乗りバスレポート、今回はJR小岩駅と都営新宿線瑞江駅を結ぶ京成バスの路線3兄弟のうちの一つ、「小73」系統だ。「小72」「小73」「小76」3兄弟のうち最も距離が短く最短時間で結ぶ路線だ。今回は瑞江駅から小岩駅に向けて乗車した。運行担当は京成バス江戸川営業所だ。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
3ルートある大幹線?
小岩駅と瑞江駅を結ぶ京成バスの路線は3本あり、路線はほぼ重複なしだ。全区間を江戸川区内で完結する。江戸川区は東西の移動は地下鉄や鉄道があるが、南北の鉄道路線がなく公共交通機関での移動はバスしかない。江戸川区では転入者に区内バス路線図を配布しているほどだ。
小岩駅と瑞江駅を結ぶ3路線沿線には住宅地の他に病院もあるので比較的混雑している。小73系統は江戸川清掃工場発着を基本に小岩駅を瑞江駅を経由して結ぶ。入出庫便では江戸川スポーツランド発着や、ラッシュ時には瑞江駅発着便もあるが、主要区間である瑞江駅・小岩駅間は6km強で約26分で走る。
瑞江駅は都営地下鉄の地下駅でありながら駅前ロータリーがあり、のりばは3つある。同線の江戸川区内にある地下駅(一之江・瑞江・篠崎)はすべて駅前ロータリーがありバスターミナルになっている。
小岩駅行きはこの3つのバス停を全部使う。小岩駅まで行くのであれば、どの停留所から乗車しても問題はないが、経路が異なるということである。
運賃は均一制の220円。江戸川清掃工場から瑞江駅に到着した小73系統はロータリーを出て左折するが、他の2系統は右折しさらに南北にわかるので、瑞江駅周辺では同方向にバス停の重複はない。
柴又街道をひたすら北上の最短経路
瑞江駅を出て柴又街道に入ると、後は小岩駅にアプローチする直前までひたすら北上する。京葉道路を交差し、国道14号線・千葉街道まで走ると左折し小岩郵便局に停車し、小岩駅へのアプローチであるフラワーロードに入る。
千葉街道からフラワーロードに右折するが、正面からは瑞江駅を出発する時に反対側に行ってしまった小76系統が来て左折して入る。フラワーロード内の小岩駅通り・下小岩小学校・中の橋の3停留所が小73と小76の重複だ。小72系統は小岩駅の反対側からアプローチしてくるのでまったく重複しない。
商店街に多くの路線バスと空港バスがひしめく
フラワーロードは小岩駅前の商店街のひとつで、アーケードこそないものの比較的長く店舗街が続く。ここは京成バスの他に都営バス・京成タウンバスの路線バスや東京空港交通のリムジンバスも走るのでバスが非常に多い道路だ。
商店街という立地もあり荷役のための路上駐車や駅に向かう自転車も多く、バスが行き違いをするのに苦労する区間でもある。環七通りを葛西駅やTDRに向かうシャトルセブンの小岩駅発着便もここを通る。フラワーロードを慎重に通過し終わると終点の小岩駅だ。
小岩駅も停留所は全系統別!
小岩駅のバス停も瑞江駅方面は3系統すべて違う停留所から発車する。乗車が多くどの系統も折り返しの便を待つ人の列がすでにできているので、すぐに車内点検を済ませて折り返し便として瑞江駅方面に向けて乗車扱いをする。
双方向に深夜バスが運行される!
小73系統と小72系統は双方向で平日23時を超えて深夜バスが運行されており、小岩駅発の瑞江駅経由江戸川スポーツランド行き最終は、小73系統の深夜バス0007発だ。瑞江駅には0027に到着し、運賃は倍額の440円。
現在のダイヤでは総武緩行線から瑞江駅への最終接続は都営新宿線が発着する本八幡駅以外の亀戸・千葉間であれば小岩駅からこの深夜バスに乗るのが最終接続なので乗車は多い。錦糸町以西であれば地下鉄乗り継ぎや、岩本町・市ヶ谷駅接続が最終になる。
小73系統は3路線がほぼ重複しない中で、両端を乗り通す人は別としても、それぞれの路線沿線がすべて住宅街なので、どの路線が欠けても困る重要な南北交通のひとつだった。
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