もっと詳しく
ガニ股ドライバーは要注意! アクセルとブレーキの踏み間違い事故の原因はガニ股だった!?

 アクセルとブレーキの踏み間違えによる事故は高齢ドライバーだけのものと思っている人は多いだろう。しかし、警視庁の発表によると、過去10年間で踏み間違いが原因で事故を起こした年代で多かったのは、10代~20代の若年運転者であり、約3割を占めるという。

 一方、75歳以上の高齢ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違え事故は実は10代~20代と同程度の約3割。残りはそれ以外の世代による事故ということになる。ニュースなどで高齢ドライバーの事故ばかりが取り上げられる理由は、若年層は比較的軽微な事故で済んでいることが多く、高齢ドライバーは重大事故につながっている割合が多いためだ。

 ということで、「自分はまだ若いから関係ない」と高をくくっている場合ではないのだ。今回は、重大事故につながるアクセルとブレーキの踏み間違えの発生原因と、それを防ぐ手立てを考えていく。

文/室井 圭、医療監修/伊藤重範(医療法人三九会 三九朗病院 循環器内科専門医・総合内科専門医・医学博士)、写真/写真AC、イラストAC

【画像ギャラリー】プラスαのストレッチ、筋トレで踏み間違えの不安を解消!(19枚)画像ギャラリー

ガニ股で知らず知らずのうちにアクセルペダルに足先が……

 ペダルの踏み間違えには、脚の骨格のゆがみが大きく関与している。下肢のアライメント(骨の配列)は普段の姿勢のクセなどが原因でゆがみが生じ、O脚、X脚、ガニ股などになってしまう。特に踏み間違えをしやすいのは、足先が外に向きやすくなるガニ股だ。

 椅子に座った時に、膝を揃えて座っていられない、自然に股を大きく広げてしまう人は、下肢の骨格が変形してガニ股になってしまっている可能性大だ。

 また、両脚を揃えて立った時に膝と膝がつかないO脚や、くるぶしがつかないX脚もガニ股同様に足先が外側に向いてしまうことがある。とはいえ、足先が外側に向いてしまうのは圧倒的にガニ股が多い。

 足先が外を向いている場合、ブレーキペダルに足を置いていても、足先がアクセルペダルに向きやすい。運転中は足の位置をわざわざ目視で確認することはないため、知らず知らずのうちにアクセルペダルに足先が接近してしまう。すると、とっさにブレーキを踏まなくてはならない場面で誤ってアクセルをグイッと強く踏み込んでしまうことになるのだ。

踏み間違えが起きるのは、脚の骨格のゆがみが大きく関与している。下肢のアライメント(骨の配列)は普段の姿勢のクセなどが原因でゆがみが生じて、O脚、X脚、ガニ股などになってしまう。特に踏み間違えをしやすいのは、足先が外に向きやすくなるガニ股だ。  椅子に座った時に、膝を揃えて座っていられない、自然に大股を開いてしまうという場合は、下肢の骨格が変形してガニ股になってしまっている可能性大だ。  また、両脚を揃えて立った時に膝と膝がつかないO脚や、くるぶしがつかないX脚もガニ股同様に足先が外側に向いてしまうことがある。とはいえ、足先が外側に向いてしまうのは圧倒的にガニ股が多い。  足先が外を向いている場合、ブレーキペダルに足を置いていても、足先はアクセルペダルに向きやすい。運転中は足の位置をわざわざ見て確認することはないため、知らず知らずアクセルペダルに足先が接近してしまう。すると、とっさの対応が必要になった場合、ブレーキを踏むはずの場面でアクセルをグイッと強く踏み込んだりしてしまうことになるのだ。
アクセルペダルとブレーキペダルの位置関係にも問題が。車種によっては両ペダルの位置が非常に近いものもある。靴がペダルとペダルの間に挟まり、追突事故を起こすといった事例も少なくない

最凶なのは、ガニ股で身体が硬い人!

 走行中の踏み間違えによる事故は少なく、駐車場などで上半身を動かした時に発生することが圧倒的に多い。これは年代に関係ない傾向だ。この原因は、駐車時などに上半身を動かす機会が多いことが考えられる。上半身を動かすと下半身も連動して自然に動いてしまうからだ。

 注意したい動きは、駐車などでハンドルを何度も切り返しをしたり、首や上半身を回して後方を確認しながらバックする時など。また、駐車場などの自動精算機で料金を払う時なども油断してはいけないシチュエーションだ。ブレーキペダルに置いていた右足の足先がアクセルペダルに掛かっていたことに気づかずに身体をひねったりすることで、アクセルを踏んでしまう危険性が高いのだ。

 それに加えて、クルマが意図しない動きをすることでパニックに陥り、さらに勢いよくペダルを踏み込んでしまい、大きな事故を起こしてしまうことも……。

 ガニ股以外に注意したいのは、身体が硬い人だ。身体が硬い人は筋肉や関節が硬いため、上半身の動きに引っ張られて下半身の位置が動きやすくなるからだ。

ガニ股ドライバーは要注意! アクセルとブレーキの踏み間違い事故の原因はガニ股だった!?
足先が外側に向いてしまうガニ股の人は、自然とアクセルペダルに足先がついてしまっていることが多くなる。そのまま上半身を動かすことでアクセルを踏み込んでしまうことになる

