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<p>ロシア軍、住民を無差別殺害か キーウ近郊、被害の実態明らかに | 毎日新聞</p><p>ロシア軍、住民を無差別殺害か キーウ近郊、被害の実態明らかに</p><p>ウクライナを侵攻したロシア軍が撤収を進める首都キーウ(キエフ)近郊では、被害の実態が明らかになり始めた。多数の遺体が路上に放置された地域もあり、住民が無差別に殺害された疑いが強まっている。</p><p>道路に多数の遺体 焼け焦げた戦車も ウクライナ国防省はツイッターに、キーウ近郊の都市ブチャの映像を投稿。道路には民間人とみられる多数の遺体が横たわり、軍の車がよけながら走る様子を伝えている。AFP通信も後ろ手に縛られた男性の遺体の画像を配信しており、男性が露軍に射殺された疑いが指摘されている。ロイター通信が配信した画像の中には、焼けた乗用車の車内に、遺体とともにスーツケースが写っているものもあり、ブチャから脱出を試みた際に攻撃された市民とみられる。また住宅街の路上に焼け焦げた露軍の戦車や装甲車が放置されている画像もあり、露軍側の被害も伝えている。 ブチャのフェドルク市長は住民ら約280人を埋葬したと説明しており、国防省は旧ユーゴスラビア内戦でセルビア人勢力が8000人といわれるイスラム教徒を殺害した「スレブレニツァの虐殺」(1995年)になぞらえ、「新たなスレブレニツァだ」とロシア側を非難した。 ウクライナ国防省は別のツイートで、キーウから約20キロの幹線道路上に、衣服を着けず毛布をかけられた4~5人の女性の遺体が放置されていたと指摘。露軍による暴行などの疑いが出ている。ウクライナ国防省は、ロシア兵がこれらの遺体を「焼却しようとした」として、露軍が証拠隠滅を試みたと糾弾している。 ウクラインスカ・プラウダ紙は近郊のモティジン村でも、女性村長と夫らが3月23日にロシア軍に拉致され、軍の撤収後に遺体で見つかったと報道した。 破壊された乗用車の脇を自転車で通り過ぎる男性=ウクライナ北部ブチャで2022年4月1日、ロイター 露軍は2月24日の侵攻開始直後、キーウ近郊に展開を試みたが、その後、進軍は停滞した。ロシアは3月25日、ウクライナ「東部の解放に集中する」と方針の転換を表明。4月2日にキーウ近郊からの撤収が確認された。 キーウ近郊のストヤンカ村で地域防衛隊に参加する男性は、英サンデータイムズ紙(電子版)の取材に「(解放の)喜びは全くなく、亡くなった人への悲しみを感じるだけだ」と述べ、露軍に対し「動物でも彼らのように行動しない」と怒りをあらわにした。男性の証言によると、露軍は村内の道路、民家やその敷地など「あらゆる場所に地雷を埋めていった」という。【大前仁】</p>