2022.04.02 - 全日本ラリー選手権 第2戦 ツール・ド・九州2022 in 唐津 Leg1
4番手、5番手からポジションアップを狙うSUBARU WRX STI
4月2日(土)、2022年全日本ラリー選手権第2戦ツール・ド・九州2022 in 唐津は、競技初日を終えてSUBARU WRX STIの鎌田卓麻/松本優一がJN1クラス4番手につけています。また、僅差の5番手には新井敏弘/田中直哉がつけており、最終日での浮上を狙います。
■今季2戦目は変則日程のフルターマックラリー
ツール・ド・九州2022 in 唐津は土曜日の午後からスタートし、サービスを挟まずに4SS、34.22kmを走行するスケジュール。天候は快晴に恵まれ、路面はドライコンディション。日中の温まった路面からスタートする分、タイヤマネージメントの難しさが加わり、ひと筋縄ではいかない戦いとなることが予想されます。
多くの選手が大会最長、かつタイヤに厳しいSS1/3の『SANPOU(12.31km)』を勝負どころとして挙げるなか、ラリーは幕を開けました。
SS1、SUBARU勢は鎌田がSS3番手タイム、新井がSS4番手タイムと順調なスタートを切ります。タイヤ4本でこの日を乗り切る作戦の鎌田は、SSが進むにつれてややペースを落とすものの、ライバルに食らいつくスピードを発揮。SS4までを走り切り、鎌田は首位のヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)に45秒差のJN1クラス4番手でこの日を終えました。
前戦の新城ラリーから、このラリーに向けて車両のセットアップを曲がりやすい方向に変更した新井は、鎌田に0.5秒差のJN1クラス5番手でラリー初日を終えています。
なお、僅差の上位争いが繰り広げられているJN3クラスでは、SUBARU BRZの久保凜太郎/丸山晃助(ZC6)がクラス4番手、竹内源樹/木村悟士(ZC8)がクラス5番手につけ、さらなる上位を目指して最終日に臨みます。
■鎌田卓麻「思ったとおりに走ることができています」
4番手から上位を目指す鎌田は、「厳しい戦いとなっていますが、そんななかでも手応えを感じています。クルマの感触も良いですし、思ったとおりに走ることができていますね。ただ、他のドライバーがスペアタイヤを2本搭載して、途中でタイヤを2本交換することを想定して出走しているところ、僕たちはスペアを1本のみ積んで、スタートの時から装着している4本のタイヤを前後ローテーションして走りました。今日の後半ステージでは少し厳しくなってしまいましたが、最終日はSUBARU WRX STIの良さを発揮できるセクションもあると思いますし、僕たちは新品タイヤを6本使うことができるので、状況を見ながら作戦を練りたいと思います」と、前向きなコメントを残しています。
鎌田と僅差の5番手につけた新井は、「新城よりは足まわりのセットアップが良くなりましたが、ライバルも速いですね。今日はちょっとオーバーステアが強すぎた感じがしています。ロングコーナーが続くと、コーナーの出口でリヤが出てしまう傾向ですね。小さなコーナーであれば感触は良いのですが。最終日は初日とは道の性格が違うので、サービスでセットアップを変えてみて、もう少しタイムを出せるようにしたいと思っています」とコメントし、明日の挽回を狙います。
競技最終日の3日(日)は、SS5~SS10の6SS、SS距離33.58kmで争われます。3SSを2度走行する構成で、初日と比べればハイスピードな性格をもつコース設定となります。逆転を目指して走るSUBARU勢にご注目ください。
■鎌田卓麻が4位を守り切ってフィニッシュ
2022.04.03 - 全日本ラリー選手権 第2戦 ツール・ド・九州2022 in 唐津 Leg2
2022年の全日本ラリー選手権第2戦 ツール・ド・九州2022 in 唐津は、4月3日(日)の競技最終日を終え、SUBARU WRX STIの鎌田卓麻/松本優一が4位でフィニッシュ。鎌田と僅差の5番手を走っていた新井敏弘/田中直哉は、午後のSS8でペースを上げることができず順位を落としてしまい、6位完走を果たしました。
■一歩及ばずも、次戦に向け手応え
ラリー最終日は、SS5~SS10の6SSという設定。サービスを挟んで3SSを2度走行し、SS走行距離33.58kmで争われます。JN1クラス4番手の鎌田はポジションアップを狙いますが、ライバルも好走を見せ、タイム差を縮めるまでには至らず。“路面がスムーズながらもグリップ感が薄い”と上位選手が評するSS8『BIZAN REVERSE 2(6.87km)』では、R5車両2台に次ぐSS3番手タイムをマークしましたが、最終的に4位という結果になりました。
前日のセットアップを見直して最終日に臨んだ新井は、SS5/10『SHIRAKIKOBA(3.85km)』とSS6/9『HACHIMAN(6.07km)』では着実な手応えを得るものの、SS7/8『BIZAN REVERSE』で路面とタイヤ、さらに車両セットアップがマッチせず、ここでライバルに逆転を許してしまうことに。最終的に5位と1.1秒差の6位でラリーを終えています。
上位5台の接戦となったJN3クラスでは、新型SUBARU BRZの竹内源樹/木村悟士がクラス2位を獲得。竹内は午後の3SSすべてでJN3クラスのベストタイムを刻み、前日のクラス5番手から大きく躍進を見せました。先代のSUBARU BRZで参戦する久保凜太郎/丸山晃助も好走を見せましたが、順位をひとつ落としてクラス5位でフィニッシュしています。
■鎌田卓麻「良いデータを取ることができたラリーでした」
4位の鎌田は、「タイムが出るところと苦手なところ、その違いやクルマのバランスなど、良いデータが取れたと思います。この4位という結果は現状のクルマのスピードを表した結果だと思います。良いところは上位にいけているので、ネガな部分を改善していくことができれば、勝負はできると思っています。次の久万高原ラリーでは、この唐津とは違う路面状況になるので、チームと相談し、しっかり考えて挑みたいと思います」と、意気込みを語っています。
ペースを上げることができずに6位となった新井は、「今回、1カ所の林道(SS7/SS8)で車両のセットアップとタイヤが合わず、そこで負けてしまいましたね。それが痛かったです。前戦と比べてクルマ自体の進化は感じました。今後も重箱の隅をつつくしかないですね。テストで色々と試してみようと思いますが、やはり実戦でないと分からない部分もあります。次のラリーまで約1カ月あるので、セットアップを詰めて次戦に臨みます」とコメント。2台とも、苦戦の中にも次戦に向けた手応えを見つけることができるラリーとなりました。
次戦は4月29日~5月1日に開催される『久万高原ラリー』です。愛媛県上浮穴郡久万高原町を拠点として行われる舗装路(ターマック)ラリーは、タイヤへの攻撃性が高い路面が特徴となっています。SUBARU WRX STIを駆り、山深いワインディングロードに挑む新井、鎌田両選手の活躍にご注目ください。