股関節まわりの硬さをとってガニ股を矯正しよう

 では、ガニ股を治すにはどうしたらいいのだろうか? まずは、股関節の硬さをとり、太腿、特に太腿の内側(内転筋)の筋肉をつけることが必要だ。なかでもガニ股は股関節まわりの硬くなった筋肉が骨を引っ張ることで発生するため、股関節まわりの筋肉の硬さをとる運動(ストレッチ)が効果的と言われている。

 右や後方を見る時に股関節が硬いと、足先が無意識に右側に動いてアクセルペダルに掛かってしまう。また、足を素早く動かすことができなくなり、ペダルの踏みかえもスムーズに行うことが困難になってしまう。これを防ぐうえでも、股関節まわりの硬さをとることは非常に重要となってくる。

 また、足首の硬さ、脚の筋力低下、足裏の感覚の低下は円滑なフットペダル操作にも影響する。そのため、日頃からのストレッチや筋トレ、運転前の準備運動がアクセルとブレーキの踏み間違えを防ぐには有効と言える。

 ちなみに、トヨタでも踏み間違えの防止のため、脚の開きを補正する「安心ドライブサポートクッション」をアクセサリーとして用意している。価格も6160円と4290円と手頃なので、脚の開きが気になる人は、販売店に問い合わせてみてほしい。

ペダルの踏みかえ動作に関わる内股の筋肉を支えることで筋肉への負担を軽減し、自然に脚の開きが補正されるという優れもの。足先を自然ブレーキに寄せてくれる

アクセルとブレーキの踏み間違いが防げる! 超簡単! ガニ股矯正運動

 ここからは運動習慣のない人でも簡単にできる踏み間違え防止効果の高いガニ股矯正運動を紹介する。テレビを見ながらなど、ながらでもOKの簡単なものばかり。できるものだけでもいいので、空き時間ができた時に行ってみよう。

股関節を柔らかくするストレッチ

ガニ股ドライバーは要注意! アクセルとブレーキの踏み間違い事故の原因はガニ股だった!?
1.背すじを伸ばして床に座って足の裏を合わせる。両膝は痛みが出ない程度でいいので、床につけるようにする
2.上半身を前にゆっくり倒していく。痛みを感じない程度まで倒したら、10秒程度そのままの状態を維持する
ガニ股ドライバーは要注意! アクセルとブレーキの踏み間違い事故の原因はガニ股だった!?
椅子やテーブル、壁などに片手をついて背すじを伸ばして立ち、ワイパーのように両足を外側、内側に大きく開いたり、閉じたりを30秒ほど繰り返す。これを左右行う
ガニ股ドライバーは要注意! アクセルとブレーキの踏み間違い事故の原因はガニ股だった!?
両足を大きく広げて膝を伸ばして座る。両手を身体の横について身体を支えながら、片足のつま先を外側に、もう一方のつま先を内側にひねる。これを30秒ほど続ける

太腿内側の筋肉、内転筋を鍛える

ガニ股ドライバーは要注意! アクセルとブレーキの踏み間違い事故の原因はガニ股だった!?
床に仰向けになり、硬めのクッションを太腿と膝で挟む。左右の太腿の内側を意識してクッションをつぶすように押し付ける。押し付けた状態を3~5秒キープして力を緩める。これを10回×2セット行う

身体の反応速度を高めるプラスαストレッチ

 ペダルの踏みかえや、予期せぬクルマの挙動に対応できる身体を作るには首まわりや、肩や背中、足裏の筋肉の血行を良くして柔軟性を高めることが効果的。ここでは、運転前に行うと身体の反応速度が高まるストレッチを紹介しよう。

ガニ股ドライバーは要注意! アクセルとブレーキの踏み間違い事故の原因はガニ股だった!?
頭の横に片手を置き、そのまま手で頭を引っ張るようにして、首の筋肉が伸びていることを確認しながらゆっくり片側に倒していく。これを左右行う。痛みを感じたらストップしよう
ガニ股ドライバーは要注意! アクセルとブレーキの踏み間違い事故の原因はガニ股だった!?
片手の手のひらを内側に向け、もう一方の手で手首を外側に反らせていく。次に、手の甲を押して外側に曲げていく。これを左右行う
ガニ股ドライバーは要注意! アクセルとブレーキの踏み間違い事故の原因はガニ股だった!?
1.地面をつかむように足指をギュッと握り、パッと開く「グー」を10回繰り返す
2.親指を上に、それ以外の4本を下に曲げる「チョキ」を10回繰り返す
3.全部の指を大きく広げるパーを10回繰り返す
【画像ギャラリー】プラスαのストレッチ、筋トレで踏み間違えの不安を解消!(19枚)画像ギャラリー

投稿 ガニ股ドライバーは要注意! アクセルとブレーキの踏み間違い事故の原因はガニ股だった!?自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。