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 1月14~16日に開催された「東京オートサロン2022」。カスタマイズカーの一般公開ショーとしては世界最大級のスケールを持つ巨大イベント。2021年9月に登場したSUBARU 新型BRZと、つい年末からデリバリーが開始されたTOYOTA GR86も早速あちこちでカスタマイズされ展示。その最新チューニングの内容をおさらい!!

文/加茂 新
写真/加茂 新

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■HKSはいち早く過給機チューンを提案

 HKSではいきなりスーパーチャージャーキットを開発中。しかもそれが5月には発売予定だという。先代86/BRZ用キットと同様のGT2 7040タービンを使用。

 先代ではポン付けでノーマルの184ps/20.3kgm→220ps/25.6kgmにアップ。フルキットなら302ps/32.3kgmも可能。GR86/BRZではノーマルで235ps/25.5kgmなのですでにスーパーチャージャー化くらいの出力が出ている。そこにスーパーチャージャーをポン付けすれば、270ps/30kgmくらいは可能!? フルキットなら330ps/37kgmまで出てしまう!? と夢を持ってしまうが、実際無理ではなさそう。

 さらにすでにターボキットも開発中。さまざまなステージを想定して、複数の大きさのタービンキットがラインアップされる予定だ。

 マフラーは複数モデルをリリース済み。「Hi-Power SPEC-LⅡ」は薄肉パイプに肉抜きされたフランジを組み合わせた軽量でハイパワーなモデル。スポーツ走行でのパフォーマンスアップに最適。

 「LEGAMAX Premium」はジェントルなサウンドと質感の高いエンド処理など、大人のスポーツマフラーとして人気のモデル。

 そして、今回「LEGAMAX Sports」なるモデルも開発中だという。純正で装備されているアクティブサウンドコントロールシステムに合わせてサウンドチューニングを行ったモデル。気持ちよさに重点を置くという。さらに、先代86/BRZでも好評だった高効率エキマニも現在開発中。

 もちろん、エンジンを制御するECUの書き換えチューンも提供予定だが、現時点では開発中。そこでまずはリミッターカット装置の「DSLD」を開発。すでに動作確認済みとのこと。

 HKSとしては異例のエアロキット「BODY KIT TYPE-S」も製作。純正エアロパーツに追加するタイプのリップスポイラーやサイドステップなど、見た目を彩るパーツもリリースされる予定だ。

軽量化されたGR86に自社吸排気パーツを組み込んだアタックマシン。エンジンECUはノーマルで、オリジナルサスにタイヤはSタイヤのADVAN A050 295/35R18を組み合わせ、なんと筑波サーキットで1分1秒286をマーク

■BLITZはエアロとターボで攻める

 まずBRZはユーザーライクなライトチューン仕様として仕上げる。エアロはに付け足すタイプでフロントリップスポイラー、サイドスポイラー、リアディフューザー、トランクエアリデューサー、GTウイングを装着。

 注目なのはGTウイング。通常トランクへの穴開けが必須だが、AERO SPEED R-Conceptでは取り付けマウント部分ごと製作。純正のこの部分はネジとクリップで止まっているので、それを外して専用台座で固定。この台座からGTウイング用のステーを伸ばせるのだ。つけやすく外しやすい、新たな提案なのだ。

 GR86はフルエアロとターボキットを装着。本格的なチューニング済みの仕様だ。エアロパーツはフロントフルバンパー、サイドステップ、リアフルバンパー、GTウイング、前後のオーバーフェンダーキットを装着する。

 エンジンは試作ターボキットを装着。モデルチェンジで2.4L化されたことで、これまでよりももっと大きなタービンがマッチすると予想され、現在開発中。300ps程度までのパワーアップを想定している。

 もちろんBRZもGR86もどちらも自社製サスペンションZZ-R DSC PLUSを装着。しなやかな単筒式サスペンションで、減衰力は32段階調整式。その減衰力をGなどに応じて遠隔自動調整できる、SpecDSC PLUSも備えている。

