今週の株式市場続落で資産を減らした投資家らの間で「岸り人」という新語が流行り出した。数年前の仮想通貨ブームで財を成した億万長者の俗称「億り人」をもじったもので、岸田首相の経済政策が株安の原因の一つだとする見方をする“株クラ”のネット民たちが、「岸田ショック」とともに、自分たちの損を嘆く自虐ネタにしているようだ。
ツイッターを調べると、今週前半の時点で「岸り人」をツイートしている人は見当たらなかったが、日経平均株価が3日連続で大幅に続落した27日の相場が締まった後から徐々に増え始めたようだ。
検索を続けていくと、同日正午過ぎ、株式投資をしている匿名アカウントの1人が「岸田渦とか岸り人とか 皆センスあるなあ」と感心する様子がツイッターで最初期の投稿のようで、数々のネットスラングを生み出した匿名掲示板が初出の可能性もある。
さらに29日になり、FX投資家が自身のメールマガジンで「岸田ショック」の話題を取り上げるとともに「岸り人が続出」と記述。この記事を転載したネットメディアの記事がさらにツイッターで拡散し、認知度が上がっている。
自虐ツイートをする株クラのネット民の中には「1月で今年の流行語大賞は決まり」と言う人も相次いでいる。さすがにこれは半ばヤケ気味のジョークと思われるが、本家(?)の「億り人」は2018年の流行語大賞にノミネートされるなど注目された。果たして「岸り人」は今後、大手メディアにも取り上げられ、株取引をしない人たちの間にも知れ渡る展開となるか。
ただ、「岸り人」がメジャーになればなるほど、株式市場は更に続落している可能性が高い。投資家としては「岸り人」の認知度が株クラ内にとどまることを祈りたい気分かもしれない。