鮫渕さんが、防災無線のスピーカーのある方向を振り返りながら言うと、姉は、そうなんです、と答えながら出入り口に行く。すでに雨に濡(ぬ)れている鮫渕さんは水車小屋の方向を指す。 「自分は杉子さんの車で守さんを追います。その間、ネネを見ておいてください」 姉はうなずいて外へと走り出ていき…
鮫渕さんが、防災無線のスピーカーのある方向を振り返りながら言うと、姉は、そうなんです、と答えながら出入り口に行く。すでに雨に濡(ぬ)れている鮫渕さんは水車小屋の方向を指す。 「自分は杉子さんの車で守さんを追います。その間、ネネを見ておいてください」 姉はうなずいて外へと走り出ていき…