■老舗の関西サービスは技が光る

 「GR86/BRZはノーマルでも相当良くなっている。とくにボディに関しては凄くいいですね」と向井敏行代表。

得意とするオリジナルの補強パーツ開発。その結果、良くなったボディがワンランク上に引き上げることができたという。リアのタワーバーは純正のパンク修理キットを避けるレイアウト。無改造で装着できるのも、さすが関西サービス。

 ボディがよくなることで、サスペンションもっとよく動くようになり、乗り心地もハンドリングも純正でよくなっている部分をもっと伸ばすことができたという。

 エアロパーツは現状ではHKSでまとめる。自社パーツはこれから開発予定で、フロントリップ、サイドステップなどを開発予定。

■GROW Designは佐々木雅弘が仕立てる

 GR86の開発ドライバーを務めた佐々木雅弘選手。もともとディーラーメカニックで、自分でクルマを作ってレースを始めたという異色の叩き上げレーサー。チューニングも大好き。というか、いじらずにはいられない。

 そんな彼が「自分だったらこんなさりげないエアロが欲しい」と作ってしまったのがこちらのエアロパーツ。フロントスポイラー、サイドステップ、リアアンダー、ウイングと、前後のオーバーフェンダーだ。

GR86の開発ドライバーを務めた佐々木雅弘選手が作ったエアロパーツ。フロントスポイラー、サイドステップ、リアアンダー、ウイングと、前後のオーバーフェンダー。純正を引き立てるさりげなさがかっこいい

 「車高も下げたいけど、今回の純正サスペンションの仕上がりには自信がある!!」と開発ドライバーらしいコメントで、なんと純正ダンパーに組み合わせるスプリングまで製作。いわゆるダウンスプリングと呼ばれるもので、車高を下げることができ、乗り味はノーマルダンパーのそれ。車高調まではいらないけれど、さりげなく車高を下げてエアロを付けて、かっこよくまとめたいという人にピッタリ。

■NOBLESSEは純正追加エアロをリリース

 ノブレッセも純正エアロに追加するタイプを製作。アンダーパネル的なデザインとすることで、スポーティさを大幅に高める。窪田一郎代表のこだわりはその精度の高さ。修正無くバッチリと装着できるエアロを目指して製作されており、その仕上がりの良さからディーラーや量販店でも扱われている。

■KUHLはコンプリートカーが光る

 クールではVer1 03R-GTW、Ver2 04R-GTW、KRUISE KR-ZN8RRなど、多数のエアロパーツをラインアップ。これらを購入も可能だが、人気なのは新車コンプリートカーの販売。新車からこれらのエアロを組み込んだ状態で購入する。

 価格的にも後から購入するよりもリーズナブルで人気を集めている。例えば、GTWフルバンパーエアロキットを装着すると500万円ほどになるが、エアロパーツ、オリジナルマフラー、BLITZ製サスペンション、19インチタイヤ&ホイール、7インチ楽ナビ、フロアマットなどが付属し、90万円以上も割引になる。

多数のエアロパーツをラインアップしており、これらも購入可能だが、新車からこれらのエアロを組み込んでいる新車コンプリートカーの販売が人気。価格的にもリーズナブルである

 今回のオートサロンのメインは間違いなくGR86/BRZだった。パーツメーカーからチューニングショップまで、数多くの出展者がGR86/BRZのパーツを提案していた。しかし、まだ手探り状態。エアロパーツもほとんどは純正エアロに付加するタイプ。来年以降はバンパーごと交換する、フルバンパータイプが主流になるだろう。

 近年のチューニング事情を握っているのはすべてECUである。クルマを制御するECUを書き換えられなければ、パワーアップするようにチューニングはほぼ不可能。GR86/BRZではまだ解析がされていない。これができるようになれば、NAエンジンをさらに研ぎ澄ますパーツから、過給器のような大幅パワーアップチューンまで可能になる。そうなれば、さらにGR86/BRZのカスタマイズの世界は爆発的に広がる。

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