2021年1月7日、5月の発売開始を前に、6代目となるステップワゴンが、ついにその姿を現した。
現車をパッと見た瞬間、「四角い!!」と感じるそのフォルムは、シンプルな空間を目指した、まさに初代への原点回帰を感じさせるもの。
現時点ではボディサイズやエンジンなどの詳細は非公表ながら、見たところ全幅は1700mmを超えて3ナンバーサイズとなっていそう。
AIRとSPADA。新型ステップワゴンは2つの個性でBOXミニバンの新たな定番を目指す!!
※本稿は2022年1月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年2月10日号
■ユーザーの声を反映した使いやすい室内空間
開放感あふれる室内空間が新型ステップワゴンの大きな魅力だ。
AIR、スパーダで、インパネやシートなどインテリアのカラーコーディネートは異なるものの、基本的な造形、シートレイアウトなどは同様。
3列目に乗り込んでみる。先代型ではほぼフラットだったシート高は、新型では2列目→3列目と高くなっていて前方視界がいい。さらに、1列目、2列目のヘッドレストが横長形状になっており、3列目シート乗員の視界を広くしているのもポイント。
上の写真は最後部から前方を見渡したものだが、3列目の両サイドにもクロス地があしらわれており、これが前方にスーッと伸びることで、3列目乗員の視線を自然に前方に向ける効果があるのだという。
これにより、クルマ酔いが大幅に低減できたという実験結果もあるとのこと。
直線的なルーフラインにより、3列目の頭上スペースは余裕たっぷり。サイドウィンドウも大きく、明るく開放感のある室内は、爽快な空間となる。
■5代目の大きな特徴『わくわくゲート』は廃止
5代目で特徴的だった横開きもできる「わくわくゲート」は廃止され、一般的なリアゲートのみとなった6代目ステップワゴン。操作性を考慮して、パワーゲートを標準装備としている。
わくわくゲート廃止については大いに論議が繰り広げられたというが、決断の決め手はユーザーの声だった。
ホンダが想定した使い勝手を、ユーザー側がステップワゴンを選ぶ大きなメリットとして認識していないという声が多かったのだという。
一方、3列目シートの床下収納は最大のユニークポイントとして堅持。収納高の関係で、クッションを厚くできないネガが指摘されてきたが、新型は座面クッションを20mm肉厚化して座り心地を改善している。
3列目を床下収納とすることで2列目の最大865mm超ロングスライドを実現したのも特筆ポイントだ。2列目シートは左右スライドも備えており、さまざまな使い方に応じて自在なシートポジションを可能とする。
■3列目シートは床下収納クッション20mm肉厚で快適!!
3列目シートの床下収納はステップワゴンのこだわりポイント。ライバルのノア/ヴォクシー、セレナともに左右跳ね上げ式なので、大きな差別化となる。
床下に収納するため、収納時の高さがネックとなり、どうしても座面や背もたれのクッション厚を犠牲にせざるを得なかったが、新型では「わくわくゲート」を断念したことで、後部からの乗降を考慮する必要がなくなり、若干荷室フロアを高くすることが可能となった。
これにより収納高が稼ぐことが可能となり、その分座面クッションを20mm肉厚化することが可能となったという。
3列目シートは後部荷室側からワンタッチで左右6対4での分割収納が可能。
収納後の荷室フロアは完全フラットになる。2列目シートの収納機構はないが、背もたれを前倒させて最前にスライドさせれば充分な荷室空間を作り出すことが可能。
3列目を床下収納とすることで、2列目の超ロングスライドが可能となったという側面もある。
跳ね上げ式だとスライド幅を充分に取ることができないうえ、後部側窓が遮られてしまい、ロングスライドした2列目乗員の視界が得られなくなってしまうのだ。
このあたり、開発陣が徹底的に快適性を追求した結果なのだ。
【画像ギャラリー】6代目お披露目!! AIRとSPADA 2つの個性でミニバンの新定番を目指す新型ステップワゴンをギャラリーでチェック!(36枚)画像ギャラリー投稿 わくわくゲート廃止? 原点回帰?? 新型ステップワゴンが目指すのはユーザーの声を反映したミニバン「新スタンダード」 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。