800X3Dのレンダリング時間は166秒で、標準チップは146秒でシーンを完成させました。

これは、3Dキャッシュなしで20秒短縮されいすることになります。

3Dキャッシュを使用しない場合、14%のアドバンテージがあります。

改めて、これらのベンチマークは、合成ワークロードがAMD Ryzen 7 5800X3D CPUの得意とするところではないことを証明している。

主な性能差は、明日、ゲームでのベンチマークで確認できるだろう。

AMD Ryzen 5000 Serie & Ryzen 4000 CPU ラインナップ(2022年)

CPU名 アーキテクチャー コア数/
スレッド数
ベース
クロック
ブースト
クロック
キャッシュ
(L2+L3)
PCIeレーン数
(Gen 4
CPU+PCH)
TDP 希望小売価格
AMD Ryzen
9 5950X
7nm Zen 3 ‘Vermeer’ 16/32 3.4 GHz 4.9 GHz 72 MB 24 + 16 105W $799 US
AMD Ryzen
9 5900X
7nm Zen 3 ‘Vermeer’ 12/24 3.7 GHz 4.8 GHz 70 MB 24 + 16 105W $549 US
AMD Ryzen
9 5900
7nm Zen 3 ‘Vermeer’ 12/24 3.0 GHz 4.7 GHz 64 MB 24 + 16 65W $499 US?
AMD Ryzen
7 5800X3D
7nm Zen 3D ‘Warhol’ 8/16 3.4 GHz 4.5 GHz 64 MB + 32 MB 24 + 16 105W $449 US
AMD Ryzen
7 5800X
7nm Zen 3 ‘Vermeer’ 8/16 3.8 GHz 4.7 GHz 36 MB 24 + 16 105W $449 US
AMD Ryzen
7 5800
7nm Zen 3 ‘Vermeer’ 8/16 3.4 GHz 4.6 GHz 32 MB 24 + 16 65W $399 US?
AMD Ryzen
7 5700X
7nm Zen 3 ‘Vermeer’ 8/16 3.4 GHz 4.6 GHz 36 MB 24 + 16 65W $299 US
AMD Ryzen
7 5700
7nm Zen 3 ‘Cezanne’ 8/16 不明 不明 20 MB 20 (Gen 3)
+ 16
65W 不明
AMD Ryzen
5 5600X
7nm Zen 3 ‘Vermeer’ 6/12 3.7 GHz 4.6 GHz 35 MB 24 + 16 65W $299 US
AMD Ryzen
5 5600
7nm Zen 3 ‘Vermeer’ 6/12 3.5 GHz 4.4 GHz 35 MB 24 + 16 65W $199 US
AMD Ryzen
5 5500
7nm Zen 3 ‘Cezanne’ 6/12 3.6 GHz 4.2 GHz 19 MB 20 (Gen 3)
+ 16
65W $159 US
AMD Ryzen
5 5100
7nm Zen 3 ‘Cezanne’ 4/8 不明 不明 不明 20 (Gen 3)
+ 16
65W 不明
AMD Ryzen
7 4700
7nm Zen 2 ‘Renoir’ 8/16 3.6 GHz 4.4 GHz 20 MB 20 (Gen 3)
+ 16
65W 不明
AMD Ryzen
5 4600G
7nm Zen 2 ‘Renoir’ 6/12 不明 不明 11 MB 20 (Gen 3)
+ 16
65W $154 US
AMD Ryzen
5 4500
7nm Zen 2 ‘Renoir’ 6/12 3.6 GHz 4.1 GHz 11 MB 20 (Gen 3)
+ 16
65W $129 US
AMD Ryzen
3 4100
7nm Zen 2 ‘Renoir’ 4/8 3.8 GHz 4.0 GHz 6 MB 20 (Gen 3)
+ 16
65W $ 99 US

ソース:wccftech – AMD Ryzen 7 5800X3D Desktop CPU Benchmarks Leak Out, Synthetic Workloads Show Little To No Improvement

 

 

 

解説:

Ryzen 7 5800XとRyzen 7 5800X3Dを同一環境で測定した比較はどうなるのか?

残念ながら、比較対象は完全に同一なテスト環境ではありません。

しかし、Ryzen 7 5800X3Dは100MHz動作クロックが落ちていることと、全くOC出来ない製品であることを考えると、水冷+PBOあり同士で比較すると、差がついてもおかしくないでしょう。

Ryzen 7 5800X3Dは3D V-Cache部分の電圧が全く上げられないためにOCは全くできないと伝えられています。

3D V-Cacheのような大容量キャッシュは演算性能そのものを上げるものではなく、特定環境の効率を上げるための仕組みなので、特定の環境に当てはまらないテスト(ノーマルZen3のキャッシュにすべて収まるプログラムか、3D V-Cacheにも収まらないプログラム)であれば、クロックの差が性能差と言うことになります。

傾向としてはマルチスレッドより、シングルスレッドのテストが苦手で、マルチスレッドのテストでも規模が大きすぎるものは苦手といった感じになると思います。

得手不得手がかなりはっきりしている仕組みです。

ただし、メモリのチャンネル数が大きく、メモリの速度が速いサーバーやワークステーションでは効果が比較的大きな仕組みです。

イメージ的にはGDDR6環境下でインフィニティキャッシュの効果がかなり絶大だったことを思い出してもらえたらわかりやすいと思います。

これは、キャッシュを活用することによって、見かけ上のメモリ帯域幅を上げることが出来るためです。

この点がアーキテクチャーそのものが進化しているAlderLakeとは本質的に違うところです。

Ryzen 7 5800X3Dは万能の解決策を講じた製品ではなく、単なる小改良にとどまる製品と言うことになります。

この点において、基本的にはAlderLakeがそれまでの製品に対して進化している部分は全く異なるものです。

3D V-Cacheは何でも解決してくれる魔法の杖ではありませんし、環境によってはRyzen 7 5800Xより遅くなると覚えておいてください。

恐らく、各商業メディアのテストではっきりすると思います。

各商業メディアはAMDには一切忖度しませんので、恐らくは真実の姿が明らかになるでしょう。

この点において、Ryzen 7 5800X3Dで行われた改良はAlderLakeに比肩するものではないです。

しかし、それではRyzen 7 5800X3Dが全く意味が無いのかと言われればそんなことは無く、ゲームのFPS向上においては3D V-Cacheの効果はかなり大きいようです。

明日、ゲームのFPSにおけるテストも公開されるようですので、その性能が明らかにされると思います。

ゲーマーにとっては一考する価値のある選択肢でしょう。

今AM4を使っていて、AM5移行するのは2-3年後、DDR5の価格が落ち着いてからだと思っている方はRyzen 7 5800X3Dは悪くない選択肢だと思います。

AMDファンの方はIntelがRocketLakeからAlderlakeで果たしたような革新はRyzen7000(Zen4)で果たされると覚えておいてください。

こちらはアーキテクチャーそのものに手が入りますので、AMDの主張が本当であれば、IPCで20%前後は性能向上すると思われます。

 

 

Ryzen 5000シリーズ

 

Ryzen 5000GシリーズAPU(GPU内蔵・並行輸入品)

 

Ryzen PRO 4000Gシリーズ(GPU付きZen2コアAPU・並行輸入品)

 

旧シリーズの安価なモデル

Ryzen 5

 

 

Ryzen3

Copyright © 2022 自作ユーザーが解説するゲーミングPCガイド All Rights Reserved.