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Googleがインドの通信事業者Airtelに、最大10億ドル(約1152億円)の投資を行なう。それはこの国への100億ドル(約1兆1522億円)の積極関与の約束の一環として、世界で2番目に大きいインターネット市場にGoogleが張ってきた一連の賭けの、最新のものだ。

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Googleによると、同社は7億ドル(約807億円)を投資してAirnetの株の1.28%を取得する。Airtelはインドで2番目に大きい通信事業者で、契約者は3億人を超える。Googleは同社にさらに3億ドル(約346億円)を投じて、複数年の商業的合意の可能性を探る。

両社は「革新的なアフォーダビリティプログラム」を通じて、消費者に幅広いAndroid対応デバイスを提供するために、Airtelのサービスを拡大することに取り組むと述べている。また、GoogleとAirtelは、より手頃な価格のスマートフォンを作るために、スマートフォンメーカーとの提携を模索する予定だという。

GoogleとAlphabetのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は「Airtelはインドのデジタルの未来を形作る主要なパイオニアであり、接続性を拡大し、より多くのインド人にインターネットへの公平なアクセスを確保するという共通のビジョンで提携できることを誇りに思います」と声明で述べています。

「Airtelへの商業投資および株式投資は、スマートフォンへのアクセスを拡大し、新しいビジネスモデルをサポートする接続性を強化し、企業のデジタル変革の旅を支援するGoogle for India Digitization Fundの取り組みを継続するものです」。

インドのコルカタのAirtelストア、2021年11月24日(画像クレジット:Debarchan Chatterjee/NurPhoto via Getty Images)

現地時間1月28日の発表は、AirtelとVodafoneがインド政府への数十億ドル(数千億円)の借款の返済で腐心しているときに行われた。Vodafoneは2021年1月の初めに所有権の35%ほどをニューデリーに渡し、インド政府が同社の最大の株主になった。

VodafoneとAirtelは、アジア最大のお金持ちであるMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が経営するJio Platformsと競合している。Jio Platformsは、その音声とデータの低料金により契約者数が4億を超えている。Googleは2020年にJio Platformsに45億ドル(約5185億円)を投資した。Facebookをはじめ10以上の企業がアンバニ氏のその他の企業を支援している。

GoogleとJio Platformsはコラボレーションにより、彼らが初め大衆向けと呼んでいたAndroidスマートフォンを作った。しかしそのハンドセットは一度遅れ価格も相当高いので多くは売れないとアナリストたちは考えていた。2017年のインドで行われたイベントでピチャイ氏は、インドのような市場は世界に多いが、そんな市場では、スマートフォンの大衆化のためには価格が30ドル(約3460円)以下でないとだめだ、と述べた。JioPhoneのいわゆる大衆機は87ドル(約1万20円)だった。

Airtelは1月28日に、Googleとは「大型の戦略的目標」を検討し、共同でインド固有のネットワークドメインによる5Gのユースケースやその他のスタンダードを作っていくという。

両社はまた、インドにおけるクラウドエコシステムの形成と成長でも協働していくという。Airtelはすでに同社のエンタープライズ接続性サービスを100万以上の中小企業に提供しており、クラウドによるデジタル化の採用が加速される、と金曜日に発表している。

Bharti Airtelの会長Sunil Bharti Mittal(スニル・バーティ・ミタル)氏は声明で「AirtelとGoogleは革新的なプロダクトでインドのデジタルの恩恵を育てていくビジョンを共有している。私達の未来指向のネットワークとデジタルのプラットフォーム、ラストマイルの配信、および決済のエコシステムにより、Googleとの密接な協力でインドのデジタルエコシステムの深さと幅を増大していきたい」と述べている。

6億のインターネットユーザーがいて、まだその他のもっと多くがオンラインでないインドは、米国のテクノロジーグループにとって最後で最大の成長市場だ。GoogleとFacebookはともに10年前から、数千万のインド人にインターネットへの接続を提供するためのさまざまな事業を展開してきた。

画像クレジット:Samir Jana/Hindustan Times/Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)