もっと詳しく
  1. 副業の約8割がリモート前提に―副業マッチングのシューマツワーカーが「副業系サービスカオスマップ 2022年版」公開

副業したい人と企業をつなげる副業マッチングサービス「シューマツワーカー」を運営するシューマツワーカーは2月2日、副業系サービスカオスマップの2022年版を公開した。同調査では、225の副業系サービスを、リモート・現場型・単発・継続という軸で整理した上で、その特徴ごとに9つのグループに分類し、マッピングを行っている。

シューマツワーカーによると、同調査により、副業系のサービス数は前年版の調査比で約1.2倍、2017年の調査版からは約4.2倍(54社→225社。何を副業マッチングサービスとして数えるかの厳密な掲載の定義は2017年版と2022年版では異なる)と、働き方改革・副業解禁という時流の中で、スキルシェア・副業系サービスが急増したことがわかったという。また、そのうち約82%のサービスがリモート副業を前提としている。コロナ禍でニューノーマルな生活様式が浸透しつつ「副業」のあり方も変わってきているとした。

カオスマップの読み方と各グループの説明

カオスマップのうち、縦の軸は場所を選ばない「リモート型」の副業と、その場に行くことが必須の「現場型」としている。また、横の軸は「単発型」と「継続型」と設定。この2種類の軸に対し、左上をAゾーン(リモート×単発)、右上をBゾーン(リモート×継続)、左下をCゾーン(現場型×単発)、右下をDゾーン(現場型×継続)という4種類のゾーンに分け、225個の副業マッチングサービスのロゴをマッピングした。さらに、副業の特徴により、9グループに分類した。

4つのゾーン

  • Aゾーン(左上):リモート×単発
  • Bゾーン(右上):リモート×継続
  • Cゾーン(左下):現場型×単発
  • Dゾーン(右下):現場型×継続

副業の特徴による9グループの内訳

  1. 総合型スキルマーケット型:クラウドソーシングやスポットコンサルのように、様々なスキル・知見を提供・購入し合うもの
  2. 特化型スキルマーケット型:何らかのスキルに特化。スキルのジャンルは大きく13のサブグループにわかれており、「家事代行」「DIY」のように現場必須のものから、「翻訳」「ライティング」などリモートでできるものまで、縦長の幅広いグループとなっている
  3. ポイ活型:アンケートに答えたり、商品のレビューを書くなどの、比較的隙間時間に作業しやすい「リモート×単発」グループ。誰でも始めやすい副業
  4. シェアリングエコノミー型:家・車・場所といった所有しているものを貸し出すなど、遊休資産の運用を副業収入につなげるグループ。カオスマップ上、このグループ以外の副業は基本的に労働に対する報酬を得るものといえるため、特色のあるグループとなっている
  5. ギグワーク・すきまバイト型:「現場型×単発」のグループ。Uber Eatsのようなフードデリバリーや、「旅×副業」といった移動を前提としている
  6. 企業で一定期間副業型:ビジネススキルを活かし、所属企業とは別の企業で、プロジェクト的に(あるいは継続的に)副業をするというケース。マーケティングや営業・人事などの職域特化、女性特化・地方特化など、多様な切り口のサービスが存在する
  7. 表現・発信型:ライバーやSNSなどが含まれる。「表現・発信型の副業」は、費やす時間に対しての金銭的な収入が確約されるとは限らないものの、フォロワーが多くなれば企業のPR案件をインフルエンサーとして宣伝することや、投げ銭・有料コンテンツの販売という機能により、収益を得ることも可能な仕組みがある
  8. EC関連:家の不用品やハンドメイド品の物販を売買するグループ。自らネットショップを構築するものと、プラットフォーム上に出品するもののサブジャンルがある。CtoCマーケットの隆盛に伴い、出品代行といった関連サービスも見受けられる
  9. オンサイトで継続型:治験ボランティア、牛乳配達・新聞配達・販売・飲食の接客系などの仕事が含まれる(ロゴではなくカテゴリーの名前で記載)

コロナ禍・ニューノーマルの生活様式により、約82%近くの副業がリモート可能なものに

副業市場全体でサービスが増加する中で、特にサービス数が増加したのは、グループ2の「特化型スキルマーケット」とグループ6の「企業で一定期間副業」。

グループ2「特化型スキルマーケット」には、DIYや出張シェフ、ペットケアなどの個人の特技やスキルを活かしたバラエティ豊かなマッチングサービスが並ぶ。一方、グループ6「企業で一定期間副業」には、マーケティング・営業・人事など職域に特化したサービスや、女性特化・地方特化サービスなど、多様な切り口のサービスが見受けられる。

グループ6「企業で一定期間副業」につながる背景としては、有名企業・地方自治体の副業人材が相次いで「副業人材を活用したイノベーション」に取り組んでおり、需要側である企業サイドに「副業人材の活用」という意識が浸透しつつあることが1つの要因と考えられるという。

また、コロナ禍およびニューノーマルの生活様式の中で、リモートワーク・テレワークの浸透により浮いた「通勤・支度時間分」を活かして副業を探す人が増えたこと、また「リモート副業」という方法で居住圏外での副業にチャレンジする人も増えたことが、これらサービスへの登録者の増加やのマッチング創出の追い風となっているとしている。

2022年のカオスマップに掲載したサービスのうち、約82%近くの副業がリモート可能なものであり、現場型の副業(配達デリバリー、介護、治験ボランティアなど)は全体の約18%となった。コロナ禍のニューノーマルの生活様式の中では、「新しい仕事」が誕生し、従来型の働き方を前提とする仕事の数は相対的に激減しているといえるという。